コンテンツマーケなどの集客、購買データ分析通じた顧客の基盤作が必要になる時代/アラタナ
ECサイト構築支援などを手がけるアラタナは5月28日付で、スタートトゥデイの完全子会社になることが発表された。大手EC企業からも注目を集めているアラタナのEC支援サービス。そんなアラタナが考える今後の成長に必要なこととは? 山本稔取締役副社長が語った。
ネットショップは顧客を理解し、顧客のニーズに沿う思考を追及を
――2015年のEC市場は前年(2014年)と比べてどのような環境になると考えていますか?
2014年はインターネットで買う人の数よりも、インターネットで商品を販売するお店が増え、儲けるショップとそうでないショップの差が開くようになりました。そしてこの傾向は2015年も続くと考えています。
販売するお店が買い物をする人よりも増えれば、単純に分け前は減りますので、儲けるのが難しくなります。「ネットショップに参入するのは難しい」という認識が当たり前になるまでは、この傾向は続くと思います。
いま大切なことは、「この厳しい環境でも振り落とされないようにする」ことです。
ちなみに、ネットショップの将来はこの数年が勝負になっていることを理解しているからこそ、事業会社によるECサイト事業者の買収が激しくなっているのではないでしょうか。
――今後、成長を持続していくためにはどんなことが必要だと考えますか?
ネットショップを成長させるために、施策のボリュームを増やし続けるという選択をしないことをお薦めします。足し算ではなく、掛け算が可能な施策に注力し、積み上げていきましょう。
コンテンツマーケティングに代表される、有益なコンテンツを作り続ける施策は、積立貯金のような集客基盤を得ることができます。
RFM分析に代表される購買データの分析などを活用したリピート率の高い顧客基盤作りなども、積み上げることができる施策です。
そして、忘れてはならないことが顧客を理解して、顧客のニーズに沿うということです。時代の変化は常に起こっています。
たとえば、いままではPCの前で椅子に座って見ていたECサイトが、電車の移動途中でさくっと見るようになりました。
顧客が貴社のネットショップを見ている状況をイメージして、顧客がいま知りたい情報のニーズに沿うことは、いまも昔もこれからも変わることはありません。細かな各論を理解するより、顧客を理解し、顧客のニーズに沿う思考を追及するのはいかがでしょうか。
――2015年、貴社ではどのようなことに取り組みますか?
ネットショップを「作る」ことの価値はどんどん下がり、「いかに売り上げを伸ばすか」ということへのシフトがさらに急速に進むと考えています。
アラタナは、お客さまのニーズに応え、ネットショップを取り巻く環境の変化に対し、柔軟に対応しながらマーケティングの支援にも力を入れています。
2014年9月にローンチした「ECコンサル」というサービスがその主たるところです。5000以上のネットショップの支援をしてきたアラタナだからこそできるサービスとして好評です。
既に大幅な売上アップに成功したお客さまも多いです。2015年は昨年以上に、このサービスに注力していこうと考えています。