「手間をかけたい買物」「効率的な買物」を割り切る消費者が7割、イマドキの買物事情
生活者の消費実態やトレンドを研究する博報堂買物研究所が実施した「買物選択調査」によると、買い物をする際に「手間をかけたい買物」と「効率を重視する買物」を意図的に分けている生活者が約7割にのぼった。
買い物に関する情報が溢れ、店舗やECなど購入場所が多様化している中、「商品を選ぶのは面倒だから、誰かに任せたい」と考える消費者が増えているという。
こうした潮流は、「失敗しない保証が欲しい」「買物の労力に新たな意義・価値を見 出したい」「直感的に選びたい」といった新たな欲求を生みだし、買物の現場を変えていくと指摘している。
20~60代の生活者1000人に対し、家電や食品、日用品、情報機器、金融商品、ファッション、化粧品、教育・学習教材など27カテゴリーに対する買い物の意識を聞いた。その結果、「手間をかけたい買物と効率を重視する買物を意図的に分けている」と答えた割合は71.8%だった。
「任せたい・面倒な買い物」のカテゴリー(15項目)
- 生活家電
- 娯楽家電
- 情報機器
- 有料スマホアプリ
- 金融商品
- 教育・学習教材
- 旅行・交通
- 有料定額配信サービス
- ファッション系定額サービス
- 外食
- 医薬品・サプリ
- 洗剤
- ボディ・ヘアケア品
- 化粧品
- 加工食品
「自分で選びたい買い物」のカテゴリ(12項目)
- 生鮮食品
- 菓子・デザート
- アルコール飲料
- 調味料
- 清涼飲料
- オーラルケア品
- 家具・雑貨
- ファッション
- 書籍・音楽・動画
- 映画・ライブ・スポーツ観戦
- 自動車
- 住宅
博報堂買物研究所は、商品選びを任せたいと考える生活者が増えている理由として、買い物に関する情報が爆発的に増えた結果、「何をいつどこで買うのが正しいのか」を判断することが難しくなり、買い物をすることにストレスを感じる場合があると指摘。
特にSNSなどを多用する20代の若者を中心に、こうした生活者が増えているという。
こうした消費者は、EC・フリマアプリ、定額サービス、セレクトショップなどで時間もお金も効率的に利用する、SNSやECサイトなどネットを駆使して信頼する人やサイトを参考に買い物をする――こんな消費行動を起こしているとした。
今後は「買い物をお膳立てしてほしい(あらかじめ選択肢を提示してほしい)」「失敗しない保証がほしい(失敗しない安心基準を提示してほしい)」「買い物の労力に新たな意義・価値を見出したい」といった新たな欲求が発生し、買い物の現場に変化が生じると提言している。
調査概要
- 調査地域:全国
- 調査時期:2017年12月22~24日
- 調査方法:インターネット調査
- 調査対象:20~69歳の男女(各性年代100sずつ)
- サンプル数(有効回収数):20歳~69歳の男女1000人 ※今回使用データは性年代(10歳刻み)で人口構成比(2015 年国勢調査ベース)に合わせウェイトバック
- 調査機関:エム・アール・エス広告調査株式会社