アプリコマースの成功には何が重要か? ターゲットや認知度に応じたメディアの活用です
今回は、メディアやテクノロジーの進化により、オンラインオフライン含め、ユーザーを性別/年代別に、どのようなメディアに接触しているのか、その接触時間等の傾向と、アプリにおけるプロモーションの基本概念をご紹介します。
若年層へのリーチは、男女ともにスマホをメインに
博報堂DYメディアパートナーズのメディア環境研究所がまとめた資料(年齢・性別メディア接触時間-1)を見ると、若年層(10代~20代)は、他の年齢層よりもメディア接触時間が長いことがわかります。また、男性は女性よりもメディア接触時間が長い事が伺えます。
さらに、資料(年齢・性別メディア接触時間-2)では、以下のような面白い傾向がわかります。
- 男女ともに10代、20代においては、タブレット端末+携帯・スマホでの接触時間は、テレビの接触時間を超えている。タブレット端末+携帯・スマホの構成比率は、おおよそ38-49%となる。
- 男女間の携帯・スマホの時間は10代女性が一番長い。(LINEなどのコミュニケーションツールと推測)
- パソコンの利用時間は、全体的に男性の方が長い(仕事での利用と推測)
- テレビ視聴時間は男女共に20代がもっとも短い。男女とも歳を重ねると、テレビ・ラジオ・新聞・雑誌などのオフラインメディアの利用割合が増え、新メディア(パソコン、タブレット、携帯)の利用時間が減っていく。
20代男性に絞り込んだ資料(年齢・性別メディア接触時間-3)を見ると、時系列での各メディア接触時間の変遷が一目瞭然です。2008年と比較すると、テレビやPCなど、タブレット、携帯・スマホ以外のメディアはすべて減少傾向。一方で、タブレットと携帯・スマホは約7倍に伸張しています。
これらから、新しいテクノロジーやメディア(特に携帯・スマホ)が出てきたことにより、次のような3つの項目に分類できるようになります。
- それを幼少期から知っていた年代
- 仕事・家庭で活用しなくてはいけない年代
- 利用すると便利だけども、特に習慣を変える必要がない年代
よって、自社のサービスのターゲット設定(既存の顧客は誰か? 新規で獲得しなくてはいけない顧客は誰か? など)や、コミュニケーションプランの設計が非常に重要となってきます。
また、新しいテクノロジーが市場に投入されることで、5~6年で劇的な変化が生まれるので、常に新しい情報をキャッチアップして行く必要もあるでしょう。
イノベータ理論のセグメントから自社のユーザーを調べてみよう
ご存知の方も多いイノベータ理論ですが、これは、消費者の商品購入に対する態度から、ユーザーを5つのタイプに分類しており、アプリのマーケティングにおいても同様です。それぞれの特徴と5分類のユーザータイプを簡単にまとめてみました。
- イノベータ
行動:アプリストアで検索/ダウンロード
タイプ:冒険心にあふれ、新しいものを進んで採用する人。 - アーリーアダプター(一番重要です)
行動: アプリストアで検索/ダウンロード、TVCMを見て気になり検索/ダウンロード
タイプ:流行に敏感で、情報収集を自ら行い、判断する人。 - アーリーマジョリティ
行動:TVCMを見て気になり検索/ダウンロード、友人知人が使っているから検索/ダウンロード
タイプ:比較的慎重派な人。平均より早くに新しいものを取り入れる。 - レイトマジョリティ
行動:友人知人が使っているから検索/ダウンロード
タイプ:懐疑的であり、周囲の大多数を見て、同じ選択をする。 - ラガード
行動:みんなが使っているから検索/ダウンロード(それでも、採用しない場合もある)
タイプ:最も保守的な伝統主義者。世の中の動きに関心が薄く、流行が一般化するまで採用しない。
最初のGrowthフェーズではイノベーターやアーリーアダプターを獲得する必要があります。ここはオンラインマーケティングのみで完結することが可能でしょう。
Spreadフェーズに関しては、一番構成比率の高いアーリーマジョリティ層を獲得するため、もしくはレイトマジョリティ/ラガードを獲得する為ためリーチ最大化施策として、テレビCMやオフライン施策展開を行う必要があります。
Monetizeフェーズに関しては、プロダクトKPIを定点観測し、ターゲット拡張やリテンション施策などを含むプロモーション最適化で、コスト管理抑制も合わせて売り上げや利益を最大化することとなります。
年代や性別のセグメントでも、イノベータ理論によるセグメントでも、行動や習慣が異なるので、露出するメディアや潜在ユーザーを醸成していくのか、顕在ユーザーを獲得するのか、そのメッセージ開発やみんなが使ってるという世界観をどのように醸成していくかなど、多様な要素を元にコミュニケーション施策の設計をする必要があります。
まずは、自社のサービスのユーザーがどのタイプに属しているのか? 今後どのようなユーザーを獲得していくのか? を分析し、ターゲット分析から始めてみることが重要となります。