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Amazon(アマゾン)は自宅内に商品を配達するスマートホームシステムの提供を始めます。将来的には宅配以外にも、清掃業者やペットシッターといった在宅業務の代行サービス提供企業との連携も可能になります。アマゾンは家主が不在でも、第三者が家に入って作業を行い、安全に立ち去ることができる環境を作ろうとしているのです。

「Amazon Key」の仕組み

「Amazon Key」と呼ばれるこのシステムは、Walmart(ウォルマート)が家の中への食料品配達をテスト運用すると公表した1か月後に発表されました。

アマゾンが「Amazon Key」を始めるのは、顧客が帰宅した際、すでに家の中に商品が届いている状態を作るためです。

インターネットリテイラー社発行「全米EC事業 トップ500社 2017年版」の第1位にランクインしているアマゾンは、プライム会員だけが利用できる「Amazon Key」を提供し、顧客の不在時でも家の中に商品を配達できるようにします。

「Amazon Key」を利用したいプライム会員は、専用キットの“Amazon Key In-Home Kit”を購入する必要があります。販売価格は249.99ドルで、「Amazonクラウドカメラ」と、セキュリティーソリューションのYale社とスマートキーメーカーであるKwikset社が開発したスマートロックが含まれています。

「Amazon Key」の利用には、「Amazonクラウドカメラ」と、セキュリティーソリューションのYale社とスマートキーメーカーであるKwikset社が開発したスマートロックが必要
「Amazonクラウドカメラ」と、セキュリティーソリューションのYale社とスマートキーメーカーであるKwikset社が開発したスマートロック(画像は編集部がAmazonのサイトからキャプチャ)

「Amazon Key」は鍵やパスコードなしで作動します。利用客は、自宅に配送員が近づいていることを知らせるAmazon Keyアプリを通じて通知を受け取ります。配送員はチャイムを鳴らした後、小型スキャナーを使用して自宅へのアクセスを要求。アマゾンはその時点で配達員の身元を確認するそうですが、確認方法は明らかにしていません。

顧客が自宅にいる場合、家の中への配達を望まない時は宅内配送を拒否することが可能。配達員は家の外に商品を置いて立ち去ります。また、顧客が不在で、配達員が自宅に入ることを望まない場合も、宅内配送を拒否することができます。顧客は、インターネットに接続されたカメラを通じて配達が無事に終了したかどうかを確認することが可能です。

「Amazon Key」は鍵やパスコードなしで作動できる
インターネットに接続されたカメラを通じて配達が無事に終了したかどうかを確認できる(画像は編集部がAmazonのサイトからキャプチャ)

アマゾンの配達技術部門副社長ピーター・ラーセン氏はこう話します。「Amazon Keyは、商品が無事に家に届き、自宅に帰ればすでに家の中に商品が置いてあるという安心感を顧客に与えるのです」

顧客がセキュリティシステムを自宅に導入している場合、「Amazon Key」は家庭のセキュリティシステムと連携していないため、セキュリティシステムを無効にする必要があります。

「Amazon Key」は、アトランタ、シカゴ、ロサンゼルスなど37の主要都市で11月8日から利用できるようになります。宅内配送用の特別配送料金は発生しません。

また、「Amazon Key」のキットに含まれるクラウドカメラは、単体で120ドルにて販売されます。 グーグルの「Nestカメラ」と同様に、家庭の遠隔監視、双方向通信、Webベースのビデオ録画が可能です。

もし自宅に傷が付いたり、宅内配達に不満がある場合、顧客は映像の証拠を提出し、30日以内にアマゾンに異議申し立てをすることができます。

「Amazon Key」は、年額99ドルまたは月額10.99ドルを支払い、注文から2日以内の無料配送を含む、さまざまな特典を利用しているプライム会員が対象のサービスです。

証券調査会社CIRP社の最近の調査では、アマゾンの米国におけるプライム会員数は9000万人(2017年9月末時点)。2016年同時期の6500万人から38.5%増、2017年の第2四半期末(6月30日時点)の8500万人から5.9%増となっています。

米国でのAmazonプライムの会員数の推計値
米国でのAmazonプライムの会員数の推計値(出典はCIRP発表資料)

在宅業務代行サービス提供企業との連携も実現

「Amazon Key」サービスは、ウォルマート(「全米EC事業 トップ500社 2017年版」第3位)が同様のサービスをテスト運用していると公表してから1か月後に、アマゾンが発表しました。

ウォルマートは、北カリフォルニアのシリコンバレーで、食料品の宅内配送サービスを試験的に行っています。キーレスホームエントリー技術を提供するAugust Home社と、当日配送サービスを提供するDeliv社との共同試験プロジェクトです。

ウォルマートの宅内配送サービスを使うと、同社のECサイトで購入した商品を受け取る際に不在でも、Deliv社の配送員が鍵を開けるためのワンタイムパスコードを送り、宅内配送を依頼できます。ウォルマートは9月、宅内配送サービスの利用料金を複数検討していると説明していましたが、広報担当者は具体的な数字は明かしていません。「Amazon Key」と同様、ウォルマートの顧客は、インターネットに接続された家庭用セキュリティカメラを介して配達の完了を確認することができます。

将来的には、「Amazon Key」は宅配だけではなく、清掃業者やペットシッターなど在宅業務代行サービス提供企業との連携が可能になるでしょう。アマゾンは、家主が不在でも、第三者が家に入って作業を行い、安全に立ち去ることができる環境を作ろうとしているのです。作業が行われている間、顧客はアマゾンのクラウドカメラを使用して、作業を確認することが可能です。

すでに「Amazon Key」の利用を決めた企業は、ServiceMaster Global Holdings(在宅業務代行サービス提供)の子会社で家事代行サービスのMary Maid社、アニマルシッターサービスを提供するRover.comなどです。

また、友人や家族も家に入ることが可能です。「Amazon Key」アプリを使用すれば、事前に許可された人物は家に入ることができると同時に、家主は出入りの頻度と滞在期間を管理できます。しかし、滞在期間の管理方法に関してアマゾンは明確にしていません。

ホームセキュリティ市場は急速に成長しています。調査会社Statista社によると、2019年までに世界のスマートホームカメラの出荷台数は現状の約5倍となる2510万台になると予測しています。また、すべてのスマート家電製品の市場規模は2020年までに409億ドルまで拡大すると予想しています。

この記事は今西由加さんが翻訳。世界最大級のEC専門メディア「Internet RETAILER」の記事をネットショップ担当者フォーラムが、天井秀和さん白川久美さん中島郁さんの協力を得て、日本向けに編集したものです。

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