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2030年ぐらいに国内EC流通総額10兆円を目標に進んでいる」。楽天グループが9月2日にオンラインで行った「楽天EXPO 2021」。楽天グループのトップが出店者と事業戦略を共有する講演に登壇した三木谷浩史会長兼社長は流通総額の目標をこう表明した。三木谷社長がオンラインで視聴した3万人近い出店者に語った2021年上半期の振り返りをまとめ。

「楽天EXPO 2021」で三木谷浩史会長兼社長が語った2021年上期の振り返り
三木谷浩史会長兼社長

2021年通期は国内EC流通総額5兆円突破が目標

新型コロナウイルス感染症拡大の影響で2020年12月期の「楽天市場」は好調、「楽天市場」単体でEC流通総額は3兆円を突破した。その勢いは2021年1-6月期(中間期)も維持。国内EC流通総額は前年同期比17.0%増の2兆2777億円だった。

「楽天EXPO 2021」で三木谷浩史会長兼社長が語った2021年上期の振り返り
国内EC流通総額の推移と今後の目標数値

「楽天市場」、1stパーティー(ファッション、ブックス、楽天24、楽天西友ネットスーパー)、オープンEC(Rebates、楽天ペイ オンライン決済)、ラクマが対象のショッピング流通総額は、2019年から2021年第2四半期におけるCAGR(年平均成長率)で23.6%増。

「コロナ禍の期間だけ伸びたのではないか? こう思われるかもしれないがユーザーは定着している」。三木谷社長がこう話す通り、「楽天市場」などのユーザー利用率は定着している。

「楽天市場」の利用ユーザーは2020年に大きく成長。2021年1-3月期に「楽天市場」「ファッション」などで購入したユーザーが、2021年4-6月期に再び買った割合は約76%で、ユーザーの定着率が安定して推移している

「楽天EXPO 2021」で三木谷浩史会長兼社長が語った2021年上期の振り返り
リピートユーザーの推移(画像はIR資料からキャプチャ)

楽天グループではまず、2021年通期国内EC流通総額について、5兆円の突破を目標を掲げる

なお、国内EC流通総額は「楽天市場」の流通総額に加え、トラベル(宿泊流通)、ブックス、ゴルフ、ファッション、ドリームビジネス、ビューティ、デリバリー、楽天24(ダイレクト)、オートビジネス、ラクマ、Rebates、楽天西友ネットスーパーなどの流通額を合算した数値。

楽天市場拡大要因① モバイルとのシナジー

ネット通販の流通総額は、モバイル経由がパソコン経由をはるかに上回った。今後、モバイルが成長の源泉になると思っている。これから、タブレット端末を使う高齢者も増えていくだろう。楽天グループは細かな改善をこれからも続け、出店者の皆さまと一緒に「楽天市場」のさらなる進化を遂げたい。(三木谷社長)

現在、モバイル事業に注力している楽天グループ。楽天モバイルの端末を使うユーザーが増えれば、「楽天市場」などEC流通総額にも大きな相乗効果が生まれると三木谷社長は強調する。まず、モバイル事業の現状について見ていく。

楽天モバイルの契約数(MNOとMVNOの合計)は500万回線を突破。「早晩、このユーザー数は2000万から3000万規模になっていくだろう」(三木谷社長)。8月には楽天モバイルの4G回線エリアの人口カバー率が90%に到達したことも明らかにしている。

契約回線数の増加は「楽天市場」にどのような効果をもたらしているのか。三木谷社長はこう言う。

EC流通総額の拡大に大きく貢献している。(三木谷社長)

まずは新規ユーザー。2021年4-6月期に契約した楽天モバイルユーザーの新規ユーザーのうち、楽天のサービスを初めて使う新規ユーザーは19%楽天モバイル契約以前に「楽天市場」の利用経験がなかったユーザーの3人に1人が、契約後半年から1年以内に「楽天市場」で商品を購入しているという

「楽天EXPO 2021」で三木谷浩史会長兼社長が語った2021年上期の振り返り エコシステム連携による楽天グループの新規ユーザー獲得
エコシステム連携による楽天グループの新規ユーザー獲得

ちなみに、楽天モバイルユーザーの62.9%が「楽天市場」で買い物をしてる

「楽天EXPO 2021」で三木谷浩史会長兼社長が語った2021年上期の振り返り 楽天モバイルユーザーが「楽天市場」で買い物をする割合
楽天モバイルユーザーが「楽天市場」で買い物をする割合

そして、「次のスライドが衝撃的だ」と強調したのが契約者(1年以上利用している2020年3-7月の契約者)の年間流通総額の増加率。楽天モバイル契約の前と後で、「楽天市場」における年間流通総額が77%増加したという

「楽天EXPO 2021」で三木谷浩史会長兼社長が語った2021年上期の振り返り 契約者1人あたりの年間流通総額の増加率
契約者(1年以上利用している2020年3-7月の契約者)の年間流通総額の増加率

その数値の内訳を示した資料も公開した。たとえば、楽天および「楽天市場」の既存ユーザーでMNO契約前は1万3000円だった「楽天市場」利用における月次流通総額が、MNO契約後は2万1000円まで拡大しているのだ。

「楽天EXPO 2021」で三木谷浩史会長兼社長が語った2021年上期の振り返り 楽天モバイルユーザーの「楽天市場」月次流通総額の変化
楽天モバイルユーザーの「楽天市場」月次流通総額の変化

基本的には楽天モバイルの料金はポイントで支払うことができる。楽天ポイントが使える楽天モバイルと「楽天市場」のショッピングの相性が非常に良い。(三木谷社長)

三木谷社長が示した「相性」、つまり顧客ロイヤリティについて、楽天グループが2020年7-12月に契約したユーザーを対象に調べたところ、契約月は26%だったダイヤモンド会員が、半年後には36%に拡大。「モバイルはロイヤリティを深めるサービスだと言える」(三木谷社長)

「楽天EXPO 2021」で三木谷浩史会長兼社長が語った2021年上期の振り返り 楽天モバイル契約者の会員ランク推移
楽天モバイル契約者の会員ランク推移

楽天市場拡大要因② 送料込みライン

店舗、ユーザー、楽天グループが三位一体となり、より便利で、より楽しく、より安全なショッピングプラットフォームを実現して行いきたい。そのためにさまざまな取り組みをしている。

「楽天EXPO 2021」で流通総額の拡大に寄与した取り組みの1つにあげたのが「送料込みライン」。購入者の送料負担を0円とするラインを3980円以上に設定した「送料無料ライン」について、7月時点で導入店舗数は9割を突破流通総額に占める割合も9割を超えたとしている。

「楽天EXPO 2021」で三木谷浩史会長兼社長が語った2021年上期の振り返り 共通の「送料込みライン」の導入状況
共通の「送料込みライン」の導入状況

「送料込みライン」導入店舗と未導入店舗の成長率を比較すると、導入店舗は未導入店舗と比べて成長率は約25ポイント高くなっているという(2020年12月における流通総額成長率を前年同期と比較した場合)。

また、「送料込みライン」スタート時と2021年6月で「送料込みライン」ユーザー満足度は13.3ポイント増えている。

「楽天EXPO 2021」で三木谷浩史会長兼社長が語った2021年上期の振り返り 共通の「送料込みライン」のユーザー満足度
共通の「送料込みライン」のユーザー満足度

楽天市場拡大要因③ 配送の効率化

物流拠点とラストワンマイルを拡大することで、独自の配送ネットワークを構築する「ワンデリバリー」構想では2000億円超の投資を計画する進める楽天。

楽天グループは日本郵便と物流拠点や配送システム、受取サービスの構築、楽天フルフィルメントセンター、ゆうパックなどの利用拡大に向けた取り組みを共同で進めている。

新設した完全子会社「JP楽天ロジスティクス合同会社」に、物流事業に関する権利義務を簡易吸収分割の形式で承継。7月1日に楽天グループ、日本郵便が「JP楽天ロジスティクス合同会社」に出資し、翌日に商号変更した「JP楽天ロジスティクス株式会社」がスタートした。

「楽天EXPO 2021」で三木谷浩史会長兼社長が語った2021年上期の振り返り 楽天グループと日本郵便の協業
楽天グループと日本郵便の協業(画像はIR資料からキャプチャ)

日本郵便とは次世代物流プラットフォームを構築し、可能な限りオープンな形でさまざまな事業者に展開。協業を通じて出店者の負担を可能な限り増やすことなく、配送料をより安価に、クオリティが高いサービスを提供できる体制を整える。

物流拠点は将来的に、たとえば北海道、沖縄も視野に入れていかなければならない。また、(複数店舗の商品を)まとめて配送する、ロッカーをさまざまなところに設置、週に一回まとめて配送してほしいというユーザーには週一まとめて配送を行う、といった多岐にわたる配送サービスをサポートしていこうと考えている。(三木谷社長)

「楽天EXPO 2021」で三木谷浩史会長兼社長が語った2021年上期の振り返り
物流ネットワークを協業して構築する(画像はIR資料からキャプチャ)

楽天市場拡大要因④ ポイント利用の一層拡大

楽天グループでは2021年8月時点で累計発行ポイントが2.5兆ポイントを突破。MMD研究所の調査では、42.4%のスマホユーザーが「楽天ポイント」を利用しているという。三木谷社長はこう言う。「楽天ポイントはスマホユーザーに使われている圧倒的ナンバーワンのポイントサービス」。

「楽天EXPO 2021」で三木谷浩史会長兼社長が語った2021年上期の振り返り 各ポイントサービスの利用状況など
各ポイントサービスの利用状況など

「楽天市場」「楽天トラベル」「楽天銀行」「楽天カード」など、さまざまなサービスを使うとポイント倍率があがるポイントグラム「スーパーポイントアッププログラム(SPU)」がポイント利用の拡大を支えている。

「SPU」は楽天ユーザーに年々浸透。クロスユースの堅調な推移、アクティブユーザーの増加などにつながっている。

なお、「楽天市場」では発行したポイントの約1.6倍が商品購入時に楽天ポイントが利用されているという。

「楽天EXPO 2021」で三木谷浩史会長兼社長が語った2021年上期の振り返り 「スーパーポイントアッププログラム(SPU)」の浸透
SPUの浸透について
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