森野 誠之[執筆] 2023/6/6 8:00

2023年版の国内ECサイト・ネットショップの総稼働店舗数が発表されました。コロナで出店した企業の撤退などもありますので、落ち着いてくるのは2024年でしょうか。

運営企業の業績も見ながら出店の判断を

【2023年最新版】国内のECサイト・ネットショップの総稼働店舗数 | eコマースコンバージョンラボ
https://ecclab.empowershop.co.jp/archives/80408

国内のモール店舗数 調査データ Yahoo!ショッピング Amazon 楽天市場
画像は「eコマースコンバージョンラボ」のサイトからキャプチャ

モール店舗数合計は161万5,607店舗となった。Yahoo!ショッピングは74.3%、Amazon Japanは18.6%、楽天市場が3.5%を占め、この上位3モールでモール全体の96.4%を独占していることになる。

国内モールの出店数のデータが出てきました。「Yahoo!」「Amazon」「楽天市場」がほとんどを占めている状況。「Qoo10」はこの1年で42.7%増と大幅に伸びています。若い女性向けには「Qoo10」というイメージになっているので、このジャンルの人は出店が必須でしょう。

企業の数であるため、複数出店を考慮し実際の店舗数は2倍程度にのぼるものと想定。そのためeccLabでは、2022年11月時点の店舗数を30万店舗と推測する。eccLabでは2021年7月時点の店舗数を40万3,448店舗と推測しており、記載上は1年4ヶ月で25.6%減少したことになるが、断片的な情報を組み合わせた推測値との比較である点は留意しておきたい。

「Amazon」に関しては推測データであることに注意。はっきりしたことはわかりませんが、店舗数は減っているようです。物流網は強化しているものの、売り上げの伸びも鈍化してきているので、今後どのような手を打ってくるのかは注目です。

カート店舗数 調査データ カラーミーショップ CS-CART Shopify
画像は「eコマースコンバージョンラボ」のサイトからキャプチャ

ショッピングカートの導入店舗数合計は17万6,360店舗となった。シェア率はカラーミーショップが22.7%、CS-CARTが17.0%、Shopifyが15.3%で、この上位3サービスでショッピングカート導入店舗数全体の54.9%を占めている。

「カラーミーショップ」はプラン変更などで数を減らしたものの1位。3位の「Shopify」は1年4か月で65.6%増加と急成長中です。コロナの時期に出店したもののうまくいかずに撤退したり、カート会社も利用者の質にシフトしたりしています。しばらくはこの動きが続きそうですね。

インスタントECの店舗数合計は270万店舗となった。STORESが実店舗向けのサービスに軸足を移しつつあることもあり、このジャンルはほぼBASEの独り勝ちの様相を呈してきている。

ECパッケージの店舗数合計は5万3,074店舗となった。このカテゴリは、オープンソースのEC-CUBEが72.5%のシェアとなっており、次いでAladdin ECの8.0%、ecbeingの2.3%となっている。

インスタントECとパッケージは引用文の通りです。インスタントECは開店休業状態の店舗も多いと思いますが、ここまで広がったのでECのすそ野を広げたと言えそうです。

モールにしろカートにしろ運営会社の業績が良くないと継続しませんし、機能追加なども進みません。出店を考える場合、使い勝手や費用だけではなくて業績も見ておきましょう。

今週の要チェック記事

ECサイトにおける商品の探し方「キーワード検索」が約7割。タグ検索では「商品カテゴリ」がトップ | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/10997

サイト内検索が進化しているのもありますね。運営側はキーワードのチェックを忘れずに。

【越境EC利用&訪日意向調査に関するアンケート】約8割が日本に訪問後も越境ECを利用したいと回答 商品購入の際は「SNS」を参考に 日本観光の情報源は「YouTubeなどの動画」 | コマースピック
https://www.commercepick.com/archives/35720

8割が「訪問後も越境ECを利用したい」というデータ。最初の接点で覚えてもらうことが大事ですね。

商品購入に直結するデジタルマーケティングは何? 上位を占めたのはEメールとSNS【消費者1000人調査まとめ】 | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/11005

アメリカの調査ですがメールがきっかけで買うユーザーが多いですね。なんだかんだで届くのはメール。

ショップのお客さまにメールマガジンが送れるようになりました | メルカリShopsマガジン
https://shops.mercari.com/magazine/posts/40062

前述のデータに関連して。「メルカリShops」でもメールを送ることができるようになりました。

無印良品、まだ着られる服を販売する「洗いなおした服」の販売店舗を拡大 | ST
https://shopping-tribe.com/news/58970/

6/12からは「染めなおした服」も販売するとのこと。私も藍で染め直したTシャツを着ています。

「EC運用力」が身につく10のポイントとは? 発売日のスケジューリング、商品の縦・横展開、ページのABテストなどは押さえるべし! | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/10900

ECは決まったことを各自に実行することで安定します。アイデアはその先に。

クイックコマース、相次ぐ撤退 OniGOは急成長、提携戦略が最適解か? | 日本ネット経済新聞
https://netkeizai.com/articles/detail/8913

ニーズ自体はあるので、力のある数社に絞られていきそうですね。

「送料無料」表示見直しへ 再配達率半減、法整備も | 共同通信
https://nordot.app/1036976665631245034?c=113147194022725109

今週に詳細が出てくると思いますので速報的に。

今週の名言

エスカレーターではなく、つい階段をのぼってしまう。消費者が行動したくなる「仕掛け」がマーケティングに使える【大阪大学大学院 松村真宏 教授】 | Agenda note
https://agenda-note.com/retail/detail/id=5501&pno=0

「もので釣る」のは、麻薬と一緒で危険です。金品ではなく体験的な喜びや名誉、楽しい、嬉しいという感情に働きかけると反動が起きにくいのです。そこを「どのようにコントロールするかが大事」

もので釣ると売れてしまいます。でも、それを続けないと売れなくなってしまいますし、どんどんお得にしないといけませんので、どこかで破綻します。感情に訴えかけるような売り方を考えましょう。

筆者出版情報

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森野誠之 著
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