越境ECで成功するための課題とは? 海外向けECの売上比率1%未満が6割超の今
越境ECの課題は「決済システムの信頼性」「商品配送にかかるリスク」
国内企業が抱える越境ECの課題は「決済システムの信頼性」「商品配送にかかるリスク」――。
経済産業省が6月27日に公表した『通商白書2017』で越境ECに対する国内企業の課題感や海外販売比率の実態などが示された。
▼『通商白書2017』についてはこちらをクリック(経済産業省のHPにジャンプします)
越境ECに関する課題を選択式・複数回答で質問したところ、「決済システムの信頼性」と「商品配送にかかるリスク(破損、正確性)」がそれぞれ約25%で上位にあがった。
「必要な人員の不足」「現地語への対応」「制度や規制に関する情報不足」「物流コストが高い」「通関手続きの煩雑さ」などを選んだ企業も多い。回答企業は2995社。
輸出手続の負担やクレジットカードの不正利用などに対する企業の懸念が強いことについて、白書では「越境eコマースをうまく利用して中小企業による海外市場へのアクセスを拡大するためには、こうした課題に対応していくことが必要」と指摘している。
越境ECのメリットや海外販売比率は?
国内企業が越境ECに関してメリットを感じる項目は、「海外特有の市場・ニーズの開拓」「初期導入コストの低さ」「運用・管理コストの低減」などが上位にあがった。
越境ECに取り組んでいる企業のうち、EC売上高に占める海外販売比率が1割以下にとどまる企業は全体の約80%を占めている。海外比率が「1%未満」の企業が約70%に達するなど、海外比率が低い企業が大半を占めている実態が示された。
世界の越境EC市場規模についても記載。グローバルでの越境EC規模は2017年に5000億ドルを超え、2020年に約1兆ドルに達するとの推計値を掲載。
日本国内から海外への販売においてECを使用したことがある企業の割合は、大企業が約5.5%、中小企業は約8%と紹介している。
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