渡部 和章 2019/2/28 9:00

オイシックス・ラ・大地が手がける食品宅配サービス「らでぃっしゅぼーや」の収益構造が改善している。2018年11月に一部送料を値上げし、低単価の赤字注文を削減。会員数は減少したものの、客単価とARPU(1人当たりの平均売上高)が向上し、収益構造の良化につながったという。

「らでぃっしゅぼーや」の2018年10-12月期(2019年3月期第3四半期)における会員数は、前年同期比17.8%減の7万3364人。

オイシックス・ラ・大地が手がける食品宅配サービス「らでぃっしゅぼーや」の収益構造が改善
会員数の推移(画像は決算説明会資料からキャプチャ)

会員数は2割近く減少したものの、ARPUは同6.2%増の1万8217円に増加した。

オイシックス・ラ・大地が手がける食品宅配サービス「らでぃっしゅぼーや」の収益構造が改善
ARPU(1人当たりの平均売上高)の推移(画像は決算説明会資料からキャプチャ)

低単価の赤字注文を減らすため、2018年11月に送料を改定。注文金額が3000円未満の送料は、以前は定期購入で280円、通常購入は500円だった。11月以降は定期購入は380円、通常購入は600円にそれぞれ値上げした。注文金額3000円以上の送料は変更していない。

また、「3歳未満の子どもがいる会員」や「3年以上継続利用している会員」は、以前は注文金額にかかわらず送料が無料(3年以上の会員は定期購入のみ送料無料)だったが、送料無料ラインを注文金額3000円以上に変更した。

オイシックス・ラ・大地が手がける食品宅配サービス「らでぃっしゅぼーや」の収益構造が改善
配送料テーブルの改定(画像は決算説明会資料からキャプチャ)

こうした施策により、11月以降は3000円未満の注文が減ったことで会員数は減少。一方で、既存会員に対する買い方の提案にリソースを集中した結果、定期購入の契約率が改善したことなどから、購買単価の上昇と収益構造の良化につながったという。

送料の値上げに先立ち、オペレーターが顧客に電話をかけ、送料改定を告知するとともに定期購入の案内などを実施した。

らでぃっしゅぼーや(経営統合前)は2017年10月、送料の実質値下げを実施。自社便の送料が無料となる注文1回あたりの最低購入金額を、8000円から5000円に引き下げた。また、契約期間が3年以上の顧客を対象に定期購入の送料を無料にした。

「らでぃっしゅぼーや」の2018年4-12月期における売上高は143億4646万円、セグメント利益は26億5725万円。2018年10月に経営統合したことで決算期を変更しており、売上高や利益は前期と比較できない。会員数は減少したものの、おおむね計画通りに推移したとしている。

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