森野 誠之 2020/3/31 8:00
ネッ担まとめ

紆余曲折の末、3月18日にスタートした楽天の送料込みライン。売上はあまり変わらないという状況に拍子抜けだった店舗も多いかもしれません。

楽天からの補助があるうちに抜本的な対策を

「楽天3980円ライン」出店者の何%が参加?開始後どうなった?検証レポート | コマースデザイン
https://www.commerce-design.net/blog-staff/200325-rakuten3980/

まとめると、

  • 楽天市場の送料込みライン施策には、3月18日時点で約73%の店が参加(何も設定せずに送料無料ラインが3980円になっている店も含まれる)
  • 開始時に適用対象外申請をしていても、その後参加することも可能。しかし、除外→参加→除外と行き来するのはかなり難しい
  • 楽天が送料を一部負担してくれてる間にきっちり利益管理して価格改定するか、EC事業そのものの見直しをするのが良い

3980円でよくある対策

・値上げ耐性(=値上げしやすさ)が全商品一律とは限らないので、値上げ耐性のあるもの・ないものを見極めて、あるものから価格改定していく

・値上げしても売れる商品は今後楽しみなのでこれを見極める

・取り扱い商品を絞り込む。市場環境が変わってくると「以前から扱ってるけど、今は難しくなっている商品」が出てくる

・1商品で送料コミ価格の商品を「お得な2コセット」で送料分安くする

・送料別商品を見せつつ「まとめ買い送料無料」を案内する

試験的に始まった感のある送料込みライン。楽天からの一部負担があるので参加した店舗が多かったようです。新型コロナの影響もあるので何とも判断しづらい状況ですが、対応した店舗はやや伸びたようで、対応しない場合はやや下がったようです。

これが本格的に導入となった場合は一気に状況が変わる恐れがあるので、EC事業自体の見直しをして行った方がいいでしょう。先週も書いたように昔のようには戻らないですから。

ECサイトは売るためだけに存在しているわけじゃない

金曜夜限定の日用品ECサイト、なぜ開設? 運営元のコクヨに聞く | ITmedia NEWS
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2003/16/news077.html

まとめると、

  • 文具メーカーのコクヨが企画・運営しているECサイト「THINK OF THINGS MIDNIGHT SHOP」は金曜午後8時~翌日土曜午前10時の間だけオープンしている
  • 人の気分は昼と夜で異なる。気分が変わったとき、日用品に対する興味・関心や購買行動がどう変化するかを検証するために企画した
  • 「サイトが見たくて金曜日のオープン前からスタンバイしていた」などの声があった

金曜夜に限定した理由について、コクヨの企画担当者は「金曜の夜は、多くの人にとって週末を目前にした解放感がある時間帯なので、ストーリー性のある楽しい企画にできるのではないかと思いました」と説明する。加えて「企画を見たお客さまからも、『面白い』『どうして金曜の夜だけオープンするの?』といった反応が得られるのでは、と考えました」と続ける。

利便性のためにECサイトを立ち上げるのではなく、「面白い」を追求して立ち上げるという、このアイデアは良いですね! お店のテーマ自体が「ワークとライフの境界を超える」なので、日常的に購入ができてしまっては外れてしまうこともあるはずです。売上よりもコンセプトを大切にしたほうが売れてしまう時代ですね。

Yahoo!ショッピングとPayPayモールの物流強化

ヤフー親会社、打倒アマゾン・楽天に“次の一手” ヤマトと組んでEC事業を強化 川邊社長「ナンバーワンになる」 | ITmedia NEWS
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2003/24/news115.html

まとめると、

  • ZホールディングスはヤマトHDと業務提携に向けた基本合意書を締結。ヤフーが運営するYahoo!ショッピングとPayPayモールを対象に、従来は出店者が担っていた受注から出荷までの業務をヤマトHDが代行するサービスを6月30日に始める
  • ヤマトHDと組んで提供する出店者向けのサービスは、「フルフィルメントサービス」と「ピック&デリバリーサービス」の2種類
  • ZホールディングスはYahoo!ショッピングやPayPayモールで使用している検索・決済システムを「XS(クロスショッピング)エンジン」と命名し、外部のEC事業者に提供する施策も始める

これまでYahoo!ショッピングとPayPayモールでは、出店者が自社の倉庫で商品を保管したり、運輸業者に個別に配送を依頼したりする必要があった。そのため、受注から発送までに工数がかかる場合があり、翌日配送などのサービス面でアマゾンジャパンや楽天に後れを取っていたという

自前の物流を持っていなかったYahoo!ショッピングとPayPayモールですが、ヤマトと組んで一気に強化していくことになりました。関連記事でも紹介しているように、すでに1,000件以上の申し込みがあったことから関心の高さがうかがえます。

これ以外にもPayPayモールの商品ページ上に実店舗の在庫を表示したり、自社のシステムを提供するなど革命の“第2弾”に注目です。

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96%が商品の配送に「満足」。JADMA+日本リサーチセンター「2019年度 配送満足度調査報告書」 | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/7407

「回答者の8割以上が女性で60代以上が64%」の調査なので注意。

「OKIPPA(オキッパ)」が八尾市で置き配の実証実験。再配達が7割減 | ネットショップ担当者フォーラム

https://netshop.impress.co.jp/node/7428

再配達になったのは「OKIPPAに入らないサイズの荷物だった」「内容物が生ものなどだった」など。

新型コロナの影響でヤマト運輸の配送に一部遅延が発生中[中国・四国・九州地域→北海道宛てで一部遅延] | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/7433

アマゾンの物流拠点、従業員1人感染で1日休止 小田原 | 朝日新聞デジタル
https://www.asahi.com/articles/ASN3T62NWN3TULOB01G.html

じわっと物流にも影響を及ぼしている新型コロナ。これ以上広がると……。

えっ?たこ焼のサブスクって、ホンマかいな!?1舟買ったらさらに1舟無料!『元祖どないや定期券』月額980円~より 3月23日(月)スタート! | ASCII.jp
https://ascii.jp/elem/000/004/006/4006765/?rss

はたして、サブスクって儲かるんだろうか?FAQを西井さんの本を読んでまとめてみました | ECzine
https://eczine.jp/article/detail/7592

手軽にサブスクを始められる仕組みが出てきましたが、もちろん安易に始めると大赤字になりますのでちゃんと考えてから。

EC事業からの撤退という選択肢――米アパレル企業が実店舗にリソースを再投入する理由 | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/7419

全体売上高の0.5%のECを閉鎖して、今までEC事業に注ぎ込んだリソースを店舗の成長を促進するために使うとのこと。

次世代EC技術「ヘッドレスコマース」の実装環境を整える。Shopify&Gatsbyヘッドレス実装解説 | non-standard world株式会社
https://www.non-standardworld.co.jp/23717/

テクニカルな記事なのでわからないこともありますが、用語だけでも覚えておきたいですね。

今週の名言

このような状況下で日々スーパーのレジに座っている方、商品棚を補充している方は、現在ある中でも最も困難な仕事のひとつを担っています。同胞のために尽力し、言葉通りの意味でお店の営業を維持してくださりありがとうございます。

コロナウイルス対策についてのメルケル独首相の演説全文 | Mikako Hayashi-Husel
https://www.mikako-deutschservice.com/post/...

焦って混雑したお店で買い物をしている日本とは大違い。頑張っている人たちに感謝を。

筆者出版情報

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