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前回はSEOのトレンドについて、江沢よりお話させていただきました。今回は2021年のWeb広告の3つのトレンドについて、河野(こうの)がお話させていただきます。

2021年、Web広告のトレンド……の前に

初めまして。河野芽久美です。本題に入る前に、少しだけ自己紹介をさせていただきます。

私が広告に関わるようになったのは2008年。その頃はまだスマートフォンは誕生しておらず、安価なPCが一般家庭にも普及し始めた時期。Webの広告は検索連動型が盛り上がり始めた頃で、ディスプレイ広告は「純広告」といわれる「枠を買う」タイプのものが多かった時代です。

時は流れ、インターネットを利用することが日常化している今、自社の商品やサービスを知ってもらい顧客となってもらうために、どのようなことをどう訴えれば良いのか。広告を発信する側の思考を整理する必要があるのではないかと考えます。

余談ですが、私は2002年頃から、買い物のほとんどをネット経由で行っています。今、家にある家具・家電に至るまで、ほとんどネット通販で現物を見ることなく購入しています。

購入に至る導線は、人から商品情報を聞いて検索したり、買いたいモノが明確な場合は直接サイトを訪問したり、クーポンを入手するためにSNSをリンクさせたり、リマーケティングや類似属性で追いかけられた広告からサイトに入ったりとさまざまです。仕事柄、自分の購買行動やその導線をしっかりと分析することで、広告プランニングのヒントになることも多々あるため、一石二鳥といったところでしょうか。

イメージ:コンバージョンに至るまでにはさまざまな導線がある

さて、広告のトレンドについてですが、2021年のトレンドとして、以下の3つを強く感じています。

広告のトレンド①
Cookieに頼らない広告配信になる

もしかすると、いえ、ほぼ確実に広告の配信システムはガラリと変わる可能性があるでしょう。今まで広告配信に必要なユーザー行動を取得するために利用していたCookieを、今後は利用しない方向でブラウザが更新されることは確かです。2021年内に変わるのか、それとも、しばらく時間をかけて移行していくか、正確な話は出ていませんが、ユーザー行動をどう判別していくかが鍵になるのは間違いありません。

Cookieが使えなくなると、今まで獲得効率が高いといわれていたリマーケティングを主に置くのではなく、広告媒体側に用意された興味・関心の集合体に、あるいは、ダイレクトにユーザーと接触できることから、SNS上でのファンを増やしていく方向性が考えられます。

その際、広告の役割は、自社サービスとの関連性の高い興味関心の集合体を見つけたり、その精度を高めたり、ファンを増やしたりするために、一般的なWeb上でも、SNSなどのダイレクトチャネルでも、同時にプロモーションできる使い方にシフトしていくのではないか、と考えています。

イメージ:Cookieに頼らない広告配信

広告のトレンド②
動画利用が必須になる

①で挙げたCookie問題は私たちがコントロールできることではありませんが、今後積極的に取り組みたい、取り組んでいくべきだと考えるのは、動画広告の活用です。

すでに始めている企業も多いとは思いますが、今まで静止画の広告バナーが置かれていた面でも、動画広告の配信は可能になっています。静止画バナーで訴求できることは限られていますが、静止画を動画にするだけで、情報量を格段に増やすことができ、視覚だけでなく聴覚にも訴えられることから、人を動かす要素の多いプロモーションが可能になるのです。

また2020年以降、爆発的に活気を帯びている動画視聴サイトでは、人はおのずと趣味趣向に合わせて動画を選び視聴することから、ターゲットの確度も担保できると考えられます。

イメージ:動画広告

広告のトレンド③
獲得広告と認知広告の捉え方が変わる

Webでの「獲得広告」とテレビCMなどの「認知広告」は少し前まで、「獲得広告は販促費から、認知広告は広報費用から」というように、考え方と組織のお財布が異なるケースがありました。お財布が違えば部署も違い、連携することなく各々の広告が配信されてしまう……といったこともよくありました。

ただ、それはもったいない話。Webを活用してプロモーションを行う場合、認知と獲得を分断して考えることは適切ではありません。今やWebでも認知活動を積極的に行う時代であり、認知から獲得までWebを通して計測できるようになってきています。

しかしそこで問題になるのが、「指標」の捉え方。たとえば、CPA(Cost par Acquisition/Action)を決めて広告を運用することは当たり前のように行われてきました。ですが、広告の目的が異なる場合、獲得広告でのCPAと認知広告のCPAが同一では、広告の配信が上手く行われないことは明らかです。

そのため、何を指標として考えるべきなのか。ROAS(Return On Advertising Spend)なのか、全体の売り上げなのか、あるいはLTV(Life Time Value)なのか。もしくは、単なる認知広告や獲得広告という分類ではない、統合的な高次の指標を、改めて検討する時が来ていると考えられるのではないでしょうか。

イメージ 獲得広告と認知広告

その検討の行方が、これからの広告運用のカギとなることは間違いないと考えます。

「ダブルループ学習」で商品も広告も改善しよう

ここまで3つのトレンドについて説明しましたが、基本的に変わらないことは、「どのような商品やサービス」を「どのような人」に「どのような言葉やイメージ」で伝えるかということ

ユーザーはどこにいて、どんなことに興味があるのかを、ユーザーとの接点となる検索画面やメディアサイト、SNSなどで発見し、できる限り正確に、丁寧に知らせていくことが広告の役割です。

必要なのは、訪れたユーザーが見やすく理解しやすいサイトを作ることに他なりません。それはSEOの領域になりますが、整えたサイトに広告で誘導し、広告配信から得たデータを、サイト構成や商品・サービスへ反映させていく。ループを描きながら双方の改善をもたらすような、SEOと手に手を取った広告運用を私たちは「ダブルループ学習」と定義しています。

サーチエンジンマーケティングはこの形を目指す必要があると、私は考えます。

① 広告の改善(シングルループ学習)
広告運用・改善をしつつ、インサイトをフィードバック
② 商品・サービスの改善(ダブルループ学習)
広告運用のフィードバックをサービス改善にいかす
商品・サービスビジネスモデル
ミニマムな広告展開
パフォーマンス
広告、サービスの双方を改善する「ダブルループ学習」
◇◇◇

2回に渡ってSEOと広告の2021年のトレンドについてお話しました。いかがでしたでしょうか。両方のトレンドを踏まえつつ、次回からはサイトのタイプ別施策、まずは大規模ECサイトのSEO部分について解説していきたいと思います。

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河野 芽久美

アユダンテ株式会社

河野 芽久美(こうの めぐみ)
アユダンテ株式会社 シニアSEMコンサルタント

自動車雑誌のライター、課金コンテンツ制作を経て広告運用の道へ。2015年にアユダンテにJoin。お客様の広告運用やサポートだけでなく、チーム内部のファイナンスを含む業務効率化、職務環境改善にも取り組む。SNS広告の、CV以外の影響を考察することが面白いと感じている今日この頃。得意分野は「求人」「不動産」「総合通販」。趣味は美味しいモノを食べること。

登壇歴:SEM ohenro茶屋 Vol.2 https://shift-web.co.jp/semohenro/

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