瀧川 正実 2014/7/30 15:48

LINEは7月30日、通販大手のフェリシモと提携し、スマートフォン向けECモール「LINE MALL」の出品者に向けた物流代行サービスを始めた。出品者が直接購入者に商品を送る従来の仕組みに加え、新たな配送選択肢を追加。一度フェリシモの物流センターに商品を発送し、フェリシモの倉庫から商品を送る仕組みを構築した。物流量の多いフェリシモが商品を配送することで、配送コストを従来よりも少なくし、全国各地でも定額で発送できるようにする。

「LINE MALL」ではこれまで商品配送料金を一律出品者が負担。販売希望価格に送料を上乗せした合計金額を商品販売価格として設定していた。ただ、購入者の居住地域によって配送料金が変動。配送先が遠方になるほど出品者の配送負担が上がるというデメリットがあった。また、購入者と出品者同士で個人情報の取得が必要となるため、情報のやり取りに不安を抱えるユーザーが売買を躊躇するケースもあったという。

こうした課題を解消するめたにフェリシモと提携し、「LINE配送」を開発。出品者はこの配送サービスを利用すると、一律定額料金で配送ができるようになる。

LINEとフェイリシモが提携し開発した「LINE配送」

「AFTER」の図が今回新たに始めた「LINE配送」の仕組み

例えば、「~60cm」(3辺の長さの合計)の大きさの場合、一般平均価格は「683円~1642円」だが、「LINE配送」を利用すると650円で利用可能。出品者は着払いでフェリシモの物流センターに商品を送ると、受け取ったフェリシモが購入者に商品を送る。販売希望価格に上乗せした配送料金をLINEが一度徴収し、フェリシモに「配送代行費用」として配送にかかった費用などを支払う。

フェリシモとLINEが提携

LINEが算出した料金比較表

フェリシモは箱数で1日最大5万個を超える出荷能力を持つ。大量の配送個数を活かし、配送コストも一般的な企業よりも低くく抑えているとみられる。LINEはこのスケールメリットを生かし、出品者の収益アップを手助けする。

フェリシモは「LINE配送」を新たな収益ビジネスとして活用する。一度フェリシモの物流センターに集まった出品者の荷物に、自社の通販・ECの利用を促すチラシなどを同梱。他社企業のチラシやサンプルなどの同梱といった広告ビジネスを展開する。

「LINE MALL」は2013年12月にスタートし、現在アプリのダウンロード数は200万を突破。個人間取引が中心で、企業の出店はLINEが厳選した一部の企業に留まっている。現在テスト的な運用と位置付けており、本スタートは未定としている。

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