森野 誠之 2020/6/30 8:00
ネッ担まとめ

マーケティングの基本は「差別化」と簡単に言いますが、「覚悟を決めること」と同意です。覚悟さえ決めてしまえば、どの選択が幸せになるかもわかります。

情報発信のコツは情熱は伝えても“圧”を伝えない

2000円のベーコンが即完売。話題の"豚野郎"がECで売り続けるために大切にしていること | EC
https://new.akind.center/202006/butayarou-yamanishi/

まとめると、

  • 茨城県で養豚業/食肉加工品販売業を営む山西牧場の倉持信宏氏は、モールは比較される前提なので出店しないと決めた。自社ECは集客のハードルが高いが「お肉を買うなら山西牧場がいいな」と思ってくれる人に買ってほしかった
  • 商品がどうやって作られているのかを伝えるために、現場に行き、手を動かすことが重要。自分の頭で考えた言葉で語るからこそ、お客さんに情熱が伝わる
  • やるなら他と思いっきり差をつける。ベーコンのためのnoteを書いたり写真を撮ったり、このベーコンがどれだけ素晴らしいかを発信し続けた

「あなたならこれ!」という看板商品を作ることで、買い手が商品を選ぶ負担を減らせると考えています。世の中には物が溢れていて、買い手は選べなくなっているんです。

あれもこれも売るのではなく、自信のある看板商品を前面に出し、その商品をきっかけに自社を知ってもらう。買い手の選び疲れを緩和する工夫は必要になると感じますね。

マーケティングの基本は差別化と誰もが言いますが、どこかに特化するのは何かを捨てることなので難しいことです。捨ててしまえば引用文にあるように良いことがいろいろあります。自社の商品で最も自信がある部分に特化するのがポイントですね。

アピールが押し付けがましくならないように気をつけています。絶対的な主役は商品であって、作り手の苦労ではないからです。値段はものの良さにつけられるべきで、作る際の苦労であってはいけないと僕は考えています。僕は熱くなりやすく、長く喋ってしまうので、情熱は伝えても圧を伝えないように気をつけています(笑)。

注意点はこちら。特化すると言いたいことが多すぎて知らないうちに圧をかけてしまう時があります。「絶対的な主役は商品」であることを忘れずにSNSもメールもYouTubeも活用していきましょう。

ひとりECは「やらないこと」を決めることから

ひとりEC運用で効率的に売上を上げるには? 取捨選択と力を入れるべきポイントを伝授 | ECzine
https://eczine.jp/article/detail/7991

まとめると、

  • 1人でECを運営する三浦卓也氏は、顧客とのコミュニケーションに注力するために、無駄なSKU増加、過剰な在庫管理、過度なサイト分析、過度な広告の検証を捨てた
  • 小さな資本で他のECサイトに勝つには、顧客への対応力が大事。顧客対応に時間を割くためには、とにかく業務を効率化する必要がある
  • 「それ自分のポリシーに合ってる?」と自問自答することも重要。お客様に合わせすぎず「自分は何を持ってお客様を幸せにしたいか」を考える

現代の人々は、商品のスペックや価格だけでなく「誰(どの会社)が売ってるのか?」も重視しています。購買意欲を左右するのは「共感」です。

 僕は、EC運営は村作りに共通すると考えています。ひとつの村の中で、全員の言うことを聞いていたらどうなるでしょうか?恐らく全員の望みを実現するのは不可能ですし、仮にそれを実現できたところで、人々は誰の言いなりにもなるその村のことをつまらないと感じてしまうはずです。

 僕のやりかたは極端な事例かもしれませんが、お客様に迎合せず、自身のポリシーを突き詰め、無駄を徹底的に省く考えかたも、ひとりEC運営には必要と言えます。

前述の倉持さんとまったく同じことがこちらにも書かれています。八方美人は四面楚歌であることが多いです。お客さんには他の選択肢があるのですから、自分たちの色を明確にした方が良いですよね。自分がやるべきことを決めてて集中する。売れる秘訣はこれです。

ホームランを狙わずにヒットを狙うと業績が安定します

1日300斤売れる「ねこねこ食パン」誕生の裏側 | 東洋経済オンライン
https://toyokeizai.net/articles/-/358584

まとめると、

  • 名古屋の製パン・製菓会社「オールハーツ・カンパニー」の「ねこねこ食パン」が大ヒット中。高級食パン・猫好き・映える写真など、流行のキーワードを掛け合わせて商品開発した
  • ブームが去ったときの撤退も万全。表参道の旗艦店以外は基本的に既存店のスペースを利用し、単独で出店していない
  • 経営を学ぼうと業績が良く後継者不足などの課題を抱えるパン屋や工場などを買った。吸収した会社から、ケーキ屋や工場などの仕組みを学んだ

最盛期には年間10億円近くの売り上げがありましたが、2年後には5000万円という急降下で本当に苦しくなりました。もともと僕はクリエーティブな仕事が好きだったのですが、一度クリエーティブを捨てても、ロジカルな思考で利益を意識する経営をやらなければと発想を切り替え、ホームラン狙いではなく着実なヒットを狙うようにしたら数年で業績は戻りました

ホームランを打ってしまうとそれを忘れられずに落ちていく企業は多いですが、ヒット狙いに切り替えたところが素晴らしいですね。野球ではヒットの延長線上にホームランがあると言いますが、それと同じなのでしょう。流行りものをかけ合わせた商品開発も参考になります。オズボーンのチェックリストにある「組み合わせたらどうなるか?」です。

EC全般

意外と忘れがち! ネットショップを始めたら、まずやってほしいこと2つ | Web担当者Forum
https://webtan.impress.co.jp/e/2020/06/23/36271

「お客様の気持ちになって完成したネットショップ見る」「周りの方にネットショップを開いたことを伝える」。確かにこれをやっていない人は多いです。

寝具のD2C「コアラ・マットレス」はコロナ禍も成長、2020年売上は4倍に増える見込み | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/7753

「企画立案から実行までを内製を基本にスピーディーに行った」。こちらでも特化することを決めていますね。

45分のライブ配信で実店舗以上の売上も ライブコマースを始める前に知っておきたいコツを紹介 | ECzine
https://eczine.jp/article/detail/7909

台本を読み上げても楽しくないですよね。間違ってもいいから普通に話すことが大切です。

BASE、「テイクアウト App」リリース 事前決済やステータス管理機能でテイクアウトビジネス支援 | ECzine
https://eczine.jp/news/detail/8046

「BASE」が 越境ECに対応開始 「NEOlogi」とサービス連携し、世界150カ国以上に配送が可能に | BASE, Inc.
https://binc.jp/press-room/news/press-release/pr_20200623

BASEの動きを2つ。機能があってもが全体のオペレーションも考えないとECは上手くいきません。

ドロップシッピングを始めよう - サプライヤーや会社、卸売業者を見つける | shopify
https://www.shopify.jp/dropshipping

WalmartとShopifyの新パートナーシップによってeコマース業界に広がる波紋 | eコマースコンバージョンラボ
https://ecclab.empowershop.co.jp/archives/66176

Shopify関連記事を2つ。Shopifyはいろんなことに手を出して当たるものを探しているので、みなさんは振り回されないように。

日本のAmazonから世界へ Amazonが新たに専属チームによる日本語での海外販売支援サービスを提供 | ECのミカタ
https://ecnomikata.com/ecnews/26658/

Amazon、社内に「偽造品犯罪対策チーム」を設置 | ASCII.jp
https://ascii.jp/img/2020/06/24/3060361/l/cb0e022b44e3ac0e.png

Amazonも越境ECを強化して品質向上に取り組んでいます。

Instagram、ショッピング機能利用要件を改訂 タグ付けアイテムを単一のECサイト販売商品に限定 | ECzine
https://eczine.jp/news/detail/8038

要件が明確になり、多くの人が使えるようになりました。

LPのCVRが〇〇%改善する!どんな商材でも使えるLPO施策20選 | D2Cスタートアップの教科書 | やはぎひろゆき | note
https://note.com/bibou_log/n/ndc1e1f0172fd

ちゃんと考えて使えば効果はあるはずですが、何も考えずに導入したらCVRが落ちるでしょう。

今週の名言

「自分とはこういう人間でこんなことがやりたい」と明確に決まっている人は、極論どれだけお金を積まれようが、満たされようが、自分にとってどの選択が幸せになるのかがわかるので迷いがないという意味で病みにくいですよね。

経営者人生すべてを否定された衝撃。10年かかって気づいた覚悟の重要さとは? | アナグラム株式会社代表取締役 阿部 圭司 | Marketeer
https://marketeer.jp/abe/

今週のテーマは「特化」。どうすると幸せになるかがわかっている人は迷わないですね。

筆者出版情報

「未経験・低予算・独学」でホームページリニューアルから始める小さい会社のウェブマーケティング必勝法

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小さい会社のウェブマーケティング必勝法

森野誠之 著
翔泳社 刊
発売日 2021年10月15日
価格 2,200円+税

この連載の筆者 森野誠之氏の著書が翔泳社から発売されました。小さな会社の“ひとり担当者”が、未経験、低予算、独学でホームページのリニューアルからウェブマーケティングまでを成功させるための指南書です。電子版、オンデマンド印刷版ともにAmazonで発売中です!

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