Amazon(アマゾン)が展開するクラウドベースの音声認識サービス「Amazon Alexa」に日本語対応した「Amazon Echo」が我が家に届きました。米国ではすでに1000万人以上が利用していると推測されている「Amazon Echo」が、ネット通販業界にどのような影響を与えるのか?

こんな目的で早速、音声ショッピングを試してみました。商品検索から決済までにかかった時間は約20秒。それも音声のみ。注文した商品は翌日にちゃんと届いたのでした。

2017年11月に発売されたAlexa対応のデバイス「Amazon Echo」「Echo Plus」「Echo Dot」は声で操作できるスピーカー。EC関連では、「Alexa」がユーザーの声を聞き取って「ショッピングリスト」を作成する機能「Amazon プライム」対応商品を購入できる機能が付いています(2017年12月現在)。

早速、炭酸水を音声ショッピングで購入

「Amazon Echo」と「Google Home」
我が家にやってきた「Amazon Echo」。右の「Google Home」はすでに子どもたちの遊び道具に……。

最近、焼酎を炭酸水で割って飲むことにはまっている僕(泡盛を炭酸水で割って飲むのがオススメ)。そのため炭酸水を「Amazon Alexa」に注文してみました。

:Alexa、炭酸水がほしいんだけど。

Alexa:炭酸水を検索しますか?

:お願い。

Alexa:炭酸水を検索したところ、「アサヒ飲料 ウィルキンソン タンサン 500ml、24本入り」が一番最初に見つかりました。税込合計は1901円です。購入しますか?

:はい。

Alexa:注文するには買い物コードを言ってください。

:●●●●。(※数字4ケタの音声ショッピング用のコード)

Alexa:ありがとうございます。お届け予定はTomorrowです。詳細は「Alexa アプリ」(「Amazon Alexa」用のアプリ)をご覧下さい。

僕が求めていた炭酸水の買い物はこれで終了、所要時間は約20秒。

「Amazon Echo」など音声ショッピングで購入した商品は、「Alexa アプリ」で確認できる
「Alexa アプリ」で注文内容を確認することが可能

細かい条件(今回の例ですと、「もっと安い商品がほしい」など)で探すと時間がかかってしまうと思いますが、価格などを気にしなければ声だけで簡単に商品を購入できるのがわかりました。

Alexa搭載の「Amazon Echo」で商品を購入
「Amazon Echo」で買い物した炭酸水は翌日朝に届きました。もちろん、1回で受け取りました。宅配業者の方、年末前のお忙しい時期にありがとうございました

「Amazon Alexa」で買い物をする方法

「Amazon Alexa」で商品を注文するには次の条件をクリアしている必要があります。

  • 「Amazonプライム」会員または無料体験会員
  • 日本国内の届け先住所
  • 「Alexaアプリ」で音声ショッピングを有効に設定している
  • 「Alexa Voice Service」に対応した端末(「Amazon Echo」など)

設定方法を見ていきましょう。まず、「Alexa アプリ」を開きます。

「Amazon Alexa」に日本語対応した「Amazon Echo」で買い物するためには、「Alexa アプリ」で設定することが必要

ホーム画面の左上のハンバーガーメニューをタップ。「Amazon Alexa」で利用できる機能などが表示される。そこで、「設定」をタップする。

「Amazon Alexa」に日本語対応した「Amazon Echo」で買い物するための「Alexa アプリ」設定方法

設定から、「音声ショッピング」をタップ。デフォルトでは「音声による商品の注文」がオフになっているため、オンにする。これにより、「Alexa」対応デバイスでAmazonの商品を音声で注文できるようになります。

僕が注文した際、妻が真横で僕の実証実験を観察していました。ちなみに、僕がAmazonで登録しているカード番号は僕個人のクレジットカード。そのため、「この番号でいつでも買い物ができるね」と妻がほくそ笑んでいました。

「Amazon Alexa」に日本語対応した「Amazon Echo」で買い物するための「Alexa アプリ」設定方法

「音声による商品の注文」をオンにすると、「確認コードを有効にする」が表示されます。これは、「Amazon Alexa」で注文した際、本人認証のために使用する番号です(声で番号を言う)。

確認コードをセットすると、支払い設定の画面に移ります。「Amazon Alexa」経由のショッピングには、利用客の支払い情報と配送情報を活用してワンクリックで買い物できる「1-Click注文」機能を使用しています。そのため、利用者は「1-Click注文」の設定が必要になります。

「Amazon Alexa」を使ったショッピングの設定はこれで終了。これで音声を使ったショッピングを利用できるようになります。

「Amazon Alexa」の気になるあれこれ

検索アルゴリズムは?

Amazon.co.jpは、「Alexaは注文履歴からAmazonプライム対象の商品を検索します」とECサイト上で説明しているため、基本的には注文履歴をベースに「Amazon プライム」対象商品を探していくようです。

「Amazon Alexa」を使って注文した炭酸水は、僕が今まで購入たことがなかった商品。「Amazon Alexa」は「アサヒ飲料 ウィルキンソン タンサン 500ml、24本入り」を案内してくれました。

Amazon.co.jpのPCサイトで「炭酸水」を検索したところ、上位表示されたのは「アサヒ飲料 ウィルキンソン タンサン 500ml、24本入り」。「炭酸水」の中ではベストセラーになっていました

Amazon.co.jpのECサイト
 
「炭酸水」の中で「ベストセラー」になっている「アサヒ飲料 ウィルキンソン タンサン 500ml、24本入り」が音声によってレコメンドされました

これは僕の推測ですが、「Amazon Alexa」案内する商品は、「Amazon プライム」対象の商品の中から、「ショッピングカートボックスの獲得」対象商品を音声で紹介しているのではないかと思いました。

音声で購入できる商品について、Amazon.co.jpでは、次のように説明しています。

Amazonプライム会員であれば、Amazonが販売または発送するプライム対象商品を注文するようにAlexaに指示できます。一部ご注文いただけない商品があります。音声ショッピングは、プライム対象の服&ファッション小物、シューズ、ジュエリー、時計、あわせ買い商品の再注文に対応しています。

──Amazon.co.jpでの説明

次に「ショッピングカートボックスの獲得」に関して。Amazonでは1商品1ページという仕組みを採用しているため、出品者ごとに商品ページを作成していません。「Amazon.co.jp」では直販製品に加え、マーケットプレイスの出品商品が販売されていますので、商品ページでは商品名の下に表示された出品者名の出品者が、「ショッピングカートボックスの獲得」を得たことになるという仕組みになっています。

上の画像を見ると、「ショッピングカートボックスの獲得」対象は、「定期おトク便」、「Amazon プライム」対象の合計金額1901円の商品。

「定期おトク便」は「Amazon Alexa」の対象となっていないと考えられるので、「Amazon プライム」対象になっているAmazon直販商品(合計金額1901円)が音声で案内されたと推測できます。

音声ショッピングの精度は?

日本語対応版はリリースされたばかりということもあり、精度はまだまだ。たくさんのユーザーが「Amazon Alexa」との対話を重ねれば、精度は上がっていきます。今後に期待ですね。

以下は、「アサヒ飲料 ウィルキンソン タンサン 500ml、24本入り」を案内された後に、「Amazon Alexa」と交わしたやり取りの一部です。

:もっと安い商品はある?

Alexa:何を探しますか?

:炭酸水。

Alexa:Amazon全体で探したところ、kindle Oasis……(その後は聞き取れなかったのですが、Kindle商材が案内されました)。

つまり、関係ない商品がレコメンドされたということですね。

配送状況の確認について

「Amazon.co.jp」に記載された情報によると、注文の配送状況を確認できるようです。

「注文した商品はどこ?」「配送状況を確認して」と話しかけると、配送関連の状況を声で案内してくれるとのこと。

ちなみに僕は、注文翌日に届くことがわかっていながら、次の質問をしてみました。すると、

:注文した炭酸水はいつ届く?

Alexa:炭酸水に一致する商品は先週以降、購入されていません。

:……。

再注文やまとめ買いなど

「Amazon.co.jp」によると、「●●●をもう一度注文して」と話しかけると、過去に注文した商品を案内してくれるとのこと。また、現時点では決済はしないけど「カートに入れておきたい」といったニーズに応える機能として、「カートに入れておいて」と話しかけるとカートに対象商品を入れる機能が展開されています。

実際、僕もある商品を「カートに入れて」とお願いしたところ、ショッピングカートに入れてくれました。

また、注文確定直後であれば、注文のキャンセルも可能。「注文をキャンセルして」と話しかけると、キャンセルができるようです(詳しくはこちらを参照

「Amazon Alexa」で買い物リスト作成もできる

ユーザーの声を聞き取って「ショッピングリスト」を作成する機能が搭載されています。

たとえば、ユーザーが「アレクサ、うるち米をショッピングリストに加えて」「アレクサ、買い物リストに今、何が載っているの?」といった指示や質問を投げかけると、音声が認識。声だけで買い物リストを作成することができます。

「Amazon Alexaに搭載された買い物リスト機能
炭酸水を買い物リストに加えました

音声ショッピングの未来について

米国のリサーチ会社Consumer Intelligence Research Partners LLC(CIRP)によると、米国では2016年末で820万人以上が「Amazon Echo」を利用、5月末時点で1070万人が使用していると推定しています。

米国の調査会社ComScore社は、音声検索は2020年までにすべてのインターネット検索の半分を占めるようになると予測。市場調査・コンサルティングサービスのTractica社は2021年までに、18億の人々がデジタル音声アシスタントを活用するようになると考えています。

音声デジタルアシスタントを利用する人口は上昇していく
デジタル音声アシスタントを利用するユニーク・アクティブ・ユーザー数の推移予測2015-2021(出典はTracticaの公表資料)
青:一般ユーザー
赤:企業ユーザー
縦軸:百万人

米国Amazonは「Amazon Echo」の利用者を増やすために、2017年の「Prime Day」では値下げ販売を実施。これから訪れると考えられている音声検索時代に備え、「Amazon Echo」の利用台数の拡大を進めています。

米国Amazonは2014年に「Amazon Echo」の販売を開始。音楽プレイヤー兼インターネット検索ができるデバイスとして展開し、その後、大幅に機能を拡充しています。

「Amazon.com」で購入履歴のある商品を「Alexa」経由でリピート注文できる機能を追加。2016年のアップデートで、「Amazon.com」で販売しているほとんどの商品を「Alexa」経由で注文できるようにしています。

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瀧川 正実

ネットショップ担当者フォーラム編集部 編集長

通販・ECに関する業界新聞の編集記者、EC支援会社で新規事業の立ち上げなどに携わり、現在に至る。EC業界に関わること約13年。日々勉強中。

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