アマゾン日本事業の売上高は約2.5兆円、ドルベースで230億ドル【Amazonの2021年実績まとめ】
アマゾン日本事業の2021年(2021年1~12月)売上高は円ベースで2兆5378億1000万円だった(2021年の平均為替レートを1ドル=110円で換算)。円ベースでの伸び率は前期比15.9%増。米Amazonが公表した「年次報告書」などから、2021年のAmazonの日本事業、米Amazonの状況をまとめた。
アマゾン日本事業について
日本事業のドルベースでの売上高は230億7100万ドルで前期比12.8%増(2020年の日本事業売上高は204億6100万ドルで前期比27.9%増)。全売上高に占める日本事業の割合は4.9%。
日本銀行が参考計数として公表している「東京外為市場における取引状況(2021年中)の2021年平均レート「1ドル=109.89」を参考に、1ドル=110円で換算した場合、日本円ベースによる日本事業の売上高は2兆5378億1000万円となる。
アマゾン日本事業の売上高は直販ビジネスのほか、第三者による販売(マーチャント売り上げ)の手数料収入、定期購入サービス、AWS(Amazon Web Service)などが含まれる。
米Amazon、アマゾンジャパンともに流通総額は公表していないが、2018年時点の「Amazon」グローバル流通総額に占める販売事業者(「Amazonマーケットプレイス」出品・出店者)経由の割合は58%。米国のEC専門誌『Digital Commerce 360』は、流通総額の6割をマーケットプレイス経由が占めていると推定している。
全体の流通総額のうち第三者による販売は6割程度、手数料収入は平均して第三者販売額の約10%という推定を前提に、円ベースの売上高から「Amazon.co.jp」の流通総額を算出すると5兆円程度に達していると推測される。
なお、楽天グループは2021年度(2021年1-12月)の国内EC流通総額について5兆円を突破したと1月に発表している。公表した国内EC流通総額は、「楽天市場」の流通総額に加え、トラベル(宿泊流通)、ブックス、ゴルフ、ファッション、ドリームビジネス、ビューティ、デリバリー、楽天24(ダイレクト)、オートビジネス、ラクマ、Rebates、楽天西友ネットスーパーなどの流通額を合算した速報値。
グローバルの販売状況
2020年度(2020年1-12月)の総売上高は前期比21.7%増の4698億2200万ドルだった。2020年の伸び率は37.6%増増。規模拡大を続けながら、2021年度は高成長を維持している。
売上高の内訳は次の通り。
- 仕入れ商品などによる製品売上(直販売上、デジタルメディアコンテンツなど含む)
→ 2220億7500万ドル(前期比前期比12.5%増) - 第三者販売サービス売上など(第三者が販売するサービスに関する手数料売上など)
→ 1033億6600万ドル(同28.5%増) - 定期購入売上(サブスクリプションサービス売上)など(「Amazon プライム」の会員費など)
→ 317億6800万ドル(同26.0%増)※プライム会員は世界中で2021年までにグローバルで2億人を超えている - AWS(Amazon Web Service)
→ 622億200万ドル(同37.1%増) - 実店舗売上(主にホールフーズの売り上げ)
→ 170億7500万ドル。(同5.2%増) - 広告サービス
→ 311億6000万円(同57.6%増) - その他(クレジットカード契約などの売上高)
→ 21億7600万ドル(同29.5%増)
地域別の売上高は次の通り。Amazon全体の売上高に対して日本事業が占める割合は5.3%。2019年よりも0.4ポイント減った。主要国の伸び率は3割を超えているのに対し、日本事業は2割台にとどまっている。
- アメリカ → 3140億600万ドル(前期比19.2%増)
- ドイツ → 373億2600万ドル(同26.3%増)
- イギリス → 319億1400万ドル(同20.5%増)
- 日本 → 230億7100万ドル(同12.8%増)
- その他 → 635億500万ドル(同38.0%増)