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Amazon販売事業者が押さえておきたい「リピート率」「マーケットシェア」「業績」関連の指標まとめ

前回・前々回に続き、Amazon販売事業者が押さえておきたい指標を米投資銀国のレポートから全3回にわたって解説。最終回の今回はリピート率、マーケットシェアなどの指標をまとめて紹介します【第3回】

Digital Commerce 360[転載元]

2023年12月14日 7:00

Amzonマーケットプレイスに出店している事業者が押さえておきたい評価基準を解説します。EC向け投資会社Fortunet Partnersが公表したレポートから、リピート率、マーケットシェア、季節性、コンバージョン率などの指標について掘り下げていきます。

「マーケットシェア」「業績」におけるAmazon販売事業者の指標

Amazonの販売事業者は、広告費などの指標について、どのような評価基準を持てば良いのでしょうか。これについて、Fortunet Partnersが主要な18指標を詳しく調べたレポートを発表。今回はAmazonにおけるマーケットシェアと業績の指標に焦点を当てて解説していきます。

リピート率

利用顧客に占めるリピーターの割合。通常は12か月間で測定されますが、商品によって測定期間は異なります。リピート率が高いほど、その企業が堅実な顧客基盤を構築していることを意味し、安定的かつ継続的な収益を得られる可能性が高いことを示唆します。

リピート率の指標(12か月間の非消耗商品の場合):15%よりも大きければ「高い」、5~10%なら「適正」、2%よりも小さければ「低い」
指標改善に向けたアドバイス:商品の高い品質と顧客に対するアフターサービスを重視しましょう。定期的な需要がある商品は、Amazonの定期購入プログラム「Subscribe and Save」の利用による定期購入促進を検討してみましょう。

商品の星評価

星の数で示される平均評価は、商品の品質と顧客満足度の総合的な指標となります。

星の数が多いと平均評価が高いことを示す
星の数が多いと平均評価が高いことを示す
星評価の指標:4.6よりも大きければ「高い」、4.1~4.3なら「適正」、3.8よりも小さければ「低い」
指標改善に向けたアドバイス顧客からのフィードバックを継続的にチェックし、顧客からの不満に対応しましょう。商品説明は正確かつわかりやすい表記を。Amazonの利用規約を守りながら、商品への満足度が高かった購入者からレビューを募りましょう。

マーケットシェア

ある市場において、類似商品の売り上げに占める自社商品の売り上げの割合。マーケットシェアが高いことは、ブランド力の強さ、顧客ロイヤルティー、競争優位性を示唆します。

マーケットシェアの指標:15%よりも大きければ「高い」、4~8%なら「適正」、2%よりも小さければ「低い」
指標改善に向けたアドバイス:商品を差別化するために自社商品独自の価値を押し出しましょう。さらに、継続的に新商品を投入し、市場での存在感を高めましょう

季節性

季節や、特定の期間における販売パターンや変動。季節性の高いビジネスは一般的にリスクが高いと見なされ、より多くの運用資金が必要になる可能性があります。投資家は、年間を通じて安定した収益を確保できており、祝日などの特定の時期には売り上げがさらに増加するビジネスを好む傾向があります。

季節性の指標(1か月の売上比率):45%よりも大きければ「高い」、20~33%なら「適正」、15%よりも小さければ「低い」
指標改善に向けたアドバイス:季節性を減らすため、商品の多様化を進めましょう。収益性を最大化するために、ピークシーズン中の価格設定とプロモーションを調整しましょう。

コンバージョン率

セッション数に占める注文数の割合。投資家は一般的に、高いコンバージョン率を「重要な利点」と見なし、訪問者一人当たりから得られる収益の高さを想像します。しかし、投資家のなかには、コンバージョン率の低い販売事業者を、成長の伸びしろがあると考える人もいます

コンバージョン率の指標:25%よりも大きければ「高い」、10~15%なら「適正」、5%よりも小さければ「低い」
指標改善に向けたアドバイス:自社商品独自のセールスポイントを強調しましょう。通常よりもより魅力的な商品ページを作成できるAmazonの商品紹介コンテンツ「プレミアムA+」の導入も検討を。消費者のペインポイント(お金を払ってでも解決したい悩みや課題)に焦点を当てていきましょう。

また、リスティングで表示される上位のレビューを監視し、ネガティブなレビューが上位3位に表示された場合は、よりポジティブなレビューが表示されるように努めましょう

ポジティブフィードバック

顧客からの全フィードバックに占めるポジティブなフィードバックの割合。このパーセンテージが高い場合は、商品の品質の高さとカスタマーサービスの良さを示唆します。

ポジティブフィードバックの指標:98%よりも大きければ「高い」、91~95%なら「適正」、85%よりも小さければ「低い」
指標改善に向けたアドバイス:優れたカスタマーサービスをめざし、顧客からの問い合わせには迅速に対応しましょう。注文の確認や出荷の最新情報の配信など、顧客とのコミュニケーションを積極的に行いましょう。

在庫パフォーマンス指数(IPI)

これは、Amazonが1:1000の尺度で算出したもので、4つの要素(販売率、在庫率、過剰在庫、滞留在庫)に基づいています。IPIが高いほど在庫管理が効率的であることを示し、在庫切れや過剰在庫に伴い発生するコストが少なく、魅力的なビジネスであることを示します。

在庫パフォーマンス指数の指標:750よりも大きければ「高い」、500~600なら「適正」、400よりも小さければ「低い」
指標を改善に向けたアドバイス:過去の販売データを分析して需要パターンを特定し、予測を立て、それに応じて在庫を調整しましょう。過剰在庫費用を最小限に抑えつつ、十分な在庫量を維持するために補充計画を最適化してください。在庫を正しく管理し、商品の受注量を確認することで、滞留在庫を最小限に抑えましょう。

この記事は今西由加さんが翻訳。世界最大級のEC専門メディア『Digital Commerce 360』(旧『Internet RETAILER』)の記事をネットショップ担当者フォーラムが、天井秀和さん白川久美さん中島郁さんの協力を得て、日本向けに編集したものです。

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