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中国では越境ECなどの新しいビジネスモデルが急拡大を続けており、今後、中国の貿易市場や経済全体の新しい成長エンジンとなることが予想されます。このような状況を背景に2018年以降、中国は相次いで税制優遇政策・規制を発表。越境EC事業を支援する動きを見せています。主要な税制政策について紹介します。

最新の中国ECを巡る法律、政策など

電子商取引法

電子商取引に関わる法的難題を解決します。電子商取引を行う企業の合法的な権利、活動を保障するため、中国では2019年1月に「電子商取引法」を施行しました。

「電子商取引法」では、電子商取引を行う企業の経営者に市場主体(主に法人・自然人のことを意味する)の登記、税務登記の義務を規定。架空取引、ユーザー評価の偽造を違法行為と認定しました。中国の市場監督管理部門は場合によって、罰金最高50万元(1元=15.93円換算で約796万円)を科します。

「電子商取引法」は電子商取引による会社経営、電子商取引契約の締結と履行、物流、電子決済サービス、電子商取引の争議問題などを規範化。電子商取引分野に関する初の法令として、電子商取引の持続した健全な発展を促進しようとしています。

越境EC小売輸出入商品監督管理に関する公告

公告によると、越境ECプラットフォーム、物流企業、決済企業、越境EC・小売による輸出入を手がける事業者などは、会社所在地の税関へ登録すると規定されています。

越境ECプラットフォーム企業が責任者となり、取引の実態を把握します。消費者は納税義務者で、税関に登録された越境EC業者、物流企業、申告企業は、税金の源泉徴収義務者に代わって納税義務を履行し、相応の法的責任を負うとしています。

越境EC輸入税収政策に関する通達

越境取引の限度額が明記され、また、輸入関税の優遇対象となる購入限度額が引き上げられました。従来1人1回あたり2000人民元(1元=15.93円換算、日本円で約3万1860円)、年間2万元(約31万8600円)の限度額が設けられていましたが、2019年1月以降は1回5000元(約7万9650円)、年間2万6000元(約41万4180円)まで広げました。

同時に、消費者が「個人使用」のために購入した商品の転売は禁止に。税関の特殊監督管理区域外で展開する「ネット購入保税+オフラインでの店頭受取」モデルについて、「原則として認めない」ことを明確にしました。

※税関の特殊監督管理区域:保税区、輸出加工区、保税物流園区、クロスボーダー工業区、保税港区、総合保税区等、税関が封鎖監督管理を実行している特定地域。

中国政府がECビジネスを後押し

また、2019年7月3日に行われた中国国務院常務会議は次の内容を公表しました。

これまで35都市で展開していた越境EC総合試験区に加え、新たに総合試験区の都市を追加。また、越境ECサービス提供のプラットフォームの立ち上げを支援すると同時に、関係物流施設の改善を進め、ECサイトの知的財産権保護サービスを強化します。

さらに、教育関係の機関が越境電子商取引学部の設立を支援し、越境ECの発展に有力な人材サポートを提供するとしています。

中国政府のECに対する取り組み
中国政府のECに対する取り組み(中国越境EC政策を元に、transcosmos Chinaが図を編集)

中国EC市場で成功するには研究がカギ

越境購入代行ビジネスから始まり、「海外通販」を扱うECプラットフォームの普及……。こうしたフェーズから、越境電子商取引に関する規定が相次いで公布された後は、新たな越境EC時代に突入したと言えます。

従来と異なるのは、EC業者は、複雑で厳格な電子商取引法に対して、長期的視点で業務を発展するための法令遵守が必要となります。

越境ECの市場規模は昨今、著しく拡大しており、大型で総合的越境EC事業者は圧倒的な市場シェアを占めるようになりました。越境EC事業に携わる企業は、責任や権利の明確化、税関総署に承認されたオペレーションパターンの把握、サービスシステムの構築など、中国の政策をきちんと研究することが重要になります。

中国EC EC事業を行う事業者に求められる義務など
EC事業を行う事業者に求められる義務など(transcosmos China作成)
監督管理部門である税関総省の承認オペレーションのパターン
監督管理部門である税関総省の承認オペレーションのパターン(transcosmos China作成)

税関に承認されたオペレーションパターンに基づいて、「三単合一」と呼ばれた通関政策が実行されます。「三単合一」とは、「注文情報」「支払い情報」「輸送情報」の3つの情報がデータ連携された通関システムのことを言います。

  • 支払い情報:決済会社が提出。決済会社は直接にプラットフォームに領収書を提供
  • 注文情報:ECプラットフォームが直接税関に送付
  • 輸送情報:通関サービス企業(保税区、物流企業など)が提出
通関システム「三単合一」のイメージ
通関システム「三単合一」のイメージ(transcosmos China作成)

税関総署の公告(2018年第194号)によると、越境EC輸入商品の消費者(注文者)は納税義務者となります。税関に登録された越境EC企業、物流企業、申告企業は税金の代行納付義務者として、納税義務を履行しなければなりません。税金は下記の通りです。

越境ECの税金について
越境ECの税金について(transcosmos China作成)

関税計算

一定の金額の枠内で輸入関税の税率を0%、増値税と消費税をそれぞれ70%とする輸入関税を設けました。

計算方法

  • 税金=購買単価×件数×越境EC総合税率
  • 越境EC総合税率=(消費税率+増値税率)×70%
    ※増値税とは、流通段階で商品に対して課される税金です。

例をあげて計算します。

輸入リストにおいて紙おむつの増値税率は13%、消費税率は0%で計算するとき、計算式は(13%+0%)×70%=9.1%で、越境EC総合税率は9.1%となります。つまり、商品単価が100元(1元=15.93と計算、約1,593円)ごとに9.1元(約145円)の総合税金を支払うことになります。

2019年上半期、中国は増値税の税率を従来の17%から13%に引き下げました。越境EC総合税は、引き下げられた増値税率に70%を乗じた優遇税率となりましたので、従来の輸入関税の税率ゼロ関税と増値税の優遇措置により、消費者は越境ECプラットフォームを通じて安い値段で気に入った商品を購入することが可能となっています。これも引き続き越境EC市場の活性化を一層促進すると見込まれています。

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『海外ECハンドブック』は、グローバルECにおいて豊富な経験を持つトランスコスモスが、世界30の国と地域におけるECの現状と将来展望について、最新データを集約・整理した一冊
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[主要30の国・地域のEC市場概況]

  • 世界のEC市場規模予測
  • 地域別EC市場データ
  • 30の国・地域のEC市場ポテンシャル
  • 越境EC市場規模およびEC利用者の推移
  • 越境ECの地域別利用状況
  • アジア10都市EC利用動向調査
  • EC市場データランキング(TOP10)
  • 各国のEC市場環境比較表2018年
    などを掲載。アジア太平洋、北米、中南米、欧州、中東・アフリカなど、主要30の国・地域について、各国のEC市場環境比較表などを掲載しています。
    https://www.amazon.co.jp/dp/4295007951/
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