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経済産業省と国土交通省は11月2日、宅配荷物の再配達削減などを目的として今年5月から開催している「宅配事業とEC事業の生産性向上連絡会」の報告書を公表した。

再配達削減に向けた3つの主な取り組みを上げ、現状と課題を整理。連絡会での議論を踏まえ、行政とEC事業者、宅配会社が連携して再配達削減に取り組む。

取り組み① 宅配事業者とEC事業者のデータ連携

宅配事業者とEC事業者は、メールやアプリなどを活用して配達予定日時を消費者に通知しているほか、 配達状況の確認や再配達の受付、受取日時の変更などをオンラインで行えるサービスも提供している。

連絡会では、多様化した消費者のニーズに対応しながら再配達削減を進めるには、宅配事業者とEC事業者がそれぞれ独自に保有しているデータを共有・利活用し、消費者とのコミュニケーションを強化することが有効との指摘があった。

一方で、個人情報保護の観点からの懸念、「企業の競争上の情報」と「再配達削減のために連携すべき情報」の切り分けが不明確との指摘もあがったという。

今後、事業者団体の協力を得て、データ連携を行う際の課題となるユースケースを年内をめどにまとめる。2019年以降、個人情報保護の観点などからも検討を行い、課題を整理する。

「宅配事業とEC事業の生産性向上連絡会」のこれまでの議論のとりまとめ
今後、対応を進めていく事項(画像は経産省と国交省の発表資料からキャプチャ)

取り組み② 再配達の実態の分析

政府は2017年に再配達問題に関する世論調査を実施。 また、国交省は再配達率調査を年2回実施し、定点観測を行っている。調査によると、2018年4月度の再配達率は15.0%で、6か月前の前回調査(2017年10月度)と比べて0.5ポイント下がった。

連絡会では、再配達削減策を検討するためには、消費者の属性などに関するより詳細なデータを取得し、再配達の実態について詳しく把握・分析を行った上で、より具体的な課題を抽出することが有効との指摘があがった。

消費者属性などの取得や分析の方法については、宅配事業者やEC事業者の協力を得ながら、関係省庁で対応策の検討を進めるとしている。

取り組み③ 多様な受取方法の推進

宅配ボックスを駅やコンビニ、マンションなどへ設置する動きが広がっているほか、オープン型宅配ボックスの利活用推進のための国による支援が実施されている。また、コンビニ店頭受取や置き配などのサービスも提供されている。

連絡会では、宅配ボックスや置き配といった受取方法を選択できるようにすることや、配達先情報(宅配ボックスの空き情報、サイズなど)と荷物情報(荷姿・梱包など)を組み合わせるための環境整備が必要との指摘があがった。

また、宅配ボックスなどから自宅まで、消費者が商品を持ち帰る前提で梱包を見直すことも有効との声もあった。

再配達削減へ通販業界と宅配業界が連携

EC市場の拡大に伴い、宅配便の取扱個数が年間40億個以上に増加する中、宅配事業者のドライバー不足などの課題を解決するために、経産省と国交相が合同で連絡会を発足させた。

「宅配事業とEC事業の生産性向上連絡会」の設置
宅配需要が増加している事象(画像は経産省と国交省の発表資料からキャプチャ)
「宅配事業とEC事業の生産性向上連絡会」の設置背景 トラックドライバーが不足
ドライバー不足も顕著となっている(画像は経産省と国交省の発表資料からキャプチャ)

連絡会は2018年5月に第1回を開催し、これまで4回開催。民間企業の委員として、アスクル、アマゾンジャパン、オルビス、佐川急便、千趣会、ZOZO、日本郵便、ファンケル、丸和運輸機関、ヤフー、ヤマト運輸、楽天、リンベルが参加している。

今後、報告書にまとめた項目の検討状況や、各社の最新の取り組みなどを共有する場として、連絡会を継続的に開催する。

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渡部 和章

ライトプロ株式会社 代表取締役

渡部 和章(わたなべ・かずあき)

新聞社で約7年半、記者を務めた後、2015年に編集プロダクションのライトプロを設立して代表に就任。編集者兼ライターとしても活動中。

趣味は料理と漫画を読むこと。東京都在住。1983年生まれ。

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