中川 昌俊 2015/6/29 10:00

リピート通販を支援するシステムが充実してきている。簡易なものでもRFM分析を行い、分析結果から最適な顧客にメルマガを定期的に送るといった機能を備えている。価格も月額0円から利用できるシステムが出てくるなど、これまで中小EC企業にとって敷居が高いと考えられがちだったリピート通販支援システムが身近になってきている。一方で、豊富な機能を持つシステムでは、さまざまな条件で顧客を分析で着るほか、顧客へのアプローチもメルマガだけでなく、LINEビジネスコネクトやDSP広告としてアプローチできるようになっている。今回、リピート通販向けシステムの中でも、数多くの通販・EC事業者から選ばれているシステム提供会社10社を紹介。最近のリピート通販向けシステムの傾向や今後の各社の展開を探ってみた。

 

掲載10社のリピート通販向けシステムの機能とターゲットイメージ

中小EC企業にとってリピート施策は必須の時代に

これまで、多くの中小零細企業がネット通販を開始するようになったのは、楽天市場やYahoo!ショッピングなど、ショッピングモールの存在が大きかったことは間違いない。

こうしたモールは月額数万円で出店でき、サイト構築、メール配信決済といったECを行っていくうえで必要な機能が全て提供され、ECのノウハウがない中小零細企業でも簡単にネット通販を開始することができた。集客に関しても、モール内に広告枠が用意され、わかりやすい料金体系で広告出稿することができ、そこに広告を出稿すれば一定の売り上げを立てることができた。

また、モールでは顧客データを出店者が利用することができないような仕組みになっており、モールの出店者は顧客のリピート購入を図るためには、メールを一斉配信するしかなかった。こうした状況が長く続いてきたため、多くの中小ECサイトではリピート向け施策に目を向けず長年ECを続けてきた。

ただ、ECよりも長い歴史のある折込チラシやカタログを中心とした通販企業を見てみると、全ての会社がリピート施策を行っているといえる状況にある。特に化粧品や健康食品を取り扱う通販会社は、独自の分析理論を作り出したり、顧客ランクを考え出すなど、リピート顧客をとるための施策に力を入れている。

つまり、中小EC企業が今後成長するため、また会社を存続させていくために取り組むべきはまだほとんど手をつけていないリピート施策にあるといえる。実際、今回紹介するリピート通販向けシステムを使ってリピート施策に取り組み始めているEC企業は、ほとんどが売り上げを伸ばしているという。

すでにモールの顧客を分析できるシステムも出てきており、今後はモールにおいても分析した顧客に対してメールを配信できるようになるシステムも出てきそうだ。楽天は4月からメルマガ発行を全て有料化しており、今後はこうしたシステムとの連携ができるようになる可能性も高そうだ。Yahoo!ショッピングも基本的に顧客データを外部でも利用できるようにしていく予定としている。こうしたことを考えると、2、3年後にはEC企業においても、リピート施策をやらない企業はなくなる可能性もある。

今回の特集では業務管理に強いシステムから、CRMに特化システムまでリピート通販向けシステムとしてまとめて紹介する。。EC事業者は自社に合ったサービスを探すとともに、他社の動向から、今後自社がどのようなリピート戦略を採るべきかを考える資料としても活用して欲しい。

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