アマゾン日本事業の売上高は約2.2兆円【Amazonの2020年実績まとめ】
アマゾン日本事業の2020年(2020年1~12月)売上高は円ベースで2兆1893億2700万円だった(2020年の平均為替レートを1ドル=107円で換算)。円ベースでの伸び率は前期比25.5%増。米Amazonが公表した「年次報告書」などから、2020年のAmazonの日本事業、米Amazonの状況をまとめた。
アマゾン日本事業について
日本事業の売上高(ドルベース)は204億6100万ドルで前期比27.9%増(2019年の日本事業売上高は160億200万ドルで、前の期比15.7%増)。
日本銀行が参考計数として公表している「東京外為市場における取引状況(2020年中)の2020年平均レート「1ドル=106.73」を参考に、1ドル=107円で換算した場合、日本円ベースによる日本事業の売上高は前期比25.5%増の2兆1893億2700万円となる。
アマゾン日本事業の売上高は直販ビジネスのほか、第三者による販売(マーチャント売り上げ)の手数料収入、定期購入サービス、AWS(Amazon Web Service)などが含まれる。
米Amazon、アマゾンジャパンともに流通総額は公表していないが、2018年時点の「Amazon」グローバル流通総額に占める販売事業者(「Amazonマーケットプレイス」出品・出店者)経由の割合は58%。「Amazonマーケットプレイス」に出品する日本の中小企業による2018年の流通総額は9000億円を超えている。
全体の流通総額のうち第三者による販売は5割程度まで達していると推計。手数料収入は平均して第三者販売額の約10%という推測を前提にすると、「Amazon.co.jp」の流通総額は少なくとも3兆2000億円を超えていると見られる。
なお、通販新聞は2019年の流通総額を「関係筋によると3兆円程度となっている模様」と推測していた。
グローバルの販売状況
2020年度(2020年1-12月)の総売上高は前期比37.6%増の3860億6400万ドルだった。2019年の伸び率は20.5%増。規模拡大を続けながら、2020年度はコロナ禍で高成長を維持している。
売上高の内訳は次の通り。
- 仕入れ商品などによる製品売上(デジタルメディアコンテンツなど含む)
→ 1973億4900万ドル(前期比39.7%増) - 第三者販売サービス売上など(第三者が販売するサービスに関する手数料売上など)
→ 804億3700万ドル(同49.6%増) - 定期購入売上(サブスクリプションサービス売上)など(「Amazon プライム」の会員費など)
→ 252億700万ドル(同31.2%増)※プライム会員は世界中で2019年末までに1億5000万人を超えている - AWS(Amazon Web Service)
→ 453億7000万ドル(同29.5%増) - 実店舗売上(主にホールフーズの売り上げ)
→ 162億2400万ドル(同5.6%減) - その他(広告サービスやクレジットカード契約などの売上高)
→ 214億7700万ドル(同37.6%増)
地域別の売上高は次の通り。Amazon全体の売上高に対して日本事業が占める割合は5.3%。2019年よりも0.4ポイント減った。主要国の伸び率は3割を超えているのに対し、日本事業は2割台にとどまっている。
- アメリカ → 2635億2000万ドル(前期比36.1%増)
- ドイツ → 295億6500万ドル(同33.0%増)
- イギリス → 264億8300万ドル(同51.1%増)
- 日本 → 204億6100万ドル(同27.9%増)
- その他 → 460億3500万ドル(同37.6%増)