渡辺 裕子 2019/10/28 9:00
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婦人靴の製造小売を手がけるかねまつは、インバウンドによる爆買い効果を体感したこともあって越境ECに注目し、自社サイトでの取り組みに本腰を入れている。

一方、サイズ展開が幅広い“靴”は、その商品特性から在庫リスクが大きい。数年前から越境ECの重要性を認識してはいたが、着手するにはハードルが高かった。

そうしたなか、ジグザグが提供する越境EC支援サービス「WorldShopping BIZ チェックアウト」(以下WorldShopping BIZ)を導入したことで、現状のオペレーションを変えずに低コストでの越境ECが可能になったという。

かねまつの吉武浩平氏と、ジグザグ 仲里一義氏が越境EC成功の裏側を語った。

コストや在庫リスクが越境ECの高いハードル

セミナー前半では、かねまつ Webマーケティング室 室長の吉武浩平氏が同社の越境EC事業について解説した。

株式会社かねまつ
Webマーケティング室 室長 吉武 浩平 氏

当社は婦人靴とバッグの専門店であり、創業71周年を迎えた。高価格帯ブランド「銀座かねまつ」と、若い世代向けブランド「POOLSIDE(プールサイド)」の2種類を手がける。

自社ECサイトとしては、「SHOES CONCIERGE」と「POOLSIDE SHOES OUTLET」を運営。「SHOES CONCIERGE」では「銀座かねまつ」「プールサイド」の2ブランドを扱い、携帯サイトの 「POOLSIDE SHOES OUTLET」はジャストシーズンを過ぎた商品を販売するアウトレットとなっている。

私はこれら自社のECサイト運営業務に携わっている。(吉武氏)

かねまつが越境ECに本腰を入れ始めたきっかけは、2013年頃からインバウンドの訪日客、特に中国からの訪日客が急増して、銀座店舗の売り上げが大きく伸びたことにある。

訪日客は店舗に来ると、まず「ブランドが本物か偽物かを聞く」という現場の声を受け、ブランドを意識したサイト作りに取り組んだ。当時は、観光バスを連ねた爆買いブームのまっただ中で、ともかく越境ECをやらねばならないという状況だったが、大手企業ほど予算をかけられない。

中国アリババグループの「T-mall」からもオファーはあったが、出店コストが高額で踏み切れなかった。オペレーション管理や人材確保の難しさなど、さまざまな課題があるなかで、最大の問題は在庫だったという。

衣料品とは違い、同社の婦人靴は21.5~25センチまでの8サイズとサイズ展開が幅広い。それだけのフルサイズを海外向けにどう管理するのか、在庫を抱え込んでしまわないか、モール出店には大きなリスクがあった。

2014年頃には海外転送代行サービスを利用していたが、海外在住者への浸透は思った以上に難しく、バナー広告などの施策も大きな成果にはつながらなかった。

越境ECに特化したカートの使いやすさが導入の決め手

コスト、オペレーション、在庫管理などの課題を抱えるなか、ジグザグの越境ECサービス「WorldShopping BIZ」を知り、導入に至った。決め手は、「カートの多言語化や決済、配送、カスタマーサポートまですべてやってくれるなどサービスの内容がとにかく良かったこと」(吉武氏)だという。

なかでも一番重要なカート部分は、海外ユーザーのアクセス地域や利用ブラウザの言語に合わせた表示が出せることなど使い勝手が優れていた。他社のサービスは「かな入力」や「日本の郵便番号」が入力必須項目のまま表示されていて、外国人は理解できず、離脱を招く結果につながっていた。

「WorldShopping BIZ」は、大幅なサイト改修を伴わずに、JavaScript1行設置するだけで自社ECサイトを越境対応できる。加えて、海外決済、国際物流、多言語のカスタマーサポートのスキームもおまかせできるのは有難いサービスだった。ランニングコストも月額5,000円(税別)と、とても安価で助かっている(吉武氏)。

導入後、同社の越境EC売り上げはアップしており、「国内ECサイトのデザインを変えることなく、カート以降でそれぞれの言語にあった接客ができるようになったことで、当社のブランドコミュニケーションを維持しつつ、ユーザーに利便性を提供できたことは大きい」と吉武氏はブランドの観点でも評価した。

同社のECサイトには、現在およそ数十か国から注文が寄せられているが、中国や東南アジアだけでなく米国やロシアからの注文も目立つことに驚いたという。欧米からの注文でも言語は中国の場合が多く、世界中に住む中国語やアジアの人が購入している。

海外からの注文は、送料がかかることからまとめ買いの傾向が高く、1回に数足注文する顧客が多い。そのため日本よりも顧客単価が高く、これまで返品も先方のサイズ勘違いの理由で1足あっただけだった。

今後は、データをもとにオーダーがあった国別にブランド認知を高めるような施策ができたら、と考えている。ジグザグさんにも一気通貫でそういった提案サービスをしてもらえないかと期待している(吉武氏)。

「WorldShopping BIZ」は越境ECに悩む企業と消費者をつなぐサービス

株式会社ジグザグ
代表取締役 仲里 一義 氏

講演の後半は、モデレーターであるジグザグ 代表取締役 仲里一義氏が越境ECノウハウや同社の支援ツールについて解説した。

当社は創業4期目のベンチャーで、越境EC支援事業を専門に手がけている。物流・決済・言語などEC事業の国境をなくし、テクノロジーの活用を通じてよりフラットに進化させ、世界中の「欲しい」という声に応えることをビジョンに掲げる。(仲里氏)

ジグザグは、「海外対応のノウハウや体制・仕組みがない」「不正決済対応で困っている」「運営コストが高い」などの悩みを持つ企業に、越境EC対応をワンストップで提供。「売りたくても海外展開できない」という企業側と、「海外対応していないので欲しい商品が買えない」という消費者側をつなぐサービスとして展開している。

ジグザグが解決する海外対応の課題

同社が提供する「WorldShopping BIZ」の仕組みや流れは次のようなものだ。

  1. 海外ユーザーがショップに注文
  2. 多言語ナビや海外ユーザー専用のカート・住所入力フォームを整備した「WorldShopping BIZ」がショップ画面に表示される
  3. 「WorldShopping BIZ」に注文をリダイレクト遷移してユーザー決済を実施(PayPal、銀聯カード、Alipayによる決済も可能)
  4. 「WorldShopping BIZ」のカスタマーサポートが確認
  5. 「WorldShopping BIZ」が海外ユーザーに代わり購入代行(不正決済リスクなし)
  6. ショップは通常の国内配送手配を実施
  7. 「WorldShopping BIZ」が荷受け・検品・海外用梱包を実施
  8. 「WorldShopping BIZ」がインボイスの作成、国際郵便の手配を行い海外へ発送
「WorldShopping BIZ」の基本的な流れ

「顧客は世界中に存在する」という認識を持つ

ジグザグによると、国内ECサイトへの海外アクセス数は平均2%~8%、1サイトあたり、1か月に50~80か国からアクセスされている。

外国人にとってハードルが高いのは「かな入力」や「全角入力」、パスワードを忘れた時への対応で、これらをクリアできない商品購入までたどり着けない。こういったハードルについて、仲里氏は「言語というよりもシステムの問題だ」と指摘する。

企業・ユーザーの双方にとって越境ECは課題が山積みだが、「WorldShopping BIZ」は注文の受け付けから商品代理購入、決済、カスタマーサポート、海外配送まですべてのフローに対応。ユーザーに代わって商品を注文するため、企業は国内販売と同じ業務をするだけで完了するという。

業界では海外からの不正決済が増えているが、注文自体は運営者のジグザグが行うことになるため、企業のチャージバックリスクもゼロとなる。導入は、JavaScriptタグを管理画面に1行加える作業だけで簡単に済む。(仲里氏)

「WorldShopping BIZ」は三陽商会やピーチ・ジョンなどの大手EC企業をはじめ、中小事業者まで幅広く導入している。

たとえば、靴と同様にサイズ展開が広い女性用インナーを扱うピーチ・ジョンでは、普段はアジア圏や欧米在住のアジア人の購入者が目立つ。しかし、キャラクター限定コラボの商品を発売した途端に客層が欧米人に変わり、欧米からのアクセスが急増するという。

こういったデータを活用して国別ではなく、たとえば州や言語などをベースにしてフェイスブックでアプローチするなどのマーケティングをしていけば面白い。(仲里氏)

中古品の越境ECも人気で、品質が高いとされる日本の中古楽器は海外から高額商品の注文が入る。中古AV機器のフジヤエービックは、「WorldShopping BIZ」導入以前は代引きと銀行振込みしか扱っていなかったが、「WorldShopping BIZ」の導入でAlipayや銀聯カード、PayPalなど海外からのオンライン決済に対応できるようになった。

そのほか、釣り具、フィギュア、プラモデル、バイク用品などさまざまなショップが「WorldShopping BIZ」を導入して越境ECを始めているという。

海外向けに売ることは難しいという先入観を捨て、顧客は世界中に存在するということを認識してもらいたい。現在は越境ECの受け皿となるサービスだが、今後は海外にあるネットワークとも連携して集客支援にも着手しようと考えている。(仲里氏)

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