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中国EC大手のJD.com(京東商城)が実店舗への進出を加速している。JD.comが取り扱う商品を販売する店舗は8月現在、92店舗を展開。これを2017年末までに300店舗へ増やす。

店舗形態は直営店ではなく、フランチャイズ制を採用。JD.comの膨大なビッグデータを活用し、品ぞろえや在庫数などをそれぞれの店舗ごとにローカライズしているという。JD.comが手がけるオフラインにおけるビジネスモデル、その狙いとは。

目的はリアルの場での顧客データ収集

JD.comがネット通販をスタートしたのは2004年。わずか12年で流通額約15兆円(日本円ベース、元ベースでは9392億人民元)を誇る中国最大の小売企業にのし上がった。

そのJD.comが手がけるリアル店の名称名は「JD Retail Experience Shops」。取り扱う商品は本や家電、消費財、化粧品など、「JD.com」で販売する商品だ。

流通額15兆円の中国EC大手JD.comが実店舗「JD Retail Experience Shops」を大量出店するワケ
JD.comがFC制で展開する実店舗「JD Retail xperience Shops」

店舗はフランチャイズ制で展開。JD.comがFC店舗に商品を供給し、FC店舗はJD.comから商品を仕入れる商流になる。売り上げに対する手数料が「JD.com」のメイン収益となるが、真の狙いはこの手数料収入ではない。

目的はリアルの場で顧客データを収集し、ネット通販や金融、リアル店舗などビジネスにおけるインフラ作りにつなげていくことにある。

FC店舗への商品供給には「JD.com」が保有するビッグデータを活用する。たとえば地域軸にしたデータの活用。「JD.com」の顧客データベースを基に、FC店舗周辺のユーザーがどのような商品を購入しているのか購買単価はどの程度なのか男女比年齢など、さまざまなデータを駆使して、取り扱う商品を決めていく。

すでに展開されているFC店舗では、当該地域のユーザーデータに基づいた売れ筋商品を扱っているという。

FC店舗では位置情報や顔認識など「JD.com」が持つテクノロジーも駆使する。たとえば、店舗に来訪してその後、モバイルで購入するといった消費者行動なども把握。実店舗におけるユーザー行動を可視化し、リアルの場での買物行動データを収集していく。

流通額15兆円の中国EC大手JD.comが実店舗「JD Retail Experience Shops」を大量出店するワケ
「JD.com」のビッグデータを活用して陳列する商品を決める

FC店舗は「体験型ショップ」という役割も担う。実際に商品を手に取る環境を整えることで、「JD.com」の利用促進を促していく狙いもある。

ビッグデータは在庫管理にも活用する。スペースに限りがある実店舗では、需要を予測しながらある一定程度の在庫を抱える必要がある。そのため、FC店舗は過剰在庫といったビジネス面でのリスクを抱えることになる。

こうした課題は「JD.com」のビッグデータ、ならびに直販で築き上げてきた大規模な物流ネットワークの活用で解消する。ビッグデータを使用した需要予測分析のほか、周辺地域の他のFC店舗中国内で300を超える大型物流倉庫6905か所を超える配送拠点2691の町に置くピックアップステーションを活用し、在庫の融通、共有化を行っているという。

EC企業が巻き起こす中国の小売り革命

JD.comの取り組みは「第四次小売革命」(JD.com広報担当の張雲澤氏)と呼ばれている。「第一次小売革命」は百貨店の進展、「第二次小売革命」がチェーン店の躍進、「第三次小売革命」はスーパーの登場とされている。そして、「第四次小売革命」革命を主導しているのが中国のEC企業である。

「第四次小売革命」とはこれまでにはなかった小売り形態を意味し、ネット通販企業のリアル進出によって引き起こされているという。

JD.comは関連会社JDファイナンスが金融事業を手がけている。クラウドファンディング、企業や個人向けの融資、決済事業など業務内容は幅広い。

JD.comはメイン事業のネット通販(直販)に加え、モール事業で、ネットにおける「商品の流れ、情報の流れ」(同)を確立。今後はリアル店舗の拡充でリアルの場での「商品と情報の流れを確立、把握していく」(同)。

広報担当の張氏によると、商品と情報の流れを掴めば、個人や法人向けの融資事業にも生きていく。リアルとネットにおける「商品・情報・資金」の流れを確立、そして把握していくことによって、将来的には「全方位を網羅したビジネスの展開」をJD.comは狙っているという。

中国EC市場調査報告書2016

JD.com日本法人、JD.com京東日本株式会社の最高責任者が日本初登壇!

11/14+15に開かれるネットショップ担当者フォーラム2017に日本業務最高責任者 荒井 伸二氏が登壇(講演は11/15)。

「EC開始12年で流通額15兆円のJD.com、なぜ中国最大の直販ECサイトに成長できたのか?~初めて日本で明かす成長の秘訣、物流、販促、リアル進出、テクノロジー開発など~」と題して、JD.comの成長の秘訣、最新テクノロジーを活用した無人倉庫、無人配送など中国最先端のお話をご紹介します。詳しくはイベントページをご覧下さい。

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