世界4億人超が使う「Pinterest」の最新情報&EC事業者が押さえておきたいショッピング機能を解説
毎月世界で4億人以上が利用する「Pinterest」。「ソーシャルメディア」と思われがちですが、私たちは「Pinterest」を「パーソナルメディア」だと定義しています。「Pinterest」に訪れるユーザーは、意欲的な思考で次に挑戦したいモノやアイデアの発見に活用し、積極的に新しいブランドを見つけ、そこから商品を購入しようとしています。こうしたユーザー特性と独自の機能を持つ「Pinterest」の最新情報、EC事業者が押さえておきたいショッピング機能などを解説します。
「Pinterest」の指標は月間閲覧数
「Pinterest」独自のディスカバリーアルゴリズム(ユーザーの興味関心に沿ったコンテンツを表示するアルゴリズム)によって、自身のフォロワー以外のユーザーにもコンテンツを表示。幅広いユーザーの目にコンテンツが留まることで広いリーチを獲得でき、ブランドの認知向上を図ることができます。
他のプラットフォームではフォロワー数が主な指標ですが、「Pinterest」はコンテンツの月間閲覧数(通常、フォロワー数の50~100倍多い数字)が主な指標となります。
そのため、「Pinterest」のホームフィードや関連するピンなどのページを通じて、1日当たり計数十億件のお薦めコンテンツがフォロワー以外のユーザーへ届けられています。
さらに、毎月数十億回の検索が「Pinterest」で行われているので、企業・ブランドにとってはアイデアを実行に移す意思決定プロセスの初期段階で、ユーザーにインスピレーションを与えることができ、顧客にするチャンスが生まれます。
「Pinterest」には商品購入意欲が高いユーザーが多い
コロナ禍において消費者が実店舗でのショッピングを控えるようになったことを背景に、ECの必要性はかつてないほど高まっている一方で、オンラインショップ内でのパーソナライズされたショッピング体験を求めるユーザーも増えています。
「Pinterest」上に展開されるコンテンツは、ユーザー1人ひとりにパーソナライズされているため、商品やサービスなどの情報をより効率的に潜在顧客に届けることができます。
ソーシャルメディアはエンターテイメントやコミュニケーション目的に使われますが、「Pinterest」は自分の暮らしのための実用的なアイデアを得るために利用されています。実際、毎週「Pinterest」を利用するユーザーの84%が、まだ購入を決めていない商品やサービスについて検討するために「Pinterest」を使っています。
また、「Pinterest」の特徴はユーザーの購入意欲の高さにもあります。実際、検索を行っているユーザー10人のうち9人が商品の購入意欲を持っています。「Pinterest」を毎週利用しているユーザーに聞いたところ、購入までのプロセスで一番影響されたプラットフォームは「Pinterest」だと回答した人が、他のソーシャルメディアユーザーと比べて7倍多い結果となりました。
新しいアイデアや商品を見つけることに積極的かつ高い購入意欲を持ちながら、どのブランドから購入するかを決めていない段階で検索する人が非常に多いのです。
実際に、ユーザーの77%が「Pinterest」で新しいブランドや商品を発見したと回答。また、「Pinterest」の上位検索の97%は非指名検索で、「スニーカー レザー 白」のようにブランド名や商品名などの指名がされず、一般的なワードで検索されています。
さらに、「Pinterest」のショッピングユーザーは他のプラットフォームのショッピングユーザーに比べて商品購入量が85%多く、毎月の支出額も2倍になっています。
そのため、具体的な購入商品は未決定だが、その候補を探している人など意思決定の前段階にいる潜在的なユーザーにリーチでき、企業やD2Cブランドにとっては新しい顧客への認知向上と、購入意欲の高い消費者への商品訴求により、売上拡大のチャンスにつなげることができるのです。
「Pinterest」はアイデアのカタログとして商品購入のインスピレーションに利用されてきました。そして近年では、ユーザーがさらに「Pinterest」で見つけたものを購入できる、企業にとって効率的にコンバージョンを高めることのできる機能の強化を進めています。
日本で展開されているプロダクトピン(商品価格や在庫有無などを表示するピン)の他に、欧米で展開されている機能(今後国内でも展開を予定している機能)を紹介します。
CVアップなどに役立つ「Pinterest」独自の機能
プロダクトタグ(日本展開済)
ピン内の購入可能な商品が自動的に識別されます。ピンに表示されるラベルとドットをタップすることで、独自のビジュアル検索テクノロジーが画像に表示されているものと同様の商品で購入可能なものを表示します。
プロダクトピン(日本展開済)
プロダクトピンはECサイトから取得したメタデータにより、価格、在庫状況、商品のタイトルと説明文が表示され、サイトからの最新の情報を自動的にピンに同期することができます。
カタログ機能(日本ではベータ展開)
商品のデータソースを一括してアップロードする方法です。カタログから作成したプロダクトピンは、商品グループに追加してショッピング広告としてプロモートすることができます。カタログフィードのアップロードは、2020年3月から2021年3月にかけて世界的に14倍以上増加しました(「Pinterest」内部調査データ)。
ショップタブ(日本では今後導入予定)
カテゴリ別に整理された注目の在庫商品、商品グループ、パーソナライズされたおすすめ商品が表示され、ストアフロントのような体験を提供できるのがショップタブです。検索結果に表示される「ショップ」タブは、検索ワードに関連があり、在庫のある商品のみが表示されるタブになります。
ボードからショッピング(日本では今後導入予定)
ユーザーは、ボード上に専用の「ショップ」セクションを表示できます。このセクションには、ユーザーによって保存されたコンテンツに基づいて在庫のある購入可能な商品が提供されます。
認証バッジ(日本では今後導入予定)
Pinterest のユーザーは、単に商品を気に入っただけではなく、ブランドにも好感を抱くことで購入に至る傾向にあります。実際に、10 人中 7 人のユーザーが、Pinterest は信頼できる新しい商品、アイデア、サービスを探すためにアクセスする場所だと回答しています。
ユーザーのこうしたインサイトにさらに応えるために、より信頼性の高いブランドを見つけるための認証バッジプログラムがあります。認証バッジを持つ事業者はユーザーの信頼を構築できると同時に、コンバージョンレポートとインサイトも入手できます。認定バッジのついたショップになるには、アクティブなカタログおよび機能しているタグがあり、「Pinterest」の販売事業者ガイドラインを遵守している必要があります。
商品タグ(日本では今後導入予定)
商品タグ付け機能を使用して「Pinterest」上で利用イメージ画像内の商品にタグを付けることで、商品名や価格などの詳細が記載され、ピンを通して購入を可能にすることができます。
Shopify連携(日本では今後導入予定)
さらに、「Pinterest」は、Shopifyとのパートナーシップを拡大。27か国で展開を始め、170万以上の世界のShopifyマーチャントがシンプルなステップで「Pinterest」に商品をアップロードして、プロダクトピンへの変換が可能となりました。
「Pinterest」を有効活用している小売事業者は、「Pinterest」ユーザーがひらめきから行動に移り、再びプラットフォームに戻ってくることを理解した上で、ショッピング機能を活用したコンテンツを作成しコンバージョンをあげています。次回はプロダクトピンを活用してコンバージョンを増加させた国内事例を交えてご紹介します。
筆者登壇情報
11月15日(月)、オンラインで開催される「ネットショップ担当者フォーラム2021秋」に、連載を執筆しているPinterest Japanから、カントリーマネージャーの成田敬氏が登壇します! テーマは「新しい顧客をつかまえる! PinterestのECビジネス活用を徹底解説 ~消費者インサイト、オーガニックのEC活用事例、ローンチ予定の広告事業~」。ぜひご視聴ください!