森野 誠之 2015/12/8 8:00

今回の要チェックはEC全般売上アップのヒントです。ネット通販市場が拡大するのは良いことではありますが、競合がひしめき合うということでもあります。加藤公一レオさんが話しているように「CPAが良くなる時代って来ない」と思いますので、どこにどう逃げていくのかを考えておきたいです。

※記事の難易度を、低い難易度低から高い難易度高まで、3段階で示しています。

EC全般

  • ネット通販市場の20兆円超えは2019年度。ネット広告は2016年度に1兆円超へ拡大 | ネットショップ担当者フォーラム
    https://netshop.impress.co.jp/node/2342

    野村総合研究所が今後のEC市場の成長に関するポイントとして次のようなことをあげている。

    • スマートフォンからのEC利用の増加に伴い、BtoC EC市場の規模は2021年度に25兆円に達する
    • 購買経路がパソコンからスマートフォンへ急速に移行しており、ECサイトのスマホ対応は必須
    • 2020年のオリンピック・パラリンピック以降も、EC市場の成長はすぐには衰えない
    • オムニチャネルの整備により、既存小売業とEC企業との連携が進む

    これを見て「参入のチャンスだ」と思うか「競合が増える」と思うのかでやることが変わります。資本があれば前者、そうでなければ後者になるので、規模の小さなショップは差別化をどうするのかを必死に考えないといけないですね。

  • ついにロコンドが単月黒字を達成。黒字転換を遂げた5つのポイント | ネットショップ担当者フォーラム
    https://netshop.impress.co.jp/node/2345

    「年間売上高100億円が損益分岐点」。10月度は月商9億円を突破し、月次ベースで営業利益、経常利益、純利益ともに黒字化を達成。

    画像中文字
    ロコンドの軌跡(ロコンドのプレスリリースより転載)

    本当に「ついに」ですね。5つのポイントも読むとかなり苦労したこともわかります。ここからどこまで伸びるのか楽しみです。

配送関連

  • 「プライムナウ」の裏側に潜入。アマゾンが仕掛ける1時間以内の配送サービスに迫る | ネットショップ担当者フォーラム
    https://netshop.impress.co.jp/node/2350

    同社ではすでに受注日当日に配送を行う当日配送を行っているが、「プライムナウ」の実施で当日配送をさらに上回るスピード配送により、今後の伸びシロを期待して各社が参入、競争が激化しているネットスーパーを含む日用品ECという巨大市場の取り込みを図りたい狙いもあるようだ

    日用品は既にAmazonパントリーがありますよね。プライムナウなどの組み合わせで総合力の競争に持ち込まれたら他社はキツイかも……。

  • 1時間配送の「Prime Now」が早くも対象エリアを川崎市にも拡大 | Shopping Tribe
    http://shopping-tribe.com/news/23818/

    注文から1時間以内に配送するプライム会員向けサービス「Prime Now(プライム・ナウ)」の対象エリアを神奈川県川崎市に拡大し、12月3日から高津区と中原区を皮切りに順次サービスを提供していくことを明らかにした。

    始まったと思ったら拡大。どこまで広がるのか楽しみでありますが、関東以外ではまだまだでしょうね。

モール関連

  • Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピング、”初”の三つ巴の戦い!? | ECマーケティング人財育成
    http://www.ecmj.co.jp/...

    Amazonは「サイバーマンデーウィーク」、楽天は「楽天スーパーSALE」、Yahoo!ショッピングは「ポイント5倍キャンペーン」となっています。ポイントを貯めるなら買い慣れたモールとなるので、安さが売りのAmazonに新規顧客が流れるかもしれません。売上だけを見ていないAmazonの動きが目立ちます。

  • 楽天、「レビューで値引き」禁止 | 通販新聞
    https://www.tsuhanshimbun.com/archive/2015/12/post-2366.html

    楽天市場をはじめとした仮想モールでは、購入者がレビューを書くことを前提に、送料を無料にするといったインセンティブを与えるキャンペーンが定着している。これは、レビューの数や評価によって購入を決めるユーザーが多いのはもちろん、「レビューの数が多い方がモール内検索順位で有利」とみる店舗が多かったからだ。

    ただ、インセンティブを与えた上でのレビューは、評価にバイアスがかかっている恐れがあるほか、商品到着前にレビューをするユーザーも少なくない。「まだ届いていないが、期待を込めて評価は星5つ」などというレビューは、購入するかどうか迷っているユーザーにとっては無価値なものといえる。

    そもそも楽天のレビューをユーザーが参考にしているのか? という話もありますよね(苦笑)。これって楽天検索の仕組みの問題かなと思いますので、ここを解決しない限りはどこかで似たようなことが起きてしまうんじゃないかと。

カート関連

  • BASEが新しくスタートする「後払い決済」4人に1人の購入者に選ばれ、代金未回収リスクのないそのサービス内容について | BASE U
    http://baseu.jp/launch_web_shop/20151201110159/

    BASEも後払い決済を導入です。BASEはプラグインでどんどん機能が増やせるのでなかなか面白い仕組みです。

SNS関連

  • 【LINE】タイムラインにおける新たな広告配信・表示について、12月1日より外部企業案件でのトライアル運用を開始 | LINE Corporation
    http://linecorp.com/ja/pr/news/ja/2015/1166

  • FacebookがSupershipとパートナー契約、国内のオーディエンスネットワーク拡大を加速 | TechCrunch Japan
    http://jp.techcrunch.com/2015/11/30/facebook-supership/

    LINEとFacebookの新たな動きです。一般で使えるようになるまでに時間がかかると思いますが楽しみです。

売上アップのヒント

  • 加藤公一レオはなぜ、LTVを重要視するのか? | Unyoo.jp
    http://unyoo.jp/2015/12/kato-leo/

    これからはCPAが良くなる時代って来ないと思うんですよ。世の中、DSPとかいろいろありますが、どうやっても結局、低いCPAでとれることはもう無いと思います。通販のビジネスは、初回受注はあくまできっかけであって、その後のリピートやクロスセルで利益を出すビジネスモデル。なので、広告の“費用対効果”はLTVで見ないといけない。企業の決算が一年であるように、ネット広告の決算も年単位にすると、より正確に“効果”を把握できる。通販会社であるクライアントが儲けるためには、1回客をいかにして100回客にするか。極端な話ですが、一回来て終わりではなく、いかにお客さんに100回来て買ってもらうかをベースに考えていけば売上は上がっていくんです。

    ちょっと引用が長くなってしまいました。EC全般で取り上げたように、ネット通販市場が大きくなれば競合がどんどん増えてCPAが悪化するのは自明です。その中で売上を上げようと思えば何回も買ってもらうか、越境ECで海外に出るか、リアルを頑張るかの3つになりますが、ネットで売っている人であればリピート率を上げる施策が現実的かと思うので、この記事はしっかりと読んでおきたいですね。

  • 今、数々のファッションブランドが飲食業界への参入を急ぐ理由 | O2O イノベーションラボ
    http://o2o.abeja.asia/marketingcase/post-11374/

    他社との差別化するために、ファッションアイテム販売のみではなく、ブランドコンセプトやターゲットに合わせた「衣・食・住」の提供をし、コモディティ化から逃れることである。

    その一つの方法として飲食業界への参入はこれからも進むと予測される。

    「逃げる」はこれからのキーワードになってきそうです。競合だらけになってしまっているので、上に書いたようにどこに向かうのかを決めないと、あっという間に飲み込まれてしまいそうです。拡大という選択肢を取れないお店はここを真剣に考えないと本当に危ない。

ネット通販業界の最新情報は、こちらも要チェック!

ロコンド単月黒字化までの5年の軌跡/楽天、Amazon年末セール情報 | ネットショップ担当者フォーラム2015年11月27日~12月3日の週間人気記事ランキング

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