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アメリカで11月に行われた「ブラックフライデーセール」。海外メディアによると、小売実店舗には買い物客が殺到。メイシーズでは開店と同時に顧客が駆け込み、深夜11時になってもデパート内はにぎわっていたという。アドビシステムズ(アメリカ)が公開した情報によると、感謝祭と翌日(ブラックフライデー)のオンラインショッピング取扱高は52.7億USドルに達した。

中国「ブラックフライデー」のダークホースはLOHACO

天猫国際ブラックフライデーセール

天猫国際ブラックフライデーセールのトップページ

アメリカの小売業にとって、イベントは売り上げ拡大につながる重要なトピック。中国では、「天猫国際」が行う「ブラックフライデーセール」が今年で2年目を迎え、越境ECを利用する中国消費者の買物意欲を刺激している。

「天猫国際」によると、ウォーミングアップ期間(編集部注記:ブラックフライデーセール開始前)だけでも、1200万人超の顧客が「ブラックフライデーセール」専用のチャンネルで待ち続けていた。11月25日の「ブラックフライデーセール」が始まった7時間で2015年に記録した「天猫国際」のブラックフライデー全日取扱高を突破。利用者を見ると、新規利用者が74.55%60%以上が18~35才の若者だった。

この「ブラックフライデー」に関し、各国の小売大手は主戦場として「天猫国際」を重要視している。韓国のイーマートはわずか40分間で2015年の「ブラックフライデー」の全日取扱高を突破し、10時間半で3倍を超えた。2015年の「ブラックフライデー」の実績を突破した時間を見てみると、アメリカのメイシーズが1時間強、コストコは9時間、日本のマツモトキヨシは8時間だった。

「独身の日」(編集部注記:11月11日)は家族のための買い物が、「ブラックフライデー」は自分向け消費が多い。日用必需品を取りそろえると、消費者はリラックスできる。これを実現すると、ブランドのカバン、映画/ドラマに出てきた同じ口紅、クリスマスプレゼントなど、自分のための買い物ができるようになる。

「天猫国際」の「ブラックフライデー」における最初の注文は、上海市宝山区の消費者がオーダーしたワロソンズ(香港発のドラッグストアチェーン)の「死海の泥フェイスマスク」。浙江省杭州市の下沙保税区倉庫から出荷し、1時間内で配達完了となった。「天猫国際」の総経理劉鵬氏が次のようにコメントしている。

「ブラックフライデー」の取引商品構造を見ると、「独身の日」のアップグレード消費、新しい輸入商品が特徴だ。アップグレード消費とは何だろうか? 高い商品を買うと誤解されやすい。ビッグデータを見るとわかるが、値段の高い商品を買うとは限らない新しい消費理念を指す。

中国の消費者は若者が多く、彼らは新しい商品カテゴリー、ブランドの商品を試したがっている。「天猫国際」を通してアイディア商品など、特色のある物を欲している。将来の越境EC(輸入)は、粉ミルクや紙おむつにこだわらず、中国消費者に生活から医療やヘルスケアなどの問題を解決することができる

「天猫国際」の「ブラックフライデー」を国別ランキング(購入先)で見るとアメリカがトップ。日本、韓国、オーストラリアとドイツが続いた。全店舗ランキングでは、1位がオーストラリアのドラッグストアChemist Warehouse、アメリカのコストコとメイシーズ、日本のLOHACOが続いた

日本で急速な発展を遂げている日用品ECサイトの「LOHACO」が今回のダークホース。また、最も人気のあった商品はメイシーズのAnne Klein(時計)、Sneakerheadが販売するアディダスのtubular runner(靴)、日本熊野の馬油セットなどだった

アメリカの「ブラックフライデー」では、メイシーズやTargetといった小売大手が自社の実店舗とオフィシャルECサイトの売り上げを伸ばすために、アマゾンと激しい戦いが繰り広げられた。一方、中国ではこれらの小売大手がアリババグループとともに「天猫国際」で新しい小売の在り方を模索。メイシーズもTargerも中国では「天猫国際」を主戦場とした。

メイシーズによると、2016年の「ブラックフライデー」は新記録を達成し、1時間強で2015年の全日取扱高を突破した。今回の「ブラックフライデー」では、天猫のキャラクター「猫人形(猫公仔)」がニューヨークのメイシーズ本店の前を訪れ、サンクスギヴィング・デイ・パレードと「ブラックフライデー」セールの盛況を天猫や優酷(編集部注記:中国版のYouTube)などで生放送した。

天猫のプラットフォームでは1時間半で400万の「いいね!」が押された。メイシーズ取締役会長、中国メイシーズのCEOも生放送に出演。猫人形と一緒に中国消費者へ天猫の「メイシーズ軍艦店」の「ブラックフライデー」特別セットをPRし、アメリカと中国の連携、オフラインとオンラインの連携を実現したという。

メイシーズ本店前で生放送する天猫キャラクター「猫人形(猫公仔)」

ニューヨークのメイシーズ本店前でサンクスギヴィング・デイ・パレードと、「ブラックフライデー」セールの盛況を生放送する天猫キャラクター「猫人形(猫公仔)」

アメリカの小売大手2位のTargetも目立った。「ブラックフライデー」ではArcher Farmsクランベリー混合ナッツが7000缶も売れた。5.7トン相当で、7000世帯が1か月かかって完食できる量に相当する。カリフォルニアベビーのウォッシュ&ヘルスケアセットが3500セットも売れた。これは1700人以上のベビーが1年間も利用できる量だった。

Target天猫国際店ブラックフライデーセール・ページ

Target天猫国際店ブラックフライデーセール・ページ

アメリカのコストコは、9時間で前年同日の記録を超え、当日の取扱高は2015年同日の5.7倍にまで拡大した。顧客平均単価は前年度比159%増加。人気のナッツとドライベリーのほか、今年はサムソナイトのスーツケースやオーストラリアの女性用ウールショートブーツも人気だった。

コストコ天猫国際店ブラックフライデーセール・ページ

コストコ天猫国際店ブラックフライデーセール・ページ

日本百貨店最大手の三越伊勢丹は「ブラックフライデー」直前に天猫国際へ出店、初参戦となった。最も人気だったのは、ダウンジャケット/コートとファッション福袋。期間中の顧客平均単価は1000元を超えた。

実店舗は上海、成都と天津だけだが、「天猫国際」を通して中国全国の消費者にアプローチ。最も購入した消費者は上海、北京、浙江省のユーザーで、年齢は31~35才。ある責任者の話によると、これからのクリスマスや年末商戦では、「天猫国際」店に今治タオルやイーストボーイ、mastermind、ANNA SUIの商品を投入する予定という。

三越伊勢丹天猫国際店ブラックフライデーセール・ページ

三越伊勢丹天猫国際店ブラックフライデーセール・ページ

「天猫国際」のブラックフライデーは、メイシーズやコストコ、Target、Chemist Warehouse、イーマート、ヴィクトリアズ・シークレット、サックス・フィフス・アベニューなどが参加。合計1万以上の海外ブランドが参戦し、3万アイテムもの商品が現地と同価格で中国消費者に販売されていた。

価格やサービス、正規品、ユーザーの購買行動を見ると、「天猫国際」は国内越境EC(BtoC、輸入)のトップに立っている。また、世界の小売大手ととともに中国の「ブラックフライデー」セールを作り出すことに成功した。

『中国越境EC輸入小売市場四半期観測レポート2016 Q2』によると、越境EC輸入ECはアリババグループ傘下の「天猫国際」と「淘宝グローバル」がそれぞれ38.3%と32.2%を占め、合わせて7割のシェアで市場を牽引している。

天猫国際ブラックフライデー国別ランキング(購入先)

  1. アメリカ
  2. 日本
  3. 韓国
  4. オーストラリア
  5. ドイツ

都市ランキング

  1. 上海
  2. 北京
  3. 広州
  4. 杭州
  5. 深セン
  6. 成都
  7. 武漢
  8. 天津
  9. 南京
  10. 蘇州
  11. 重慶
  12. 寧波
  13. 西安
  14. 福州
  15. 長沙

人気商品カテゴリー(Top10)

  1. 美容/化粧品
  2. マタニティ
  3. 医薬品/健康食品
  4. ファッション/アクセサリー
  5. 食品
  6. ヘルスケア
  7. ホーム・テキスタイル
  8. デジタル/家電

人気商品

  • メイシーズのAnne Klein時計(アメリカ)
  • Sneakerheadのアディダス tubular runner靴(アメリカ)
  • 熊野の馬油セット(日本)
  • SNPのアイマスク(韓国)
  • Kingpowerのドライマンゴー(タイ)
  • ミキハウスのホットビスケッツ・ベビーウェア(日本)
  • centurymallのブラウン ベビー温度計(香港)
  • CLUBCLIOのBBファンデーション(韓国)
  • Chemist WarehouseのBio Island DHAサプリメント(オーストラリア)

人気店舗(Top13)

  1. Chemist Warehouse
  2. コストコ
  3. メイシーズ
  4. LOHACO
  5. Clim(客隣尚品)
  6. イーマート
  7. GNC
  8. Cow&Gate
  9. 花王
  10. JAYJUN
  11. 爽快ドラッグ
  12. Swisse
  13. Target

 

  • この記事は『ebrun』より本誌が記事提供を受け、日本用に翻訳、編集したものです。
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  • 通販・ECに関する中国の法改正動向を一挙掲載
  • 大手メーカー、有名EC企業が利用している中国のEC支援企業データを47社掲載
  • 中国の「新越境EC制度」について、その道のプロが解説
  • 最新の中国消費者の購買行動、越境ECの利用動向などを調査

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