三陽商会、2028年2月期にEC売上高100億円、「セールのプラットフォーム」からの脱却と「プロパーサイト」化をめざす3カ年計画

三陽商会は、2028年2月期を最終年度とする中期経営計画(中計)で、EC売上高を100億円まで伸ばす方針を掲げた。OMO(Online Merges with Offline)の推進やEC専用商材の積極導入で成長をめざす。
M&A戦略ではEC専業アパレルの買収などを検討
三陽商会は長期目標で、10年後となる2035年2月期に売上高1000億円、営業利益率10%達成の目標を掲げている。中計では10年後の目標に向けた3か年計画を立案、2028年2月期には売上高700億円、営業利益50億円を計画する。そのなかで、EC化率は2025年2月期比で0.7ポイント増となる14.3%、売上高にして同18億円増の100億円達成を目標に掲げた。
既存事業の強化として「オーガニックグロース」を図るとし、構造改革施策継続によるKPI改善、商品力の強化、販売力の強化に取り組む。
加えて新たな成長戦略として既存ブランドの事業領域の拡張、新規自社ブランドの開発、海外展開、M&Aを進める。海外展開では越境EC強化もあげ、M&A戦略ではEC専業アパレルの買収などを検討していくという。
ECは専用商材の積極導入とOMOを推進
チャネル戦略としてのECの計画は、「セールのプラットフォーム」からの脱却と「プロパーサイト」化を図っていくという。新たな方針として、EC独自の商品戦略に基づいた独自販売力の強化をめざす。
そのために、EC専用商材の積極導入を推進する。2025年3月には立ち上げたEC専用ブランド「BIANCA」もその一環。実店舗との連動体制に基づくOMO推進でブランド全体を底上げする。高単価の高品位・高品質・高付加価値商品はECのみでは購買が完結しにくいとし、実店舗との相互補完体制を確立させていくという。
そのほかチャネル戦略について、百貨店は主販路として出店を強化、直営店・EC・アウトレットといった販路の成長を図り、百貨店比率を低減させる。直営店、アウトレットも出店強化の方針を示した。
2025年2月期のEC売上高は1%増の約82億円
三陽商会の2025年2月期における売上高は前期比8.3%減の605億3000万円、営業利益は同3.3%減の27億2000万円、経常利益は同3.6%減の28億3000万円、当期純利益は同12.2%増の40億1000万円。EC売上高は同1%増の82億500万円、EC化率は同0.4ポイント増の13.6%だった。