千趣会はカタログ発行4割減で通販不調、110億円の最終赤字

頒布会事業を除く年間購入者数は、前期比14万人減の323万7000人

渡部 和章

2018年2月13日 10:00

千趣会の2017年12月期における通販事業の売上高は、前期比5.0%減の1012億7900万円だった。カタログ発行部数を約4割減らしたことなどから売り上げが落ち込んだ。

通販事業の営業利益は57億700万円の赤字(前期は2億4000万円の赤字)。販管費削減などに取り組んだものの、売上減少による利益の減少を補いきれなかった。在庫処分によるバーゲンの比率が高まったことなどから売上原価率が上昇。在庫管理方針を明確化したことで商品評価損が増加したことも営業赤字の要因となった。

ブライダル事業などを含む連結売上高は同2.4%減の1259億9900万円、当期純損失は110億9000万円。

通販事業の月次売上高は、8月度と12月度を除いて前年同月比90%台で推移した。

ジャンル別売上高は「衣料品」が前期比7.0%減の418億2200万円、「服飾雑貨」が同8.8%減の96億8200万円、「インテリア」が同15.7%減の241億6200万円、「生活雑貨」が同12.5%減の122億2300万円、「食品」は同57.7%増の106億1600万円、「その他」は同65.3%増の27億7200万円となっている。

千趣会の通販事業ジャンル別売上

通販事業ジャンル別売上

頒布会事業を除いた年間購入者数は前期比14万人減の323万7000人。ネット受注件数比率は同3.3ポイント増の83.5%だった。ネット売上に占めるスマートフォンの比率は同7.1ポイント増の54.7%。

カタログの配布先を見直したほか、カタログの休刊や統合に伴い発行部数は同37.5%減の4740万部。カタログ発行部数削減による減収を、オンライン施策で補う見込みだったが、期初で予想した売り上げが得られなかった。

千趣会の通販事業の概況

通販事業の概況(画像はIR資料を編集部がキャプチャ)

バーゲンなど値引き販売の比率が高まったことで、売上原価率は同6.2ポイント増の59.7%に上昇。販管費は、カタログ部数削減や各費用の見直しなどを行い同6.4%減の475億8400万円となった。

カタログ掲載商品の早期調達や長期販売形態からの脱却を図ったほか、 販売中の商品を適時値下げすることで消化率向上を図るなど、在庫管理方針を明確化したことで商品評価損が増加したという。 

2018年12月期の連結業績予想は、連結売上高が前期比1.6%減の1240億円、最終利益は14億円。通販事業の売上高は同3.1%減の981億1000万円を計画している。

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