森野 誠之 2019/7/17 8:00
ネッ担まとめ

「瞬間的に売っておしまい」という時代は終わったようです、商品とともにブランドも愛されないと忘れられてしまい、自然と売れなくなる流れになってきました。

二次流通まで考えたブランディングを

「私がメーカー担当者ならメルカリを見る」二次流通を踏まえたマーケティングに必要なこと | MarkeZine
https://markezine.jp/article/detail/31436

まとめると、

  • メルカリでは新品や未使用品、使用回数が1~2回というものも多く出品されており、「二次流通品=古い」というイメージが薄れてきている
  • ユーザーは使った後に売ってリターンがあることを見据えているので、以前なら躊躇した高額商品にも手を出すようになった
  • 一過性の瞬間風速的な売れ方よりも、普遍的な価値を持たせ、長く市場で愛されるための商品作り、マーケティングに徹したほうが将来的にはメリットがある

購入し、所有して価値を感じられる商品が流通していくことを考えると、一過性の大量生産・大量消費というのは淘汰されていくのではないでしょうか。二次流通が進むと、所有していることへの価値が重視されるようになる。機能的ないし情緒的な価値を数多くの商品に持たせ、強いブランドを作っていく必要があると思います
─メルカリ シニアマーケティングディレクター 南坊泰司氏

自社の商品がどこまで流通するのかを考えたことがあるでしょうか。通常は、自社でデータが取れる範囲までしか考えないのですが、二次流通・三次流通までを考えてみると、マーケティング施策も変わってきますよね。

南坊さんのコメントにあるようにずっと愛されるものでないと流通しませんので、結果的に認知度が落ちて売れなくなります。直接見ることができないお客さんを見る努力が必要な時代です。

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ユーザーのメリットを考えて配送料問題を解消

「LOHACO」送料無料の基準引き上げで単価アップに成功、奏功した「まとめ買い促進」 | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/6630

まとめると、

  • 「LOHACO」は配送料が無料になる注文金額の条件を、2019年1月10日に「税込1900円以上」から「税込3240円以上」に引き上げ、1箱あたりの販売単価が上昇した
  • 7月2日から1箱あたりの重さが合計18kg以下の場合、飲料に適用している「飲料配送手数料」を無料に変更
  • 2019年5月期における「LOHACO」の自社グループ配送比率は、期初の10%から期末時点で36%まで拡大
アスクルが運営するBtoC-ECサイト「LOHACO」の、1箱当たりの販売単価が向上している 「LOHACO」(国内)1箱あたり売上単価
「LOHACO」(国内)1箱あたり売上単価(アスクルの連結業績概要から編集部がキャプチャ)

ユーザーがECで最も気にするのは送料ですよね。LOHACOでは送料無料のラインを上げた結果、1箱あたりの販売単価が上昇したのこと。また、飲料の販売方法を変更し、配送コストを削減する取り組みもスタートしています。この販売方法は参考にしたいところ。送料無料時代が終わって、企業側の対応も追い付いてきたようですが、継続的な強化も必要ですね。

移動型納品訓練車を作っちゃうニトリの徹底ぶり

ニトリ「配達スキル」が身につくトラックの正体 | 東洋経済オンライン
https://toyokeizai.net/articles/-/291326

まとめると、

  • ニトリの物流業務を担うホームロジスティクスは、各地の運送業者とパートナー契約を結んで全国ネットワークを構築し、年間800万件以上の配送を手がけている
  • パートナー会社からの要望に応えるために移動型納品訓練車「モバイル・トレーニング・ユニット」を開発。一般住宅にいるような状態で大型家具の搬送・組み立てを練習できる
  • 壁を傷つけるなど配送作業時の失敗が配達員の離職につながるケースが多かった。研修を強化して技術面での不安を取り除ければ、離職率を抑える効果も期待できる

ニトリの商品だけでは地域や時期によって需要にばらつきがあり、トラック1台当たりの積載効率を平準化するためにも、同社ではニトリ以外の商品の配達を拡大していく方針だ。新たな荷主を開拓するうえでも、配達サービスの質の高さは大きなアピール材料となる。

家具の搬入研修をするために施設を増やすのではなく、移動型訓練車を作ったニトリ。全国に配送パートナーがことを考えると、来てもらうよりも行ったほうが効率的という発想から生まれたもの。「製造“物流”小売業」を自称するニトリらしい車ですね。他社の配送も請け負っているので、今後の物流力の伸びにも注目です。

EC全般

Amazonが「置き配」指定サービスのエリアを拡大 | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/6627

関東以外にも、愛知県・静岡県・大阪府・福岡県の一部で置き配がスタートです。該当エリアの方はお試しを。

Amazonプライムデー効果は他のECサイトにも波及する? 米・英の3割超のユーザーが「他モールでもショッピングする」と回答 | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/6624

気になる商品があったら他のサイトでも比較するということなんでしょうか? もしくは、他も同じようなキャンペーンをするからでしょうか? いずれにせよ自社の過去データを確認してみることからですね。

EC事業者が知っておきたいクレジットカード情報漏えい対策の基礎知識 | ECのミカタ
https://ecnomikata.com/blog/23014/

本人認証(3Dセキュア)を使うと購入ステップが増えるから……ではなくて、漏えいリスクを考えて導入すべきです。

値上げすべき? 迷っているうちに赤字かも。使える「利益管理」方法を紹介 | コマースデザイン
https://www.commerce-design.net/blog-staff/190708-riekikanri/

伸びているときは問題なくても、鈍化してきたとたんに赤字……というパターンはよくあります。そうなる前に利益管理を。

LINEアカウントでログイン&決済できる「LINE Pay」オンライン加盟店向けサービス「LINE Checkout」とは | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/6637

○○Payが普及してきて、ますます決済情報や住所の入力が面倒になってきましたよね。こういったサービスの検討を。

ファッション情報を調べる方法、「Instagram」が「Google」を抜く【ジャストシステム調査】 | MarkeZine
https://markezine.jp/article/detail/31534

これはとっても自然な流れ。ちなみに3年前は「Google」(39.8%)、次いで「Instagram」(17.1%)。

いいと思った本を真っ当に売りたい──本好きから注目を集める小さな本屋「toi books」の思想 | UNLEASH
https://unleashmag.com/2019/07/05/toibooks_isogami/?utm_source=twitter

「売れる本」ではなくて「いいと思った本」を売る。愛されるショップはこの発想ですね。

今週の名言

やはり経営者が自分でやるべきこともあるとは思っているんです。

「広報活動」と「意思決定」は最初に言った通りです。あとは「価値観の番人」。これはわたしのようなマネジャーの役を担う人間にとって、重要な仕事だと思っています。

「青野さん、取材やTwitterばかりで仕事できてるんですか?」と聞いてみたら、マネジャーが本当にすべきことが見えてきた | サイボウズ式
https://cybozushiki.cybozu.co.jp/articles/m005405.html

経営者は「価値観の番人」というのはわかりやすいですね。最初に取り上げた記事にあるように、価値が共有できないものは売れないですし、人も集まってきませんから。

筆者出版情報

「未経験・低予算・独学」でホームページリニューアルから始める小さい会社のウェブマーケティング必勝法

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森野誠之 著
翔泳社 刊
発売日 2021年10月15日
価格 2,200円+税

この連載の筆者 森野誠之氏の著書が翔泳社から発売されました。小さな会社の“ひとり担当者”が、未経験、低予算、独学でホームページのリニューアルからウェブマーケティングまでを成功させるための指南書です。電子版、オンデマンド印刷版ともにAmazonで発売中です!

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