公取委の申し立て→出店者友の会発足→(新型コロナ)→一部店舗からスタート……「送料込みライン」の動きまとめ【ネッ担まとめ】
楽天市場の「送料込みライン」に関していろんなことがあった1週間でした。最終的には新型コロナの影響を受けた形で5月に改めて方針説明となっています。
目まぐるしく状況が変わった「送料込みライン」
(令和2年2月28日)楽天株式会社に対する緊急停止命令の申立てについて | 公正取引委員会
https://www.jftc.go.jp/houdou/pressrelease/2020/feb/200228.html
楽天、公取委の緊急停止命令受け、「法令上問題ない」と強調 | 日本ネット経済新聞
https://netkeizai.com/articles/detail/203/1/1/1
楽天ユニオンの声が総意ではない――送料込みライン施策巡り有力店らが「楽天市場出店者 友の会」発足へ | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/7347
楽天の「送料込みライン」は全店舗から一部店舗でスタートへ、導入は期限を設けず任意で設定可能に | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/7350
モール、店舗、公取委、GAFA。いろんな思惑が絡んでいます
【速報】楽天「送料ラインの統一」延期が確定 | ECコンサル坂本のブログ「ECバカ一代」
https://www.commerce-design.net/blog/archives/3824
まとめると、
- 3月18日の時点で送料込みラインに対応できた店舗には、「特設サーチ」を使った導線が提供される
- 「楽天の方針はわかる。でも対話したい」というのは店舗側に以前からあった声。状況が変わっている以上、対話しながらやっていくのは、昔ほど簡単なことではないが、だからこそ意義がある
- 少なくとも日本では、行政とプラットフォーマーの関係について、「テナントの声」が一定の影響を与えることになる
「一部の店舗の主張が大きく報道されることに違和感を感じていた。楽天ユニオンの主張を否定はしないが、それが店舗の総意ではない。(送料無料化に)賛成する店舗があるということを伝えたくて、友の会を立ち上げた」(原)
「これまでもコミュニケーションは取ってきたが、店舗と楽天が腹を割って話してきたかと言えば、そうでない部分もあった。店舗もそうしようとしなかった」(山田)
「これからは対話を増やし、どうすればお客様にもっと買い物を楽しんでもらえるかを楽天と一緒に考えていきたい。楽天と店舗がそういう関係にあることを公取にも伝えたい」(村井)
これを読むと送料込みラインの件については「楽天市場出店者 友の会」の意見も少なからず影響を与えたようですね。真正面からぶつかって全面戦争をするのではなくて、運命共同体として最適解をどう出していくのかを検討していくのは、至極まっとうな流れのように思えます。
公取委の事情もあれば、世界的なGAFA規制の動きもあるし、日本企業の成長も気にしないといけない。グローバルな視野でこの問題は見ていかないといけないですね。
ECサイトのリニューアルは余力があるうちに
それでも今すぐECリニューアルしたいときの優先順位とは アナグラム田中さん×運営堂森野さん対談 | ECzine
https://eczine.jp/article/detail/7500
まとめると、
- データを整備して動きやすい状況にするにはどうしてもエンジニアが必要になるが、そこの投資を渋ってECサイトが止まってしまうのは最悪。3年スパンぐらいで考える
- リニューアルしたい時は決済や配送など購入に直結する部分から手を付けること
- それでもリニューアルを失敗してしまうのは一気にやりすぎてしまうため。優先順位の高いものから少しずつ時間をかけてやると良い
オプションを申し込むだけで、ショッピング広告が出稿できるECシステムも出てきているんですよね。データが整備されていないせいでそれほど成果につながらなくとも、「こんなものかな」と納得してしまう。ブラックボックスになっているのに、というところまで興味がないんでしょうね。興味を持った人は、「もっと成果を出していくためにも、ECシステムやデータから見直さなくてはいけない」と考え始めますから。
─アナグラム 田中広樹氏
どうしようもなくなるまで放置しておいて、無理に直そうとして失敗する……。そんなことにならないためには、3年くらいのスパンでエンジニアの採用などからじわじわと進めること。EC系のメディアに載っているような事例を見ると、皆さん数年前から動いていることがわかります。先人の知恵を借りる意味でも過去の記事を読んでみましょうね。
EC全般
いまECに求められる“カスタマーエンゲージメント”とは?クラシコム青木社長とRepro平田社長がディスカッション | ECのミカタ
https://ecnomikata.com/original_news/24556/
顧客に好かれるコンテンツ”でECのLTVを高める秘訣とは?クラシコム×Repro対談 | ECのミカタ
https://ecnomikata.com/original_news/24557/
代表的な「先人」の1人がクラシコムの青木社長。ちょっと調べればたくさん記事が出てくるので全部読んでおきたいです。
クレジットカードのEC加盟店向けに情報漏えい対策に関する簡易診断ツールを作成 | JCCA 日本クレジットカード協会
http://www.jcca-office.gr.jp/dealer/leak.html
診断したら行動に移しましょう。漏れてからでは遅いです。
ZOZOMATをさっそくレビュー! まさかの「紙」に驚くも実用性には期待 | BCN+R
https://www.bcnretail.com/market/detail/20200302_160222.html
紙だろうが何だろうがちゃんと計測できればそれでいいですよねw
Yahoo!ショッピングの商品を手にとって購入できる 次世代型店舗「QRECS」が誕生 | ECzine
https://eczine.jp/news/detail/7528
無人店舗に相性がいいのかも?いろんな使い方がありそうなのでデータを取ってからどうなるかが気になります。
ウォルマートやスターバックスのロイヤルティプログラム戦略とは? 売上アップなどを実現した5ブランドの事例 | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/7333
買ってくれる人に手厚く。ここができていないショップが多いです。
なぜ通販サイトに私の住所? アマゾン出品業者の思惑とは | 西日本新聞ニュース
https://www.nishinippon.co.jp/item/n/589190/
こういったところをちゃんと取り締まらないと……と思いませんか?
今週の名言
データを読み解きエビデンスで語ることはビジネスパーソンとしての基本姿勢です。情報に惑わされず適切な意思決定を行うためにも、その基本姿勢を忘れずにいたいと思います。
インフォデミック ~エビデンスベーストとデータを読み解く力の欠如~ ? | アナリティクス アソシエーション
https://a2i.jp/column/post-27213/
データは説得力があるけど盲目的に信じるのは危険。あなたはデータを読み解けていますか?
筆者出版情報
「未経験・低予算・独学」でホームページリニューアルから始める
小さい会社のウェブマーケティング必勝法
森野誠之 著
翔泳社 刊
発売日 2021年10月15日
価格 2,200円+税
この連載の筆者 森野誠之氏の著書が翔泳社から発売されました。小さな会社の“ひとり担当者”が、未経験、低予算、独学でホームページのリニューアルからウェブマーケティングまでを成功させるための指南書です。電子版、オンデマンド印刷版ともにAmazonで発売中です!
まとめると、
公正取引委員会が楽天に対し緊急停止命令の申立て(16年ぶり)。楽天は「法令上問題ない」との見解を改めて強調
楽天市場内の有力店舗約100社が参加する「楽天市場出店者 友の会」の設立準備委員会が発足。会の目的は「楽天市場をユーザーにとってより満足度の高いサービスに進化させていくこと」
楽天が「送料込みライン」は出店者の任意で3月18日からスタートすると発表。5月頃を目処に改めて方針を説明する予定
目まぐるしい動きのあった楽天の「送料込みライン」。3月の段階では新型コロナウィルスの影響で一部店舗からの導入となりました。導入して注文が増えたとしても出荷できなければトラブルになるだけですよね。
その流れで発足した「楽天市場出店者 友の会」は楽天の古き良き時代を思い出させてくれる感もあります。店舗側と楽天側のやり取りは可能な限りオープンにしてほしいところです。5月に向けてどのような動きになっていくのかも注目です。