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アマゾンがAIサービスを拡充。顧客の好みに応じて商品をパーソナライズ提案する「Amazon Interests」とは?

AmazonはAIサービスの拡充を進めています。生成AIを活用した音声アシスタント「Alexa+」などに続いて、「Amazon Interests」を発表。すでに試験運用が始まっています

Digital Commerce 360[転載元]

4月3日 8:00

Amazonは3月26日に、ユーザー向けの新たなAI(人工知能)活用サービス「Amazon Interests」を発表しました。Amazon Interestsは、「Alexa+」「Amazon Amelia」「Amazon Rufus」などAmazonが展開するAIサービスに続く新サービスです。顧客が入力したプロンプトに基づき、入手可能な関連商品、再入荷、セールに関する情報などを積極的に通知する機能を搭載しています。

AmazonがAI活用サービスを拡大

消費者向けの新サービス「Amazon Interests」

Amazonは、プライム会員向けのセールイベント「Prime Day」に先立つセール企画「Big Spring Sale」を実施している時期(2025年3月25日~31日)に、試験運用中の新しいAIを活用した機能「Amazon Interests」の詳細を発表しました。

「Amazon Interests」のイメージ(画像はAmazonのコーポレートサイトから編集部が追加)
「Amazon Interests」のイメージ(画像はAmazonのコーポレートサイトから編集部が追加)

「Amazon Interests」は、エージェント機能を持つ生成AIの音声アシスタント「Alexa+」などに続く新しいAIサービスです。

Amazonはこれまで、Amazonマーケットプレイスの販売事業者がビジネスを管理・拡大するのを支援するように設計した生成AIアシスタント「Project Amelia」顧客向けに商品の情報や比較検討などをサポートする生成AIアシスタント「Amazon Rufus」も発表しています。

「Alexa+」の利用イメージ(Amazonのニュースリリースから編集部が追加)
「Alexa+」の利用イメージ(Amazonのニュースリリースから編集部が追加)
「Project Amelia」の活用イメージ(動画はAmazonのニュースリリースから)

今回発表した「Amazon Interests」は、顧客が入力したプロンプトに関連した商品が注文できる状態になった場合、継続的な更新情報をリクエストできるカスタマイズ機能を搭載しています。この点が、他のサービスとは一線を画しているのです。

「Amazon Interests」の特長

顧客のショッピングプロンプトに基づき自主的に稼働

Amazonのパーソナライゼーション担当バイスプレジデントであるダニエル・ロイド氏は「Amazon Interests」についてこう説明しました。

「Amazon Interests」を使えば、お客さまの興味、価格の幅、好みに合わせて、主流からニッチな商品までパーソナライズされたショッピングプロンプトを平易な言葉で作成できます。

お客さまは、探しているものを「ホビーの製作者やデザイナー向けの模型製作キットと関連アイテム」「コーヒー愛好家向けのアイテム」「ピックルボール用の最新アイテム」のように入力するだけで大丈夫です。

お客さまは入力の際、探したいものに関連する説明、スタイル、そのほかの詳細を追加することもできます。「Amazon Interests」は、自然言語入力を利用して一致するものを検索します。(Amazon パーソナライゼーション担当バイスプレジデント ダニエル・ロイド氏)

「Amazon Interests」の使用イメージ(画像提供:Amazon)
「Amazon Interests」の使用イメージ(画像提供:Amazon)

ロイド氏はさらに、「プロンプトを作成すると『Amazon Interests』がお客さまに代わって作業し、Amazonのストアを継続的に検索。お客さまの興味に合った入手可能な関連商品、再入荷、セールに関する情報を自主的に通知します」と補足しています。

米国ユーザーに提供拡大を見込む

現時点で、「Amazon Interests」はiOSおよびAndroidデバイス上のAmazonの米国アプリと、モバイル版のECサイトに表示米国内の一部の顧客にのみ提供しています。ロイド氏によると、米国顧客へのより広範な展開は「今後数か月以内」と計画しているそうです。

Amazonのモバイルショッピングでは、利用可能なユーザーは「Me」(マイページ)タブの選択肢の1つとして「Your Interests」が表示されます。

「Amazon Interests」を利用できる顧客のマイページのイメージ(画像はAmazonのコーポレートサイトから編集部が追加)
「Amazon Interests」を利用できる顧客のマイページのイメージ(画像はAmazonのコーポレートサイトから編集部が追加)

プロンプトを入力すると、「Amazon Interests」は大規模言語モデル(LLM)を使用してリクエストを分解。次に、検索エンジンを通じてこれらのリクエストを処理し、レコメンデーションと通知を行います。

Amazonが推進するAI活用サービスの拡大

Amazonが「Amazon Interests」を活用して積極的なレコメンデーション商品を生成するアプローチは、「入力項目と過去の行動に基づいて、AIツールを消費者の目に触れないところで機能させる」という2025年のECのトレンドの1つです。

このアプローチは、Amazonが「Alexa+」で使用しているエージェントコマースにも見られます。エージェントコマースでは、ソフトウェアが顧客の好みに基づいて顧客に代わって意思決定し、買い物をすることを可能にします。

「Amazon Interests」は、Amazonが構想するAIサービスのポートフォリオの一部で、エージェントコマース機能を追加せずに、自然言語と検索機能を活用します(2025年3月28日時点)。

Amazonはショッピング体験を強化する方法を模索し続けており、ロイド氏によると「お客さまにとってより便利で楽しい」ソリューションの開発・提供にフォーカスしていく予定です。

この記事は今西由加さんが翻訳。世界最大級のEC専門メディア『Digital Commerce 360』(旧『Internet RETAILER』)の記事をネットショップ担当者フォーラムが、天井秀和さん白川久美さん中島郁さんの協力を得て、日本向けに編集したものです。

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