本紙姉妹誌「月刊ネット販売」の調査結果によると、2014年度のネット販売実施企業上位300社の合計売上高は2兆9380億円となった。前年度の2兆6662億円から10.2%規模を拡大した。依然、アマゾンジャパンが2位以下を大きく引き離してトップ。アマゾン以外の総合通販企業では売り上げが横ばいや減収となる企業も見られる。分野別では、概ね例年どおりの顔ぶれとなっている。(9月25日発売の「月刊ネット販売」10月号「第15回ネット販売白書」に300社の売上高ランキング表と商材別の市場解説を掲載

【2016年最新版】ヨドバシカメラが1000億円に迫るなど、ネット通販企業が躍進【通販売上TOP300調査】

前年比10%増、アマゾンがトップ

「月刊ネット販売」の売上高調査によると、14年度のネット販売(BtoCの物販)実施企業主要300社の合計売上額は前年比10.2%増の2兆9380億円だった(表は上位30位までを抜粋して掲載)。伸び率は前年調査と比較して2.9ポイント減少している。

上位企業の顔ぶれに大きな変化はなく今回もアマゾンジャパンが断トツでトップに立っている。2位は前回と同じく千趣会で、3位も前回と同様にヨドバシカメラがランクインしている。トップ10入りした企業のうち2桁増は3社で、逆に減収している企業も3社となっている。

総合ではアマゾンがトップ

商品カテゴリー別に順位を見ると、「総合」分野ではアマゾンジャパンが前年比12.3%増の8379億円でトップとなった。14年度は特に商品数の拡充に注力し、客数を広げる戦略を展開。その一環で仮想モール機能「アマゾンマーケットプレイス」の出店者支援策の強化を図り、昨年2月には出店者向けに仕入れ資金などを融資するサービスを開始したほか、8月には「Amazonポイント」の使い勝手の改善を行うなどの取り組みを実施した。

2位となった千趣会のネット販売売上高は前年比ほぼ横ばいの831億2100万円だったが、ネット受注比率が3.4ポイント上昇して74.5%まで拡大した。14年度はスマートフォンで商品詳細や在庫一覧画面を見やすくするなど、デバイスの特性に合わせた売り場づくりの最適化を推進。スマホ経由の売上高がおよそ1.5倍増の264億円と急拡大している

衣料品ではゾゾ独走続く

「衣料品」分野では、衣料品通販モールの好調ぶりが目立つ。特に「ゾゾタウン」を運営するスタートトゥデイの独走が続いている。前期(15年3月期)は商品取扱高が前年比12.5%増の1290億円と好調に推移した。昨年10月には全品送料無料をやめて3000円未満の注文には送料350円とした一方で、有料(500円)だった即日配送を無料にし、11月には即日配送エリアをそれまでの1都3県から関西エリアに拡大。出荷全体の50%以上をカバーできるようにした。

2位のファーストリテイリングの14年8月期は前年比5.4%増の約255億円に拡大。3位の丸井は強化中のシューズとバッグがほぼ2桁の増収で好調を維持したものの、売り上げ構成比の高いアパレル商材が数%のマイナスとなり、前年実績を下回った。

化粧品は通販大手がけん引

「化粧品」分野は、通販専業大手が市場をけん引する一方、中小のEC専業企業は競争激化に伴う広告効率の悪化を受け、厳しい状況が続いている

1位のオルビスは「LINE」でのスタンプ配信などSNSを使ったプロモーションが奏功し、新規獲得が順調に推移。ネット販売の伸長率は前年比約18%増と好調に伸びている。

3位にはガシー・レンカー・ジャパンが浮上。同社は著名人を使った「プロアクティブ」のプロモーションで高い知名度を持つが、広告費の割合ではテレビが約9割を占めており、テレビ中心の露出が続いている。とはいえ、受注比率ではウェブが7割(このうちスマートフォンが約6割を占める)に達しており、ウェブに比重を置いた展開にシフトしているようだ。

ファンケルは前回の3位から4位に順位を落としたものの、創業者の池森賢二会長の経営復帰後は、化粧品の流通戦略の強化のほか、主力クレンジング、洗顔料に軸足を置いたプロモーション強化が奏功し、今期(16年3月期)はこれまでの月次売上高(4~7月累計)で前年比約21%増と大幅な伸びを示している。

「健康食品」分野の上位にランクインしたのはネット販売以外を含めた健食市場でも主要プレーヤーとなっている顔ぶれ。

ウェブマーケティングに特化した展開でここ数年急成長を遂げていたライオンは今回も5位にランクインしたが、前期(14年12月期)は総売り上げが減収に転じた。競合増加に伴う広告効率の悪化が原因だが、すでに主力のラクトフェリンを「機能性表示食品」として届出。今後、これをフックにダイエット訴求で再浮上できるかが注目される。

家電はヨドバシカメラが1位に

「PC・家電」分野では1位がヨドバシカメラでネット販売売上高は800億円だった。目標としていた1000億円の大台には届かなかったものの、全社売上高に占める割合は10%を大きく超えている。ここ数年、飲料や日用品など取り扱い商材を大幅に拡大。サービス面でも注文当日の配達が可能なエリアを広げ、今年からは注文から6時間で配送するサービスを東京都内で開始している。

「書籍、CD・DVD」分野は、アマゾンジャパンが断トツで1位となっている。2位はセブン&アイ・ネットメディアで、スーパーやコンビニなど巨大流通グループの資産を活用した戦略を強化。昨春からはグループのイトーヨーカドーの全国の店舗で、通販サイト「セブンネットショッピング」で受注した商品の引き渡しを始めるなど利便性の向上を図っている。

食品のトップはイトーヨーカ堂

「食品」分野ではイトーヨーカ堂が前年に続き2位以下を大きく引き離して1位となった。売上高は前年比11.1%増の500億円。ネットスーパーの認知度向上により、顧客の裾野が広がり顧客数の増加に貢献した。

【表の見方】

調査2015年7~8月、通販・通教実施企業約1000社に対し行った。無回答の企業に関しては取材データや公表資料、民間信用調を基に本紙推定値「※」)を算出した。「受」は受注比率から算出した売上高を示す。調査対象は「個人向け物販」でデジタルコンテンツやチケット販売、宿泊予約、金融などの非物販のほか、オフィス用品などBtoBは調査対象から外した。

「前期実績」は14年6月~15年5月に迎えた決算期、「今期見込み」は15年6月~16年5月に迎える決算期。増減率は前の期の数値が判明していない企業や、変則決算のため比較できない場合については掲載していない。表内項目の「全通販売上高の占有率」は原則、総通販売上高に占めるネット販売売上高の占有率を示す。

表中、企業名横の「◎」は次の理由による。(7)イトーヨーカ堂はネットスーパーの売上高(9)キタムラは宅配売上と店舗受取売上を合算した「EC関与売上」の数値(13)セブン&アイ・ネットメディアは14年3月にセブンネットショッピングを吸収合併、数値はメディア事業などを含む総売上高(15)マウスコンピューターは店舗売上などを含む(17)MOAは卸を含む(22)T-MEDIAホールディングスはネットメディア事業、映像・楽曲配信事業、DVDレンタル事業などを含む総売上高の推定値(29)ストリームは単体の売上高

「通販新聞」掲載のオリジナル版はこちら:
〝月刊ネット販売調べ 2014年度のネット販売市場、主要300社で2兆9380億円(2015/10/2)

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