森野 誠之 2015/2/17 10:00

今週の要チェックはEC全般の記事です。「カタログ通販」というと古い感じがありますが、逆にこれから伸びてきそうな気配があります。オムニチャネルを考えることは、自社のどのメディアに接してもらうのかを考えることと同じですので、売るための手段ではなくて伝え方の手段としてカタログをとらえてみると良いですね。

※記事の難易度を、低い難易度:低から高い難易度:高まで、3段階で示しています。

EC全般

  • ニッセンHD、85億円の赤字…収益改善ならず | 通販通信
    http://www.tsuhannews.jp/...

  • ニッセンの通販サイト&カタログの商品、「セブン-イレブン」での店頭受け取りを今秋にも開始へ | ネットショップ担当者フォーラム
    https://netshop.impress.co.jp/node/1219

    コマース事業は、カタログからネット主体のビジネスモデルへの構造転換を進めたが、消費増税後の反動や閑散期のカタログ発行などが影響し、売上が計画を大幅に下回った。売上高は前年比5.6%増の2016億7600万円、セグメント損失は62億1400万円(前年損失27億8700万円)となった。減収による利益減や、カタログ発行回数の増加などの販売固定費が増加し、赤字幅が拡大した。(通販新聞)

    このニュースを見るとカタログ通販ってもう終わったんだなって思いますよね。仮にカタログを見たとしても最終的にはネットで似たような商品がないか検索してしまいますし。

    業績回復のための施策はセブン-イレブンの物流ルートを利用した「オムニチャネル」。コンビニ受け取りを可能にするとこのことですが、業績低下の要因は利便性の悪さだけではないはずなので、すぐには回復しないように思います。

    そんな中で、海外ではカタログをうまく使っている企業もあるようです。

  • 時代に逆行?デジタル全盛期でもカタログ通販が減らない理由 | アパレルウェブ
    http://www.apparel-web.com/column/maxre/15.html

    (H&Mの事例は)コーディネート写真と共に機能の説明もあり、そのシーズンに販売される商品が事前に分かる事で計画的に購入する事が可能となる。山積みの商品陳列やインターネットの中から探すより遥かに効率が良く、カタログで見つけてからオンラインで注文すると言う流れに進みやすい。店頭でマネキンが増えている理由と同じく消費を促すツールとして使われている。

    ネットショッピングは選ぶのが楽しい反面、面倒でもありますが、そこをうまく解消しています。その前にブランド力があって商品を楽しみにしているファンがいるという大前提もありますが。

    日本での良い事例は「北欧、暮らしの道具店」さんの「暮らしノオト」があります。さらにちょっと前に取り上げた記事では、青木代表がこのように話されています。

    『北欧、暮らしの道具店』では、メディア化の次は『出版』をやります。雑誌のように広告を掲載したり、今、紙の本も作っているんです。3年前にメディア化の話をした時に、あんまり理解してもらえなかったように、出版の話も今は『?』だと思うんですけど(笑)」

    売り方ではなくて伝え方を考えるとカタログもまだまだ有効だということなんですね。売上アップのヒントで取り上げた、開封されるメルマガの記事もあわせて読んでみてください。

モール関連

  • 購入代金詐欺疑惑の「エルショップ」は音信不通、ヤフーは「振り込み控えるように」と正式告知 | ネットショップ担当者フォーラム
    https://netshop.impress.co.jp/node/1194

  • 楽天に巨大ブーメラン到達。数千の偽楽天が攻撃開始しています | More Access! More Fun!
    http://www.landerblue.co.jp/blog/?p=17651

    先週の続報と楽天をかたる詐欺の情報です。楽天の偽装メールは私にも届きましたが、rakuten.co.jpから来たので信じそうになってしまいました……。身に覚えのないメールなどは調べる習慣を付けたいですね。

カート関連

  • EC-CUBE3について | EC-CUBE
    http://www.ec-cube.net/product/info_3.php

    オムニチャネル対応、スマートデバイス完全対応、越境EC対応、IoT対応、ソーシャルメディア対応と書かれていますが詳細はまだわかりません。開発者の方にはAPIの実装と内部機構の刷新が気になるところですね。Smartyからは完全に切り替えなのでしょうか。

リスティング広告関連

  • Adwordsの「最終ページURL」について 続報 | 石黒堂ウェブマーケティングコンサルティング
    http://ishigurodo.com/archives/687

    レスポンシブデザインの場合は問題ないですが、スマホでページ分けている場合は、モバイル向けURLも必須です。では、リダイレクト型の計測はどうするのかという話になりますが、キーワード単位の場合は「トラッキングテンプレート」という表示項目が追加されています。

    自社内で運用している場合は変更の手間がどれくらいなのかを早めに確認しましょう。また、テストツールや計測ツールがたくさん入っている場合も確認が必要ですね。1つならいいのですが複数だとちょっと大変かも。

アクセス解析関連

  • きっとGoogle アナリティクスが好きになる!できることから始めるECサイト改善術 | ECzine
    http://eczine.jp/article/detail/1655

    全体を見て全部を良くしようとするのではなくて、部分を見てできることから素早く動いていくことで効果が出てきます。効果が出てくるとアクセス解析に対する社内の理解が変わってきます。社内の理解が変わってくればかけることのできる予算が増えてきます。予算が増えてこればより幅広く改善ができます。さらに効果が……といった好循環を回すことを目標にしてGoogle アナリティクスを使ってみてください。

    Google アナリティクスを使う時のポイントはセグメントです。購入ユーザーでセグメントして、動きを調べて見られやすいページから改善していけば効果が高くなります。代表的なのはカート、新着一覧、売れ筋商品の商品ページです。まずはここに絞って数字を見ていきましょう。

SNS関連

  • Facebook、グループのメンバー間での売買に適した機能追加 | 週アスPLUS
    http://weekly.ascii.jp/elem/000/000/303/303168/

    売り手はグループに投稿する際に“販売する”を選択すると、商品の説明、価格、受け渡しや配達の場所を項目に入力ができる。さらに、[在庫あり]、[売却済み]といったステータスを管理できたり、過去に販売したアイテムをカタログ形式で簡単に表示させたりすることも可能。

    クローズドな環境での売買か近い知り合いどうしでの販売に向いている感じですが、なかなか使いどころが難しそうです。こういったのもあるということで。

売上アップのヒント

  • メルマガの開封しやすさ・読みやすさを知ろう | ネットショップ担当者フォーラム
    https://netshop.impress.co.jp/node/580

    「冬物ブーツが半額」ではなくて「【先着○名様】冬物ブーツが半額」ですね。売りたいものが決まればその売り方を考えてから。

  • 実店舗ありきの企業がEC事業を始める前にチェックしたい7つの項目と、課題解決策 | ECzine
    http://eczine.jp/article/detail/1672

    実店舗運営サイドから見たECやウェブ関連のイメージ

    • ラクに売上が取れる、人員は少人数(2~3人)で成果を出せる
    • ECの売上が増えると店舗の売上が減る
    • ウェブやシステムのことなら何でも知っている、対応できる
    • ECは無限に集客できる、ソーシャルメディアを使うと口コミができる
    • 競合他社のECやウェブに関する施策は、自社でも実行できる

    これはありますね~。こんなことは絶対にないのですが、なぜかこう思われてしまいます。実店舗のスタッフは敵ではないので、時には梱包をやったり、接客をしたりと現場に出ていってコミュニケーションを取っていきましょう。

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