瀧川 正実 2021/2/2 11:00

新型コロナウイルスの感染拡大の影響で売り上げが減少した事業者が休業手当を支給して従業員を休ませた場合、政府がその費用の一部を助成する「雇用調整助成金」(特例措置)について厚生労働省は、短時間休業にも活用できる旨のリーフレットを公表した。

緊急事態宣言によって、多くの飲食店や小売店などで営業時間を短縮。「雇用調整助成金」(特例措置)では「短時間休業」に対応しており、その活用をリーフレットで周知する狙い。

短時間休業とは、1日の所定労働時間のうち一部(たとえば9時~10時)を休業すること。厚労省があげた例では、「飲食店が、知事からの20時までの営業時間短縮の要請に協力し、閉店時間を早め、所定労働時間の一部について休業とする場合」にも活用できるとしている。

新型コロナウイルスの感染拡大の影響で売り上げが減少した事業者が休業手当を支給して従業員を休ませた場合、政府がその費用の一部を助成する「雇用調整助成金」(特例措置)について厚生労働省は、短時間休業にも活用できる旨のリーフレットを公表
「雇用調整助成金」(特例措置)の短時間休業活用例

特例以外の雇用調整助成金では、事業所に勤める全労働者が一斉に休業しなければならなかった。特例措置ではその条件を緩和している。

シフト制をとっている場合(営業時間短縮によりシフト減した労働者の短時間休業など)、社内の部門や部署で働き方が異なる場合(業績の落ち込んだ一部門のみの短時間休業、製造ラインごとの短時間休業など)、宿泊業など常時配置が必要な労働者がいる場合(常時配置が必要な労働者以外の労働者の短時間休業)などを例にあげている。

「雇用調整助成金」(特例措置)について政府は、全国で緊急事態宣言が解除された月の翌月末まで延長すると発表している。

雇用調整助成金の特例措置

「雇用調整助成金」(特例措置)は、新型コロナウイルス感染症の影響を受け販売量、売上高などの事業活動を示す指標「生産指標要件」が「1か月5%以上低下」した事業者が、休業手当を支給して従業員を休ませた場合、その費用の一部を助成する助成率を中小企業は80%(4/5)、大企業は約67%(2/3)としている。

解雇などをせずに雇用を維持している中小企業の休業および教育訓練に対する助成率は一律10/10、大企業は3/4。1日1人あたりの上限は1万5000円。対象は2020年4月1日から2021年2月28日の期間中に行った休業や教育訓練だったが、これを緊急事態宣言が全国で解除された月の翌月末まで延長する。

雇用調整助成金の特例措置の拡大
現行の雇用調整助成金(特例措置、厚労省公表のパンフレットからキャプチャ)
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