中川 昌俊 2014/7/30 8:00

インプレスは7月25日、福岡市内で「ネットショップ担当者フォーラム2014 in 福岡&Web担当者Forumミーティング2014 in 福岡」を開催した。開催は昨年に続き2回目。地元のEC事業者ら約150人が参加し、CRMやオムニチャネルなど最新の事例が紹介された。

基調講演に登壇した売れるネット広告社の加藤公一レオ社長は、ネット広告で100%確実に効果を出す仕組みについて解説。失敗している事例として、広告から集客した後、ランディングページまでは作っているものの、その後、会員登録や届け先入力、支払方法の入力など何段階も情報を入力させる仕組みを上げた。

一方、加藤氏のコンサルティング先はランディングページにすべての入力フォームを入れることで、コンバージョン率が2~3倍になっている事例を紹介。その他、サンプル購入から本購入に移行させるためのテクニックや、リピートを促進させるためのノウハウを説明した。

加藤公一レオ社長

続いてランチセッションに登壇したのはネットプロテクションズのBtoCセールスグループリーダー・田村博已氏。後払い決済の特徴を説明した。後払い決済を導入したことで、売り上げが上がっている事例の他、特にスマホでの流通額が多い事例などを紹介。また、ユーザーが新しく利用するサイトではクレジットカードを登録するのに不安を持つことが多く、新規ユーザーへの販売においても効果的であることなどを説明した。

後払い決済と相性の良い商材を説明する田村氏

ecbeingの土井本渉九州支店支店長代理は、提供するECサイト構築パッケージ「ecbeing」の歴史を簡単に説明した後、売り上げを高めるための取り組みについて紹介。その中で最も重要なものは、「独自の顧客価値を提供すること」にあるとして、事例を上げながら説明。また「独自の顧客価値を提供することは、とても大変なことだがそれを常に考え続けることこそが最も重要だ」と話した。講演の最後には、ピーター・ドラッガーの「何事かを成し遂げるのは、強みによってである」という言葉を引用し、強みを作り出すことの重要性を説いた。

土井本九州支社長代理

14時20分からはプラスアルファ・コンサルティングの鈴村賢治取締役が講演。鈴村氏はまず、「ネット通販はリアル店舗などに比べてCRMがやりやすい業態だが、現状ではほとんどできていない企業が多い」と話した。その理由として、データを使いこなすための人材がいないことやシステム的に使いこなせないようになっているケースが多いと説明。同社が提供するCRMシステム「カスタマーリンクス」を使うと、こうした問題が解決できるとし、実際導入した会社で、最適化したメール配信することで、成果が上がっている事例などを紹介した。

メールマーケティングの強みを説明する鈴村取締役

ユーザーローカルの鐘ヶ江昌紀コーポレートセールスリーダーは、同社が提供するWeb解析ツールの「ユーザーインサイト」を活用して、スマートフォン向けにサイトを最適化した事例を紹介。英会話教室運営のベルリッツで実際にどのようなコンテンツが読まれているかを分析し、画像や文章をスマホ向けに最適化することでコンバージョン率が2倍に高まる事例などを紹介した。

鐘ヶ江昌紀コーポレートセールスリーダー

最後は「九州ECトークバトル ネットショップ裏事情」と題したパネルディスカッションを実施。ネットショップ能力認定機構の森戸裕一理事がモデレータ―となり、パネリストには九州を中心に活動するネットショップ事業者の団体「九州EC」から3人、インフォマークスの天井秀和社長、スクロール360の高山隆司取締役が参加した。

最初に話題となったのは個人情報の取り扱いについて。システム的なセキュリティリスクよりも人的なリスクが高いため、特にパートやアルバイトへの教育の重要性などを話し合った。配送会社による値上げが進んでいるため、配送料のコストアップへの対応方法については事例などを上げながら解決策を探った。この他、SEO、モールと自社サイト、オムニチャネルなど様々な話題が上がり、会場は盛り上がった。

九州EC役員などがパネルディスカッション

次回の「ネットショップ担当者フォーラム/Web担当者Forumミーティング」は9月5日、11時から大阪市で開催する。基調講演は「無印良品ネットストア『顧客と時間を共有する』CRM戦略」と題し、商品計画の奥谷孝司WEB事業部長)が行う。

(富士通の田中一郎氏の講演は別途独立記事としてまとめます)

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