楽天の国内EC流通総額は13%増の7775億円【2017年1Qまとめ】
楽天の2017年1~3月期連結業績(第1四半期)における国内EC流通総額は、前期比13.0%増の7775億円だった。
成長率は前年同期(2016年1~3月期)と比べて0.5ポイント上昇。2016年にスタートした「スーパーポイントアッププログラム」(SPU、エントリー不要でポイントを最大7倍付与する施策)、2016年11月にリリースした「R-Karte」(過去のレビュー評価を図表化し、サイトの問題点を可視化するサービス)を通じた改善施策など、施策や日々の改善活動が流通総額の伸長につながったとしている。
国内EC流通総額は「楽天市場」「楽天トラベル」「楽天ブックス」「楽天マート」「楽びん」「フリル」「ラクマ」などのほか、ケンコーコムや爽快ドラッグなどの流通額を合算した金額。
楽天は2016年2月に発表した中期戦略「Vision 2020」に基づき、ロイヤルカスタマーの育成や新規顧客獲得のための販促活動、スマートフォンやタブレット端末向けのサービス強化、楽天経済圏のオープン化戦略などを推進。ユニーク購入者の育成、ジャンル別戦略の強化、モバイルCtoCへの投資などを行っている。
楽天市場は「スマホ比率」「楽天カード利用率」が上昇
「楽天市場」の流通総額に占めるモバイル比率(スマホ、タブレット、フィーチャーフォンの合計)は62.8%で、前年同期比5.2ポイント上昇した。
注文件数は同11.5%増、ユニーク購入者数(1~3月の平均)は同9.2%増。「客単価はこれまで下がっていたのが、そろそろ底を打つ見込み」(三木谷社長兼会長)といい、今後は客単価向上による流通総額の拡大を見通しているようだ。
国内ECの営業利益は179億円で前年同期比5.3%減だった。マイナス要因は「ラクマ」「フリル」で実施している手数料無料施策といったCtoCへの戦略投資が主因。
ただ、前四半期(2016年10~12月期)のマイナス19.3%からは大きく改善。2016年1月スタートの「スーパーポイントアッププログラム」(SPU)を実施しながらも、楽天市場単体では営業利益の伸び率はプラスに転換しているという。
2017年3月末時点の楽天市場の出店店舗数は、前年比274店舗減の4万4602店舗。楽天カードの決済比率は拡大基調にあり、当期は51.6%と過去最高だった。
不在再配達の削減や配送サービス強化に向け、日本郵便との連携強化を4月に発表した。コンビニや宅配ロッカー、郵便局などでの受け取りを推進。荷物を1回で受け取った顧客にポイントを付与する施策や、楽天が日本郵便と一括して配送契約を結び、楽天市場の出店店舗に特別運賃を提供することなどを計画している。