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アプリは小売店の売上UPに役立つのか? ウォルマート、ノードストロームら米国事例3選

ディックス、ウォルマート、ノードストロームの自社アプリ内に搭載している「店内モード」など、アプリを運用する理由などを解説

Digital Commerce 360

2016年9月15日 7:00

「モバイル トップ500社 2017」(インターネットリテイラー社発行)にランクインしている小売業社は、自社のアプリに店内モード(近くのお店を認識してそのお店専用のページにしてくれるモード)や位置情報測定の機能を追加しています。

その機能を導入している理由は、アプリが消費者が商品を購入をするためのツール以上の役割を果たしているからです。

実店舗と並行してECも展開している企業にとって、アプリは有効なデジタルツールになります。「モバイル トップ500社 2017」にランクインした企業のうち、275社がiPhone用アプリを、245社がアンドロイド用アプリを運用しています。

自社アプリを持つ企業のうち84社が、店内で使用できる機能をアプリに搭載。その数は、2016年の72社から増加しています。

①ディックス・スポーティング・グッズ社の例

たとえば、ディックス・スポーティング・グッズ社「モバイル トップ500社 2017」で122位にランクイン)のカスタマー革新技術部副社長・ラフェ・マスード氏によると、すでに2年前から店内モードをアプリに追加し、常に改善をしているそうです。ラフェ・マスード氏はこう言います。

ディックス・スポーティング・グッズ社のアプリは、サービスと利便性を高めることにより、カスタマーエクスペリエンスの向上を図っています。店内モードを使うと、お客さまはすぐにスコアカード(ディックスのカスタマーカード)にアクセスできます。また、毎週開催する特売や店舗のイベント店内サービスを確認することができると同時に、一部の店舗では店内マップも表示されます。

ディックス社の店舗は、ジオフェンス化(特定範囲の仮想境界線)されているか、もしくはデジタル情報を保有しています。そのため、消費者がアプリを起動して位置情報を認識することができれば、その人が店内にいるかどうか確認できるようになっています。

消費者が店内に足を踏み入れると、アプリが自動的に店内モードに切り替わり、店内マップなどの機能が簡単に使えるようになります。

②ウォルマートの例

ウォルマート(「モバイル トップ500社 2017」内13位)など、他の小売業社も店内モードを使い始めています。ウォルマートのアプリも、消費者が店内に入ると自動的に店内モードに切り替わります。位置情報をアプリに利用している企業は2015年の104社から、2016年は120社に増えています。

ウォルマートサービス(ウォルマートのデジタル事業などを手がける事業会社)の上級副社長・ダニエル・エッカート氏によると、ウォルマートのアプリには、支払い方法の選択機能、消費者が探している商品がどこの棚に配置されているか知らせる商品検索機能商品価格やオンラインでの購入が可能かどうかを調べるためのバーコードスキャン機能も入っているそうです。

③ノードストロームの例

アプリは小売店の売上UPに役立つのか? ウォルマート、ノードストローム、ディックス・スポーティング・グッズ社の米国事例3選
ノードストロームのアプリ(画像は編集部がキャプチャして追加)

ノードストローム(「モバイル トップ500社 2017」内56位)の広報担当の説明によると、店内プロモーションの為にアプリを利用しているそうです。

ノードストロームの広報は次のように説明しています。

アプリ内で最も人気が高いのは、店舗とオンラインをつないでくれる機能です。アンドロイドのアプリを使うと、商品のタグをスキャンすれば、オンラインと店舗での在庫状況がわかります。また、別のサイズがオンラインもしくは近くの店舗に置いてあるのか、すぐにわかるのです。

「モバイル トップ500社 2017」内で人気の高かったアプリ機能は、ワンクリックかツークリックで買い物が終了できる機能です。2015年、この機能を使っていた小売業社は127社でしたが、現在は142社まで増えています。「モバイル トップ500社 2017」内の51社が、スピーディな決済機能としてApple Pay(アップルペイ)のボタンも入れています。

この記事は今西由加さんが翻訳。世界最大級のEC専門メディア『Digital Commerce 360』(旧『Internet RETAILER』)の記事をネットショップ担当者フォーラムが、天井秀和さん白川久美さん中島郁さんの協力を得て、日本向けに編集したものです。

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