Digital Commerce 360[転載元] 4/18 8:00

米国のEC専門誌『Digital Commerce 360』が公表したEC市場におけるコンバージョン調査のレポートでは、成果を上げている事業者類型、過去3年間のデータ、コンバージョンアップに影響する要因を分析しています。どのような事業者が上昇傾向にあるのでしょうか。レポートからそれぞれの詳細を解説します。

今日の環境で高いCVRをあげている小売事業者とは?

テクノロジーがどれだけ発展しても人間の本質は変わらないのかもしれませんが、少なくとも2024年現在、消費者が関心を持ち、買い物をするか決める際の選択肢はそれほど多くありません。

小売事業者は、消費者にとって最適な購買チャネルの展開、コンバージョン率(CVR)を引き上げる方法を見極め、顧客1人ひとりにパーソナライズした方法で提供していく必要があります。

米国のEC専門誌『Digital Commerce 360』による最新のEコマースコンバージョンレポートでは、今日のデジタル環境でどのような戦略をとっている小売事業者が最も高い成果を上げているのかを明らかにしています。レポートではさらに、消費者に効果的なコンバージョン戦略の事例や、成功しているEC小売事業者の戦略を紹介しています。

『Digital Commerce 360』はレポートのなかで、次の内容をまとめています。

  • 北米の売上高トップ2000小売事業者における、2023年のオンライン上のCVRデータ
  • 2024年に小売事業者がコンバージョンを高めるために行っている施策
  • 今後コンバージョンレートを高めるために何ができるのか。何が効果的なのか、効果的でないのか
  • 小売事業者の販売類型別および商品カテゴリー別のCVRデータ

ECのコンバージョン率アップのために2024年に小売事業者が採用している戦略

CVRアップに貢献する7つの項目

レポートでは、2024年のコンバージョンレートに影響を与える7つの要因をあげています。

  • 商品価格と送料
  • ブランディング・顧客からの信頼
  • SNSの活用
  • カスタマーサービス
  • モバイル体験
  • 顧客のパーソナライゼーション
  • オムニチャネル

カタログ通販、テレビ通販のCVRが優勢

2023年は物価の高騰が進み、業界全体が効率を重視する傾向が進んだ年。EC小売事業者にとってコンバージョンを伸ばすのは難しい年になりました。

『Digital Commerce 360』のトップ1000にランクインしている小売事業者はこれまで、CVRは平均値を維持していましたが、2023年は低下しました。CVRの平均値は、2021年と2022年は2.8%でしたが、2023年は2.7%に低下しています。

過去数年間のデータから、2024年のオンライン上のCVRの推移を予測できるとすれば、最も優れているのは『Digital Commerce 360』が「ダイレクトマーケター(直販)」と呼んでいる小売事業者です。このグループは、カタログ通販を展開する小売事業者、テレビショッピング番組を通じて商品を販売する小売事業者です。

直販を手がける小売事業者によるCVRの中央値は、2023年に3.7%でした。2021年の4.1%と比べると減少していますが、他の3つのビジネス類型や、上位1000企業全体のCVRの平均値は上回っています

一方、小売チェーンは直近の3年間、CVRの中央値が直販に次いで高い結果となりました。2021年の3.2%から、2023年には2.9%に低下しましたが、それでも全体としてはトップ1000社の平均値(2.7%)を上回っています。

売上高トップ1000企業におけるコンバージョン率(出典:『Digital Commerce 360』発表のレポート)
売上高トップ1000企業におけるコンバージョン率(出典:『Digital Commerce 360』発表のレポート)

この記事は今西由加さんが翻訳。世界最大級のEC専門メディア『Digital Commerce 360』(旧『Internet RETAILER』)の記事をネットショップ担当者フォーラムが、天井秀和さん白川久美さん中島郁さんの協力を得て、日本向けに編集したものです。

この記事が役に立ったらシェア!
これは広告です

ネットショップ担当者フォーラムを応援して支えてくださっている企業さま [各サービス/製品の紹介はこちらから]

[ゴールドスポンサー]
ecbeing.
[スポンサー]