森野 誠之 2017/1/31 8:00

欲しいときに欲しいものをすぐ届けてもらう流れがどんどん強まり、かつては便利だと思っていた定期購入が不便になってきました。ユーザーの意識だけではなく、法律もそうなってきているので流れに乗り遅れないように。

リピート注文はボタンの時代

Amazonがダッシュボタンのバーチャル版をリリース、Prime会員は自由にダッシュボタンを作成可 | THE BRIDGE
http://thebridge.jp/2017/01/dash-buttons-online-pickupnews

まとめると、

  • 物理的なダッシュボタンがなくても、Webサイトやアプリのトップにバーチャル版ダッシュボタンが表示される
  • Primeのメンバーなら自由に商品を選んでダッシュボタンを作成できる
  • バーチャル版ダッシュボタンの利用料は無料

「この商品にダッシュボタンがあったらな〜」、と思ったことがある人は多いはずですが、やっぱり出てきました。

定期購入って量が多過ぎたり少な過ぎたりしたときに調整できないというデメリットがあるので、ダッシュボタンに置き換わっていくのかもしれません。

同じような仕組みをメガネスーパーがコンタクトレンズで導入したので、関連記事もお読みください。日用品や健康食品などはこの流れになるかも。

関連記事
  • 過去に購入した商品を1タップで注文可能にするスマホアプリを公開、メガネスーパー | ネットショップ担当者フォーラム
    https://netshop.impress.co.jp/node/3914

リピート通販事業者は要チェック!

ネット通販&広告業界などは影響大? 「広告も『不当勧誘』の取消対象」の最高裁判断とは | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/3921

まとめると、

  • 最高裁第三小法廷が「広告のような不特定多数への働き掛けも勧誘に当たる場合がある」と判断した
  • 適格消費者団体からの差し止め請求が増えることなどが想定される
  • 今のところ、リターゲティング広告などの手法そのものが直ちに問題になることはない

定期購入型の通販やECビジネスに加え、有料会員サービスなど年1回の更新時といったときに、解約の意思表示をしなければ自動更新されてしまう、といったビジネスモデルが対象になり、消費者の利益を害すると評価されれば無効とされることが考えられる。

適格消費者団体が「広告も勧誘」を入り口に、以前から規制を進めようとターゲットにしていたEC系の成長ビジネスモデルに対して圧力を加える可能性が浮上している。

単品リピート通販の事業者にはかなり気になる部分です。

今すぐ何かがあるわけではないですが、これから先に訴訟が起こる可能性があります。まっとうに商売をしている人がいる中で、どこかがルールを破ってしまうと全体に影響が出るのはとても残念なことです。

上の記事のように注文ボタンが普及していく中、定期販売は今後どのようにあるべきなのか、考えるタイミングだと思います。

品揃えの豊富さのためなら、多少の赤字は気にしない

「利益が出ないから販売しない」は失礼 出荷が遅れても、駿河屋が顧客に愛されるワケ | ECzine
http://eczine.jp/article/detail/4058

まとめると、

  • Amazonのようなスピード配送を目指すつもりはなく、商品価格でお客さまに還元したい
  • 支持されている理由は品揃え。PC-8801やFM-7のなどソフトの商品もある
  • どんな商品でも「買わない」ということがない「昔のRPGに出てくる武器屋」を目指す

たとえば1円で買い取って、100円で販売する本があるとします。買取金額の100倍で販売しているともいえますが、99円しか粗利がないのに人件費や送料を支払って利益を出すことは、不可能です。しかし、その本は100円でなければ売れない。ここで赤字だからと販売を止めてしまうと、「その本を取り扱っていない古本屋」になってしまいます。当社は、利益が出ないから販売しないというのは、お客様に失礼だと考えます。

昔の古本屋ってこんな感じでしたが、今はAmazonやブックオフにとって代わられてしまいました。

そんな中、駿河屋が支持されているのはここに書かれているように品揃えなんでしょうね。「ここにしかない」という差別化力はそう簡単に身に付かないようです。

EC全般

いざシニア開拓!これからのネットショップに必要な「問い合わせ対策」とは | コマースデザイン
http://www.commerce-design.net/blog-staff/170126-senior/

まずは相手の言いたいことを理解することが大切ですよね。

楽天が後払い決済サービスを提供へ、楽天ペイの標準決済として年内にも搭載予定 | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/3902

決済手段が統一されるのは便利ですが、後払いは回収が……。

【今ならブルーオーシャン】LINEの運用型広告「LINE Ads Platform」を試したくなる調査結果をお見せします! | マーケティングリサーチキャンプ
https://marketing-rc.com/article/20170119.html

SNSやメルマガの効果がじわっと落ちている人には穴埋めになるはず。

職場で「義理チョコ」わたす女性、もはや少数派―今年用意する人は4割弱 | インターネットコム
https://internetcom.jp/202083/obligatory-gift-chocolate

昨年は18億円超 売り上げ日本一のバレンタインイベント名古屋でスタート | THE PAGE 愛知
https://thepage.jp/aichi/detail/20170119-00000007-wordleaf

もはや自分のためにチョコレートを買うイベントになってきました。

楽天市場 ショップ・オブ・ザ・イヤー2016 | 楽天市場
http://event.rakuten.co.jp/soyshop/

トップ3は家電。それ以外のランキングもたくさんあるので時間のある時にチェックを。

FutureShop2(フューチャーショップ2)でゼロから商品データ一括登録【入門編:基本データの登録】 | 株式会社グランフェアズ
http://www.granfairs.com/blog/staff/bulk-upload-fs-01

エディターがあったとは! 知らなかった人は使ってみましょう。

コンバージョンボタンの位置を変えただけでクリック率が7%から10%まで大幅に改善した事例のご紹介 | ウェブ企画ラボ
https://webkikaku.co.jp/blog/improvement/test-cv-button-position/

こういった改善はヒートマップがピッタリです。私も経験がありますが、位置を変えるだけで本当にクリック率が変わります。

今週の名言

現場で運用している人にとって使いにくければ、どんなに素晴らしいツールであっても意味がないと思っています。

─マードゥレクス 取締役社長 藤原尚也氏

マードゥレクス・藤原氏と語る 既存顧客のLTVを最大化する「CRM戦略」とは? | ECzine
http://eczine.jp/article/detail/4048

専門家から見ると機能が不足していても、現場で使いやすいものが支持されるのはどこも同じですね。価格や機能以外に、実際に使う人の意見を聞いてツールの導入を。

筆者出版情報

「未経験・低予算・独学」でホームページリニューアルから始める小さい会社のウェブマーケティング必勝法

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森野誠之 著
翔泳社 刊
発売日 2021年10月15日
価格 2,200円+税

この連載の筆者 森野誠之氏の著書が翔泳社から発売されました。小さな会社の“ひとり担当者”が、未経験、低予算、独学でホームページのリニューアルからウェブマーケティングまでを成功させるための指南書です。電子版、オンデマンド印刷版ともにAmazonで発売中です!

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