森野 誠之 2020/12/8 8:00
ネッ担まとめ

手軽にECサイトをオープンできるBASE。調査では「1人運営」「独自商品」「世界観」「Instagram」といったキーワードが並びました。どんなショップが多いのかイメージできますね。

利用者の半数近くが副業ユーザーなのもBASEの特徴

「BASE」がオーナーズ調査2020を実施 9割以上が「4名以下」の少人数で運営 -好きなことを小さく始めて将来の可能性を広げる時代に- | BASE, Inc.
https://binc.jp/press-room/news/press-release/pr_20201127

まとめると、

  • 「BASE」利用者のうち、9割以上が4名以下の少人数で運営している。1名での運営が最多で7割超。10代や80代のショップオーナーもいる
  • 7割の加盟店が自身で商品の製作を行い、ネットショップのみで販売している。本業と副業は半々
  • 加盟店の9割がPRや販促のためにSNSを活用している。最も利用が多いのはInstagram

コロナ禍で急激に利用者が伸びているBASEの調査です。予想通り1人でのショップ運営が多くなっています。D2C的に商品は自社製作でネットショップで販売し、もっとも重視していることは世界観というショップが多くなっているようです。

ちょっとしたものを売る手間は数年に前に比べると圧倒的に少なくなっていますし、オリジナル商品を求めるユーザーも増えているので利用者はまだまだ増えそうです。もちろん競合も増えてくるので、買ってくれた人を大切にしてファンを増やしていきましょう。

今まで支えてくれたお客さんが苦しい時も助けてくれます

ネット通販のきっかけはTwitterでのファンの声。創業200年の老舗和菓子「乃し梅本舗 佐藤屋」がコロナ禍で挑んだ新しい販路作り | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/8223

まとめると、

  • 山形県の和菓子店「乃し梅本舗 佐藤屋」では、コロナの影響で注文のほぼ100%がキャンセルになり、卸部門の売上高は昨年の85%減。TwitterのフフォロワーにSOSを出したところ「ECで買えるようにしてほしい」との反応があった
  • ECサイトは1人が運営した方がキャラクターが出やすいため、佐藤社長が商品ページの作成や顧客対応などを行っている
  • ECサイトから商品の取り置きや店舗受け取りができるようにしてお客さんが増加。開店時に来店集中せず、密を避けるメリットもあった

(ECサイト開始前は)全てメールか電話で注文を受けていました。そのため、ECサイトを立ち上げて便利になったのが受注と在庫管理ですね。

以前、「空ノムコウ」という青い寒天菓子がSNSでバズりまして、1日中電話対応に追われてしまい、発送業務が遅れてしまったことがありました。さらに、何件受注数があって、いつまでにどれだけ作らなくちゃいけないのかがわからくなってしまい……。

ECサイトの仕組みを使うことで受注件数をしっかり確認することができましたし、件数を確認することで製造数を調整。商品ページに発送の目安を掲載でき、お客さまにとってもわかりやすくなったと思います。

ECの良いところは在庫を設定すればそれ以上の注文を受け付けないことですよね。受注状況や発送状況もちゃんとアップデートしていれば把握できます。それによって無駄な在庫を抱えることもなくなり経営状況もよくなりますし、販路も拡大できます。

記事の後半にはブランドの作り方、SNSの活用法なども書かれていますので、今までアナログだったお店はとても参考になると思います。

越境ECはGoogle翻訳で問題なし!

[越境EC成功例]海外ウケするオリジナル畳ネームが好評 日本食レストランやアート等にビジネスチャンス | ECzine
https://eczine.jp/article/detail/8550

まとめると、

  • 畳を販売している佐藤さんは英語を話せず文章はGoogle翻訳だが、「Tatami」という検索ワードでヒットしてるらしく、主に米国からの引き合いが多い
  • 畳は国内でも輸送に困るものだが、今ではDHLやFedExで1畳の畳をそのまま送ることができる
  • 茶室を再現したいという外国人客がいたり、インバウンドで日本を訪れた人が畳を購入することも多い

日本の旅館に宿泊した際に、畳の上に敷かれた布団に寝たことが良い思い出になっているみたいです。それを再現したくて畳が欲しいと言われたことがあります。一方で見様見真似で購入されているのか、実際の畳に触れた経験がない方から購入後に「イ草の匂いが我慢できないから返品させてくれ!」と言われたこともあります。今ではそれを防ぐために、事前にサンプル品を送り「イ草の匂い、OK?」と確認しています。

以前ご紹介した記事にあるように「日本ロス」という言葉があるくらい、日本が好きな外国人は多いようです。となるとGoogle翻訳で書かれた文章でも、外国語で書かれたECサイトは人気が出ますよね。また「日本製」という言葉が持つ力も大きいようです。ざっくりまとめにもあるように、ちょっとしたことがきっかけになりますので、いろいろなことを試してみると売れるかもしれませんね。

EC全般

Q. ヤフーのコマース事業に見る緊急事態宣言中と解除後のECの差分は? | 決算が読めるようになるノート
https://irnote.com/n/ne6243218daab

最後に書かれているヤフーの「楽天」化は気にしておきましょう。

直近1年で使ったECモールは「楽天市場」が73.7%、「Amazon」は72.3%、「Yahoo!ショッピング」は46.4% | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/8247

購入するきっかけは「検索エンジンで見つけて」が41.8%。SNSはまだまだ少数派です。

YouTubeの影響で商品を買った割合は19~22歳女性で3割超、「化粧・美容品」を購入 | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/8240

YouTubeメインの調査です。化粧品はSNSとYouTube経由が多いですよね。

2021年は「呪術廻戦」に注目!10代のトレンド予測&2020年下半期流行は【memedays調査】 | MarkeZine
https://markezine.jp/article/detail/34965

「呪術廻戦」は2020年10月よりアニメ放送が開始され、早速Netflixでは国内総合TOP10入りだそうです。

Googleの検索ランキングに閲覧やクリックなどの行動データは影響する? SEOプロの結論はこれだ! | Web担当者Forum
https://webtan.impress.co.jp/e/2020/12/03/37902

SEOのテクニックを勉強するよりもユーザーのためのコンテンツを考えたほうが早そうです。

futureshopで新たに5つのAPIを公開。物流システムなどとの連携が容易になりました。 | futureshop
https://www.future-shop.jp/news/2020/12/01.html

APIでの外部連携は当たり前になってきました。まずはどこにデータを置くのかを決めましょう。

企業間の取引で最も多い受注方法はFAXなど「アナログ」が86%、BtoB-EC導入率は14% | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/8245

デジタル化して効率化すればそれだけで差別化力になりそうです。

今週の名言

知らぬ間に、九九もできてないのに、微分積分とか難しいことばかり考えてないかと。

「デザイン経営」という言葉の危うさ、中小企業はまず「経営」に目を向けよ | 木村祥一郎 / 木村石鹸 | note
https://note.com/yudemen/n/nc742d22461a2

状況が悪い時はいろいろやりたくなりますが、まずは足元を見ることから。「乃し梅本舗 佐藤屋」のように、今のお客さんを大切にしましょう。

筆者出版情報

「未経験・低予算・独学」でホームページリニューアルから始める小さい会社のウェブマーケティング必勝法

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森野誠之 著
翔泳社 刊
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価格 2,200円+税

この連載の筆者 森野誠之氏の著書が翔泳社から発売されました。小さな会社の“ひとり担当者”が、未経験、低予算、独学でホームページのリニューアルからウェブマーケティングまでを成功させるための指南書です。電子版、オンデマンド印刷版ともにAmazonで発売中です!

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