「ZOZOTOWN」での広告事業スタートなど、スタートトゥデイの中期経営計画まとめ
ファッションECサイト「ZOZOTOWN」を運営するスタートトゥデイは4月27日、2021年3月期を最終年度とする中期経営計画を発表し、BtoB事業の強化やモール内広告事業への参入などを発表した。
スタートトゥデイ、3つの試み
BtoB事業の取扱高、3年後に300億円
ECサイトの構築や運用を受託する「BtoB事業」を強化する。「ZOZOTOWN」が独自に提供している後払い決済サービス「ツケ払い」をクライアントのECサイトで展開。また、「ZOZOTOWN」や「WEAR」の事業で蓄積したビッグデータの一部を提供し、マーケティングに活用できるようにする。
「BtoB事業」は現在、グループ会社のアラタナを中心に展開しており、2018年3月期の商品取扱高は前期比21.2%増の75億3600万円だった。受託販売手数料による売上高は、同22.7%増の16億4200万円。
商品取扱高の計画は2019年3月期が100億円、2020年3月期は200億円、2021年3月期は300億円に設定した。
ZOZOTOWNで広告枠を販売
新たに広告事業を開始する。ファッションECサイト「ZOZOTOWN」やコーディネートアプリ「 WEAR」 内に広告スペースを設置し、企業向けに広告枠を販売する。
広告売上高は初年度の2019年3月期に30億円、2年目は50億円、3年目には100億円をめざす。
「スタートトゥデイ研究所」ではデザイン自動化などを研究
ファッションに関する研究を目的として2018年1月に立ち上げた「スタートトゥデイ研究所」では、服のデザイン制作を自動化する技術や、「似合う服」「素敵な組み合わせ」を表す定量的な指標などについて研究を進める。
身体サイズを計測する「ZOZOSUIT」の改良にも取り組む。現在は計測できない足のサイズも計れるようにすることや、体を動かしたときの筋肉の動きまで考慮した採寸方法などについて研究する。
スタートトゥデイがめざす「3つの革命」
中期経営計画においてスタートトゥデイは、今後10年間で「オンラインSPA世界NO.1」「グローバルアパレルTOP10入り」を掲げた。そのために「3つの革命」の実現をめざすという。
服の買い方革命
「ZOZOTOWN」の取扱商品約6400ブランドを、同時に検索・購入することが可能で、かつ翌日に商品が届く仕組みを作る。すでに半ば達成し、今後はブラッシュアップと安定成長を図る段階としている。
服の選び方革命
試着や服選びを行わなくても、自分に合った服を買えるようにする。具体的な施策として、人力のコーディネートと人工知能を組み合わせて服を提案する定期販売サービス「おまかせ定期便」を2018年2月に開始。また、ZOZOSUITで計測したサイズデータを活用し、体のサイズで商品を検索する「自分サイズ検索」を強化していく。
服の作り方革命
体型に合った服をオーダーメードで注文でき、数日後に届く仕組みを作る。プライベートブランド「ZOZO」において、ZOZOSUITを活用して顧客の体のサイズにあった服をオンデマンド生産する。
プライベートブランド「ZOZO」は、2019年3月期に200億円、2020年3月期に800億円、2021年3月期に2000億円の売上高(商品取扱高)をめざす。
スタートトゥデイはこうした施策や革命を通じて、2020年3月期に商品取扱高を5080億円、2021年3月期は7150億円にまで拡大させる計画。10年後までに時価総額5兆円をめざすとしている。なお、2018年5月2日時点の時価総額は約1兆800億円。