Digital Commerce 360 2016/12/27 10:00

シンクタンクのPew Researchが発表したECに関する研究結果によると、アメリカ人の半数以上が携帯電話を使って買い物をしているそうです。

ここ10年足らずの間に、消費者がECで買い物をする頻度のほか、買い物方法も様変わりしています。

アメリカ人のEC利用率

Pew Researchの研究結果「オンラインショッピングとEC」によると、アメリカ人の成人の内、79%がECを利用その内の51%が携帯電話で商品を購入しています。また15%がソーシャルメディア上のURLを通じて商品を購入していることがわかりました。

Pew Researchは2000年から同様の研究を続けています。2000年当時、EC利用者はたった22%。2007年の調査結果でも、その割合は49%にとどまっていました。Pew Researchの副署長アーロン・スミス氏はこう語ります。

直近10年の購入方法の多様化には目を見張るものがあります。10年前、携帯電話で何かを購入することなどありませんでしたが、いまでは半数以上の人が携帯で購入しているのです。

また、フェイスブックユーザーのほとんどが学生であり、小売業者にとって重要なマーケティングチャンネルになっていなかった2007年当時(編集部追記:前回調査の時期)と現在では、ソーシャルメディアの概念も大きく異なっていると指摘します。

研究結果のレポートで使用されているデータは、Pew Researchが無作為抽出した18歳以上の家族と同居しているアメリカ人4787名を対象に調査を実施。2015年11月24日から12月21日まで行われたウェブおよび郵送でのアンケート調査から得ています。

[最新の米国EC事情] アメリカ人はECをどう使う? 約5000人が答えた消費者インサイト
表はネットショッピングを楽しむ米国人の割合。出典はPew Research Centerの研究結果「オンラインショッピングとEC」(画像は編集部がInternetRetailerの記事からキャプチャ)

ECの利用頻度

アメリカ人のほとんどがECを利用しますが、利用頻度はそれほど高くありませんアンケート回答者のうち15%は週1回のペースでECを利用28%は月に数回37%は月に数回以下。20%は1度もECを利用したことがないと答えました。

実店舗への親近感

一方、アメリカ人の多くは、いまだに実店舗に親近感を持っているようです。EC利用者の65%は「選択できるのであればECよりも実店舗で購入したい」と回答。実店舗よりもECで購入したいという意向を持っているユーザーは34%でした。

商品購入の意思決定プロセス(価格)

最終的に、どの店舗で購入するかを決めるのは価格のようです。回答者の65%が、購入時にはネットで価格を比較し、最も安いECサイトで購入すると回答。21%はネットでの価格比較を行わずに実店舗で購入し、14%は実店舗の価格を確認しないでECで購入すると答えました。

商品購入の意思決定プロセス(商品レビュー)

価格に加えて、ECでとても重要なのは商品レビューのようです。82%の回答者は最初に商品を購入する際、商品レビューを時々読むと回答。40%はほぼ常にレビューをチェックすると答えています。さらに、55%の回答者が、レビュー動画を確認しています(レビュー動画の定義は調査内にはありませんでした)。

レビューをチェックすると答えた回答者の54%は、購入を決める際に否定的なレビューに注目すると答えた一方で、43%は非常に好意的なレビューに着目すると回答。消費者はレビューや採点に対して懐疑的になりがちですが、51%の回答者は、実際の商品の品質を知るのに役立つと答えています。「ネットでのレビューが信頼に値するかわからないことがある」と回答したのは48%でした。

モバイル端末の利用

モバイル端末に関しては、45%のアメリカ人が実店舗の中で、レビューや商品情報を調べるために携帯電話を使っていると答えました。うち、59%は購買に関しての相談で電話やメールを送っていることが判明。45%はレビューや商品情報を検索、同じく45%はより安い価格を調べ、12%は店舗のレジで携帯電話を使って支払いをしています。

まとめ

小売業者にとって重要なポイントは、消費者は購入を決める際に全ての要素を検討しており、(ECでの購入に関して)期待値が非常に高くなっているということです。質問をして回答を得る、実際に試してみる、レビューを読むなど、ありとあらゆることをしていますが、ECで購入する便利さには魅力を感じています。

Pew Researchの副署長のスミス氏はこうまとめています。

また同氏は、消費者が驚くほど価格に敏感であると同時に、商品購買における消費者の期待値が高くなるにつれて、実店舗でもECでも、消費者ニーズに応えるのが困難になるだろうと指摘しています。

研究結果で示された他のデータは以下のとおりです

  • 初めて商品を購入する際、86%が価格の比較を重要だと考え、84%が購入を検討している商品に関して質問をしたいと考えている
  • 39%がソーシャルメディアで自身の購入体験や感想をシェアしている
  • 45%が商品レビューに対して、企業は消費者に説明責任があると考えている
  • 24%は週に1度も現金を使わないで買い物をし、39%は現金を持っていなくても心配しないと回答

この記事は今西由加さんが翻訳。世界最大級のEC専門メディア『Digital Commerce 360』(旧『Internet RETAILER』)の記事をネットショップ担当者フォーラムが、天井秀和さん白川久美さん中島郁さんの協力を得て、日本向けに編集したものです。

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