売れる理由を一番知っているのはお客さま、CVR評価時の注意点、情報管理の徹底――「EC事業の内製化」をめざすために必要なことを振り返り!
「EC事業を内製化する」――それは必ずしも、「Webサイトやコンテンツの制作スキルを身につける」「リスティング広告の運用を自社内で行う」「自社サイトのシステム改修をECチーム内で解決する」ことを意味しません。ECに関係する専門的な領域は、すでにいち担当者の努力でどうにかなる時代ではなくなっています。
EC事業の内製化を目標に、ECマーケティングに関係するテーマを設定、その判断をするための「考え方」を伝えていきます。今回は2024年に学んだ11回のテーマについておさらいします。
ここをクリックで連載の目次を表示
- 連載第1回~5回はこちら
- 「生の声」「問い合わせ」の情報を蓄積して、ユーザーへの提案の「解像度」を上げることが大切!
- 「なぜ売れたのか」疑問を持とう! ユーザーの目的からニーズを探るためには「情報管理」が重要になる
- 売れる理由を一番知っているのは誰? それは「お客さま」! ユーザーの声+客観的なデータから売るチャンスを創出しよう
- 再現性が高く「投資効果」が読みやすいネット広告戦略のポイントは? 広告代理店に依頼する時の注意点も解説
- ネット広告で獲得したいのは新規顧客ではない! “リピート顧客になり得る見込み客”だ! 「逆算のマーケティング」で効率的・効果的な広告戦略を実現しよう
- ECは「比較のビジネス」である。競合との「比較管理」で選ばれる理由、勝てるポイントを見つけよう
ECのマーケティングは「ヒト・モノ・カネ・情報といった自社のリソース」と「外部のマーケティングソリューション」を組み合わせて、「結果として売り上げと利益を最大限に伸ばす」ことが求められます。
つまり「EC事業の内製化」とは「業務の内製化」ではなく、「判断の内製化」なのです。ECの戦略・方針、日々のアクション・行動、そしてソリューションの選択が成果につながっているか、これだけは社内のネットショップ担当者でなければ判断ができません。
「強いEC会社を支えるネットショップ担当者を作る人財育成講座」では、ECマーケティング人財育成(ECMJ)が、こうした判断を行えるEC担当者育成に向けたポイントを解説します。
2024年に学んだ「EC事業の内製化」について振り返ろう!
石田さん、こんにちは! 明けましておめでとうございます!
ネッタヌさま、明けましておめでとうございます。2025年もどうぞよろしくお願いします(ペコリ)
え、いきなり丁寧すぎる。石田さん、どうしたんだろう??
ネッタヌさまは2025年の干支ですので、謹んでお話させていただきます(ペコリ)
いや、石田さん、2025年の干支は「巳」ですよ!
あ、間違えた! てっきり「狸」かと思ってたわ!
(絶対、わざと間違えたでしょ!)
さて、ネッタヌ君。ネッタヌ君との「EC事業の内製化」をテーマにした連載も1年が経ったんだよ。2024年の1月15日スタートだから、ちょうど1年。
もう1年経ったんですか!? どの話も内容が濃かったし、年末年始のお休みも長かったから、ネッタヌ、忘れちゃいましたよ。
(なんか言い訳している気がするな)。じゃあ、今回は2025年最初の連載ということで、この1年のテーマを振り返ってみよう!
石田さんが各回のポイントをまとめた「理解度チェック」の資料を作ってくれたので、ぜひお問い合わせくださいね。
11回の重要なポイントとは?
第1回の連載では、「EC事業の内製化」をめざすにあたって、EC事業を行う経営者やEC担当者が「ECのマーケティングが『腹落ち』していることが大切だ」という話をした。
社内のEC事業に関わる皆さんに「共通言語」がないと、「EC事業の内製化」は上手く進まないってことですよね。
その通り。だからこそ、ECのマーケティングを判断するための「考え方」をメンバーが理解することが大切なんだよね。まずは「売り上げが伸びる状態」として、2つの状態を紹介したね。
「新しいお客さまが増える」と「既存のお客さまがもっと購入してくれる」だった!
第2回:客単価=顧客層を理解する
第2回のテーマは「売上の公式の『真実』」。とくに「客単価」の考え方について紹介したんだよね。
石田さんが、いきなり「真実」なんて言葉を出すから怖かったぁ。でも、「客単価を2倍にして、売り上げを2倍にする」って考え方が簡単には成り立たない理由はわかりやすかった。
私がネットショップ運営者をしていたときの具体的な事例を紹介したね。客単価というのは「=顧客層」だから、客単価を倍にするためには、倍の単価を支払うお客さまを探さなきゃいけないんだよね。
第3回:「CVRが高い=良いネットショップ」ではない
第3回のテーマは、コンバージョン率(CVR)でしたね。ネッタヌは、ずっとコンバージョン率が高いネットショップほど良いネットショップだと思っていたから、目からウロコでした。
コンバージョン率はあくまで「割り算」で計算されるものだから、分母と分子の関係で上下に大きく動くんだよね。だから判断に注意が必要だ。同じように直帰率あたりも「低ければ低いほど良い」というものではない。えてして、大規模なサイトほど直帰率は高くなる。
サイトのセッションに一見さんの割合が高くなるからですね!
第4回:自社ECサイトに「興味がありそうな」ユーザーを集める
第4回から「集客」のテーマに入っていったよね。ただし、闇雲にセッションを集めるのではなく、できるだけ自社のECサイトに「興味がありそうな」お客さまを集める必要がある。
石田さん、「エンゲージメント」っていう言葉を使っていましたよね。
そう。ネットショップの数が飽和状態、そしてこの多様性の時代に、マスに向かって集客を当てるのは中小企業にとって負担が大きすぎる。できる限りエンゲージメントの高い「可能性がある」お客さまに絞ってアプローチした方が良いよね。
第5回:集客戦略で大切なことは「自社を知る」
第5回は「集客戦略の設計について」でしたよね。これはよく覚えています。新規集客って、ネットショップの運営における永遠の課題ですもんねぇ。
うんうん。ネットショップ担当者フォーラムの編集長からも、「新規集客の話は絶対に書いてください」って言われていたからね。ここを外さずにECのマーケティングについては語れない。
「EC事業の内製化」をめざすためにも、ですよね。どうしても外注さんに頼りがちなところですから。
大切なのは「自社のことを知る」ことなんだよね。具体的には「なぜお客さまがこのネットショップを知ってくれたのか」「なぜお客さまがこのネットショップを選んでくれたのか」。この2つの情報をまずは徹底的に集めることだね。多くの会社の場合、これらの情報を集める「仕組み」から構築することが必要だと思う。
第6回:ユーザーの生の声をどう自社の集客に生かすか
第6回は「集めた情報をどうやって自社の集客に生かしていくか」、という話だったと記憶しています。石田さんは「選択動機」なんて言葉を使われていましたよね。
情報を生かすためには、自分たちが行ってきたアプローチ(実践策)とその成果(の一部が情報)を整理するとわかりやすい。自分たちがそこまで頑張っていないのに、お客さまが「選択動機」としてあげてくれることが、本当は強化すべきところかもしれないんだよね。
お客さまの生の声から「利用目的」や「用途」「課題解決」を探していく、というのも重要なポイントですよね。
お客さまがネットショップで商品を買うのは必ず何かの「理由」があるからね。この「理由」をおさえたい。そうすれば次のマーケティングの仮説の「解像度」が上がると思うよ。
第7回:情報管理を徹底する
第7回もよく覚えています! 石田さんの実体験から「情報管理」の大切さを学んだ気がします。
後発の中小EC事業者がのし上がっていくためには、基本的に「情報管理」を徹底するしかないんだよ。過去と現在は、先行者のEC事業者だったり、大手のEC事業者だったりには当然負けている。「未来」にいち早くキャッチアップすることで、「明日の勝ち」を取りにいかなきゃいけないんだ。
その「未来」の匂いこそ、「情報管理」のなかに埋まっているってことですね。
嗅ぎ分けるのは大変だけど、嗅いで嗅いで「未来」を見つけるしかない!
第8回:「売れた理由」「アクセスした理由」はユーザーが一番知っている
第8回も、石田さんの実体験からのお話だったんですよね。
引き続き、テーマは「情報管理」だったよね。第8回のケースでは、お客さまが「なぜキャラクターグッズが売れているのか」を教えてくれた。そこからグッズの単独生産や、他商品への横展開に広げていった話だったね。
たしかに当たり前ですけれど、「売れた理由」や「アクセスした理由」は、購入した・アクセスした人自身(=お客さま)が一番知っているんですよね。
「情報管理」全般に言えることだけど、ネットショップのマーケティングは最重要である「商品企画」「集客」含め、お客さまから教えてもらえることがすごく多いんだよ。お客さまの言葉に疑問を持つ習慣をつけないとだね。
第9回:ネットショップは「広告戦略」が必要になる
第9回はなんだっけ~?? つい最近のテーマだけれど、忘れちゃいました。
第9回は「広告戦略」の話をしたんだよね。広告戦略は運用改善を繰り返すことができ、コストで成果を予測しやすい再現性の高い施策なんだよね。だからEC事業の拡大を狙うならば、最終的にはどのネットショップも広告戦略が必要になる。
広告代理店さんが知り得ない自社の情報をきちんと提供することも大切なんですよね!
第10回:結果からさかのぼってアプローチ法を決める「逆算のマーケティング」
第10回も同じく広告戦略がテーマなんだけれど、ECのマーケティングの特徴でもある「逆算のマーケティング」を軸に話を進めたね。
新規顧客を獲得するのではなくて、「リピート顧客」を獲得するってところですよね!
そうそう。「リピート顧客」を獲得するには、すでにリピートしているお客さまの傾向を分析するのが得策。結果からさかのぼって集客アプローチを決める方法こそ、「逆算のマーケティング」だよね。
第4回の「集客」のコラムでもキーワードで出た、「エンゲージメント」とも近しいところがありますね。
第11回:ユーザーは買い物時にさまざまなショップを比較する
そして前回が第11回。テーマは「比較」だったね。
これはすごくわかりやすかった。ネッタヌもネットショッピングするとき、いろいろなショップを比較しまくるもん(笑)
いち消費者としては完全にそうなんだけれど、事業者側になると「うちの商品は良い商品なんだから、絶対に売れるはずだ!!」になっちゃうんだよね。冷静に「自社の勝ちポイントはどこなのか」を考えていきたいよね。
次回のテーマは「EC事業に本気で取り組む価値」について
石田さん、2024年の全11回の振り返りが終わりました~。
ハァハァ……一気に話したから疲れた……。今回のために各回のポイントをまとめた「理解度チェック」の資料を作成したので、ぜひページ下部のリンク先からお問い合わせいただければうれしいです。頑張ったので、ぜひ(バタッ!)
石田さ~~~ん、石田さぁぁぁん、大丈夫ですかぁぁ~。次回のテーマはどうしましょうか?
(ネッタヌよ、こんなときに……)EC事業に「本気で取り組む価値」について、話そうと思う……。
2025年もよろしくお願いします!!
ECマーケティング人財育成は「EC事業の内製化」を支援するコンサルティング会社です。ECMJコンサルタントが社内のECチームに伴走し、EC事業を進めながらEC運営ノウハウをインプットしていきます。詳しくはECMJのホームページをご覧ください。
この連載の理解度チェックを行えるホワイトペーパーを無料で配布しています。「EC事業の内製化」をめざすためにお役立て下さい!
>>お問い合わせはこちら
UdemyでECマーケティング動画を配信中です。こちらもあわせてご覧下さい。