ネットショップ担当者が知っておくべきニュースのまとめ

無計画なカスタマイズはダメ! Shopifyのプロが語る失敗しないカスタマイズ【ネッ担まとめ】

ネットショップ担当者が読んでおくべき2021年2月15日〜21日のニュース

森野 誠之

2021年2月24日 8:00

ネッ担まとめ

IT全般に言えますが、無計画なカスタマイズは将来の負債になる可能性があります。Shopifyも同じ。簡単にカスタマイズできるからこそ慎重に。

Shopifyのカスタマイズは簡単だけど将来的に足を引っ張ることも

Shopifyテーマのカスタマイズについて 基本的な話 ~ マニアックな話【Shopify エキスパート2社対談 】 | ECのミカタ
https://ecnomikata.com/column/29291/

まとめると、

  • Shopifyでカスタマイズが必要な理由は「何を伝えたいのか」というデザイン面と、「どう行動してほしいのか」という体験面のどちらかを改善したいとき
  • Shopifyはデザインとシステムがきちんと分かれているところが使いやすい。プログラマーであるCEOが作りたいと考えたことが反映されているので、カートシステムの理想的な形がエンジニア視点でも盛り込まれている
  • カスタマイズは容易だが、コードが肥大化して読み込み速度が遅くなる可能性がある。直接コード編集は肥大化を避けられるが専門スキルが必要

有料テーマで構築したものの、その段階で自分たちで手に負えなくなり、構築会社に依頼するということもあると思います。カスタマイズの内容によっては有料テーマをベースにゴリゴリいじるよりも、オリジナルで作り直す方が良かったりもします。
─non-standard world CMO兼アートディレクター 佐藤昭太氏

そのあたりは昔から思う事があります。有料テーマで作成するとURLもそこに依存するので、URL構造が有料テーマに依存することになるじゃないですか?これを別テーマに変えようとするとURLも変わるので、インデックスも変わるんですよね。
─コマースメディア 代表 井澤孝宏氏

何でも自由にカスタマイズできそうなShopify。しかし、何も考えずにカスタマイズしてしまうと後になって痛い目に遭うこともあるようです。基本的には無料のテーマも問題ないので、そこから自分たちのやりたいことに合わせて専門業者を探すのが良さそうです。Shopify自体も進化しますし、アプリも進化していきますので、その変化を追いかける必要もあります。作っただけで終わりではないことを覚えておきましょう。

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3大モールも成長していますがShopifyはそれ以上の成長率

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https://www.businessinsider.jp/post-229914

Strong Consistent GMV Growth

Shopifyの流通取引総額(GMV)。2016年〜2020年通期の推移(左)、右が2020年10月〜12月期(右)

出所:Shopify Investor Deck Q4-2020
https://www.businessinsider.jp/post-229914より編集部でキャプチャ

流通取引総額(GMV)は、2020年通期が前年比「96%増」の1196億ドル(約12兆5600億円)。10~12月だけで見ても、前年同期比「99%増」の411億ドル(約4兆3200億円)。同じ10~12月の楽天の国内EC取扱高は約1兆4100億円、比べると規模感が分かる。

こちらは記事タイトルだけででも状況がわかると思います。既存の巨大モールは20%~40%ほど伸びている中で、Shopifyは売上高が86%増で取扱高が99%増。ECの市場シェアはAmazonに次いで2位で8.6%となっています。関連記事にあるようにAmazonも自社ECサイト構築サービスを買収していますので、AmazonとShopifyの競争はますます激化しそうです。

関連記事
  • Amazon、自社ECサイト支援のSelzを買収と報道 ブランドのオムニ化やマーケティングまで支援する狙いか | 日本ネット経済新聞|新聞×ウェブでEC&流通のデジタル化をリード
    https://netkeizai.com/articles/detail/3039

巨大モールへの規制は強まる流れ

マゾンの敗訴確定<景表法処分取消訴訟>「場の提供者」の表示責任で初判断 | 通販新聞社
https://www.tsuhanshimbun.com/products/article_detail.php?product_id=5662

まとめると、

  • 東京高裁は不当な二重価格表示を行った責任はアマゾンにあるとの一審判決を支持した。アマゾンは訴えを取り下げ、判決は確定。2月10日、自社サイトのほか、日刊紙2紙にお詫び社告を掲載した
  • 販売する「クリアホルダー(1000枚入り)」で「参考価格9720円(90%オフ)」など、5商品で実際の販売価格と比較して安いかのように表示。サイトで表示した「参考価格」は、製造業者が社内管理上、便宜的に定めたものであるなど根拠のないものだった
  • 判決は「アマゾンが価格を決め、安さを強調して顧客誘引するために参考価格、割引額、割引率の表示によって大幅に割引された商品と消費者が誤認するならば、不当な表示をした事業者に該当する」と結論づけた

 アマゾンの表示責任を認める判決にある公正取引委員会OBは、「シンプルに考えれば当然の結果。システム構築といってもそのシステムを使い、販売しているのは自分。消費者からしたら当然アマゾンが売っていると見る。売り値をよその事業者に入力させるほうが無責任。責任を持って確認しないといけない」と感想をもらす。

 別の公取OBは、「責任はゼロではなく、プラットフォーマー規制と同じで自律性を持ちなさいということ。チェックの仕組みを作らないと、二重価格表示に限らず、景表法の優良誤認、薬機法、PL法などでも規制の対象になりうる」と指摘する。

こちらでもお伝えしたように巨大ITモールに対する規制はどんどん強まっています。楽天では過去に二重価格問題があって、今ではガイドラインで決められていますので、違反点数を課せられてしまう可能性があります。とはいえ、そもそも消費者が勘違いしやすいような価格表示すること自体が問題なので、売れるからといって悪徳手法を使うのは絶対にやめましょう。

関連記事

EC全般

【ニュース】Google、価格表示の正確性を欠いた広告主のGoogle Merchant Centerアカウント停止措置を開始へ | Unyoo.jp
https://unyoo.jp/2021/02/gmc_price_enforcement/

こちらも二重価格というか価格を誤認させるようなことはダメ、ということですね。

コロナ禍でECは「天下一武道会」、勝ち目は「人間味あるデジタル」にあり ハイフィットの吉村さんに聞く | ECzine
https://eczine.jp/article/detail/8791

「天下一武道会」はものすごく納得。知らないところから競合というか強豪がやってくる時代です。

「レディー・カガ」「旅館で音楽フェス」などのアイデア、ファンやアイドルとのつながりを生かした体験+物販のECサイト「かいねや加賀」のスゴイ取り組み | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/8412

地域全体でどういったマーケティングをするのか?がスタートです。ECはその一部。

ECのエキスパート7人に聞く!2021年最新ECトレンド | Printful
https://www.printful.com/blog/jp/ec-trends-2021-according-to-experts/

最後にある「共通する7つの重要なキーワード」を見ておきましょう。

【社長インタビュー】流通額2.8倍、1100億円突破の「STAFF START」。デジタル×販売員の力でめざす「カリスマ店員新時代」とは | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/8408

上記に関連して。ライブコマースとオンライン接客は2021年のトレンドですね。

チャージバックを未然に防ごうーー不正利用の疑いがある注文のお知らせ表示を開始しました | BASE U
https://baseu.jp/19299

BASEも利用者が増えて安心・安全の部分に力を入れるようになってきました。

今週の名言

効果的な子育て支援施策を打てば、子育て世代の移住件数や出生率は当然、増加する。

そうして人口が増えると、街がにぎわい活性化し、税収も増えていく。税収が増えればその財源で、より手厚い行政サービスができ、街への愛着が高まる。

こうした好循環を意識した施策展開を続けると、街はどんどん豊かになってくるわけです。

市民のわがままを政策に生かすには、「きれいごとと本音」の両立が必要だった──明石市長 泉房穂×サイボウズ 青野慶久 | サイボウズ式
https://cybozushiki.cybozu.co.jp/articles/m005932.html

ネットショップが儲かるようになるのもこのサイクル。魅力的な商品やサービスがあってお客さんが増えればファンも増えて自然と成長します。

筆者出版情報

「未経験・低予算・独学」でホームページリニューアルから始める小さい会社のウェブマーケティング必勝法

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森野誠之 著
翔泳社 刊
発売日 2021年10月15日
価格 2,200円+税

この連載の筆者 森野誠之氏の著書が翔泳社から発売されました。小さな会社の“ひとり担当者”が、未経験、低予算、独学でホームページのリニューアルからウェブマーケティングまでを成功させるための指南書です。電子版、オンデマンド印刷版ともにAmazonで発売中です!

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