瀧川 正実 2020/6/26 11:00

TANA-X(タナックス)とリコーは6月22日、複数のシェルフ・サイネージをIoTセンサーやAIで統合制御し、商品棚で来客属性に合わせて最適なデジタル販促コンテンツを配信する「コネクテッドシェルフ」を共同開発したと発表した。

タナックスは今後、実店舗での実証実験を実施。2020年末ごろの本格展開をめざす。

TANA-X(タナックス)とリコーは6月22日、複数のシェルフ・サイネージをIoTセンサーやAIで統合制御し、商品棚で来客属性に合わせて最適なデジタル販促コンテンツを配信する「コネクテッドシェルフ」を共同開発
ダイナミックな売り場を演出するという「コネクテッドシェルフ」

「コネクテッドシェルフ」は、商品棚の前に訪れた見込み客に対し、年齢や性別など属性に合わせて最適な販促コンテンツをダイナミックに表示する。距離センサーを利用した来客滞留モジュール、カメラとAIの連動による来客属性モジュールなどのセンサーモジュールで取得したデータに基づき、商品棚に設置した複数のシェルフ・サイネージを連動させる仕組み。

取得した来客の滞留情報や属性情報、購買行動、閲覧・表示コンテンツ種類などのデータはログとして記録、マーケティングに活用できる。既存の商品棚に搭載できるため、導入の手間やコストも抑えられる。

「コネクテッドシェルフ」は販売員の対面接客をサイネージで代替でき、新型コロナウイルス感染リスクの軽減が期待できる。

陳列棚作りのデジタル化を大きく進化させる「コネクテッドシェルフ」は、小売店舗におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)戦略の新たな一翼として、小売・流通業の活性化と売上拡大を後押しするとしている。

「コネクテッドシェルフ」のイメージ動画

近年、小売店舗では在庫・発注管理のデジタル化、ダイナミックプライシングなど、DXが進んでいる。タナックスは、主要事業の1つであるセールスプロモーション)事業において、従来の販促サービスにデジタル技術を活用。売り場演出と効果的な陳列棚作りをめざす。

なお、デジタルサイネージ事業を手がけるリコーが、クラウド型サイネージ配信サービス「RICOH Digital Signage(リコーデジタルサイネージ)」をベースに、カメラとAIを使った画像認識による販促コンテンツの切り替え、複数のセットトップボックス(映像受信機器)の同期などを統合的に管理するCMS(コンテンツ・マネジメント・システム)といったシェルフ型サイネージ向け機能を開発・提供している。

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